6号機の1年間を振り返ってみよう 出玉試験編 ~6号機AT機の仕組みと限界~

6号機振り返り企画の準備パート後半です。
今回は"本丸"の『出玉試験』についてガッツリと解説していきますぜ!

ココを正しく理解出来ているかどうかで6号機に対する見方は大きく異なります。前回に引き続きクッソ長い記事ですが、どうか最後までお付き合いくださいませ。

※ 2020年10月より保通協の実射下限試験方式が変更されました。下記情報は2020年9月時点までの解説だとお考え下さい。詳細はコチラ。なお、下限試験以外の話については何ら変わりないので参考になれば幸いです。


----------------------------------------------------------------------

型式試験とはなんぞや?

パチスロは世に出る前に必ず二つの審査を受けています。

一つは保通協が行う"型式試験"
申請された遊技機が風営法に定められた通りの性能を有するかを様々な方法でチェックする試験です。

もう一つは各都道府県が実施する"検定"。型式試験をパスした遊技機が、「著しく射幸心を煽らないか」「公序良俗に反しないか」をチェックするものです。


型式試験では遊技機が法律にのっとった仕様かどうかを厳しくチェックします。意図的に乱数を偏らせたプログラムは使われていないか、メイン基板に製造業者の印字がなされているか...といった機械的な部分はもちろん、肝心の"出玉性能"が風営法で定められた範囲に収まるかどうかを複数の試験方式において審査します。
そして、試験を突破した台は晴れて"型式試験適合"となり、検定の申請が可能になります。

検定では型式試験を突破した遊技機が「著しく射幸心を煽らないか」「公序良俗に反しないか」をチェックします。要するに、試験を抜け道で突破した明らかに違法な機械(4号機のミリオンゴッド等)や、常識で考えてアウトな映像や音声(エッチすぎたりグロすぎたり、薬物を使ってたりなどなど)を使用した機械を弾く審査です。これをパスするとその遊技機は"検定通過"となり、ホールへの販売や設置が可能になります。

例えばKPEの『ドロロンえん魔くん』
この機種は型式試験を余裕でパスしたにも関わらず、「演出が過激(お下品)すぎる」という理由で何度も検定に落ちています。女の子の裸を出して、『お仕置きぷるるんタ~イム』とかやってると検定落ちるってこと。

(こういう演出ばかりだと試験は通っても検定に落ちます。パンチラも基本NGみたいです)

この二つをごっちゃにして「どうやって検定通したの?」と誤った理解をしている人が非常に多いので、是非この機会に正しい使い方を覚えていってください。

今の時代、型式試験を抜け道で突破して著しく射幸心を煽る機種なんて存在しません。
よって、リゼロや朋友のように"意欲的なスペック"の機種については「どうやって試験通したの?」を使い、
閃乱カグラやえん魔くんのような"えちえち映像"を搭載した機種については「どうやって検定通したの?」を使うようにしましょう。
しょーもない話ですが、念のためね。

また、余談ですが型式試験にしろ検定にしろ、その審査基準は割と不明瞭です。大まかには示されているものの、ハッキリした試験内容、審査基準は公開されていません。しかも落ちたら1回数十万~160万円以上する申請料が一切返ってこないので、メーカーの悩みの種でもあります。まあ、わかっちゃったら確実に抜け道探す奴が出るから仕方ないっちゃ仕方ないんですけども。

(『性能が高すぎる。どうやってこの台は検定通したんだ!?』は良く見る誤用。ちなみに検定で女性のパンチラはNGですが、男のパンイチはOKみたいです。なんで?)

そーんなトンチキな業界ですが、今回の記事で取り上げるのは型式試験の中でも最も重要な"出玉試験"の話になります。5号機中期以降では様々な発明により出玉試験の大半を実質的に無力化することが出来たため、スロットを打つ際に試験の細かい内容や方式を知るメリットは殆どありませんでした。

けれども、6号機は違います。
この出玉試験と機械のスペックが不可分なものとなっており、内容を知らなければその機種の正しい評価が出来ないと断言しても良いほどです。今回の記事では試験方式やその基準について、5号機~6号機の進化や開発者の屁理屈めいたトンチを絡めて紹介しつつ、ガッツリかつわかりやすく解説していきますね。

6号機の出玉試験

まずは6号機の出玉率制限の数値を確認してみましょう。

【上限】
400G  220%  (差枚 +1243枚)
1600G  150%  (差枚 +2071枚)
6000G  126%  (差枚 +4039枚)
17500G  115%  (差枚 +6797枚)

【下限】
400G  33%  (差枚 -694枚)
1600G  40%  (差枚 -2485枚)
6000G  50%  (差枚 -7767枚)
17500G  60%  (差枚 -18123枚)

※ リプレイ確率を7.3分の1と仮定。小数点以下は四捨五入。

ザッとこんな感じ。
とは言え数字を並べられただけで「なるほどね、全て理解した」と頷ける人は、まあいないと思うので、今回の記事では個別に解説を行っていきます。

出玉率制限は法律なので6号機時代に変わることは決してありません。
てか、変わったら7号機です。括弧内の差枚数だけは少し事情が異なりますが、そちらについては後述するので今は確認する程度に留めておいてください。

ちなみに、これらの試験について"6号機の性能を左右する順"にランキングをつけるとすれば以下の通り。


1位  中期試験  1600G  150%
2位  短期試験  400G  220%
3位  長期下限試験  17500G  60%

-------ゲーム性に大きな影響を与えるかどうかの壁-------

4位  長期試験  17500G  115%
5位  中長期試験  6000G  126%

-------機械性能に影響を与えるかどうかの大きな壁-------

6~8位  残りの下限試験3個  (AT機においてはぶっちゃけ空気)


圧倒的にキツイのが出玉性能そのものに影響を与える『中期試験  1600G  150%』
次いで6号機の純増緩和の足を引っ張り、かつAタイプに致命的な打撃を与える『短期試験  400G  220%』
そして6号機を高ベースAT機ばかりにし、多様性を著しく奪った大戦犯である『長期下限試験  17500G  60%』

この3つが6号機の出玉試験を語る上で最も重要な項目になります。
正しく理解している人が意外と少ないので、是非この機会に詳しい内容を知ってみて下さい!

そうすれば

「なぜ6号機は減算区間を挟むのか」
「どうしてリゼロは200Gもの無抽選区間が必要なのか」
「なぜ高ベースAT機の設定6が安定したグラフを描かざるを得ないのか」

などなど、現行の6号機に多くの人が抱える不満の理由が全て明らかになります。また、ネットに蔓延するガセ情報("リゼロは裏道を使ってる"~やら"設定1エクストラだ~"などの眉唾考察)を全て看破することが出来るようになりますぜ!

(出玉試験の内容を理解すれば、6号機特有の減算区間に対する見方も大きく変わってきます)

これらの理由や仕組みを解明すると同時に
『開発者達が如何なる手段で試験の突破を試みたか』
もつまびらかにしていきます。

詳細を知れば「おお、そういうことだったのか!!開発者ってスゴイ...」となること間違いなし!
折角の機会ですので試験を潜り抜けるための屁理屈やトンチ、あるいは限りなく0%に近い可能性を掴み取るための"正攻法の突破口"などをミッチリ紹介していきます。この辺の話がわかってくると6号機がもっと面白くなりますよ。

シミュレーション試験と実射試験

個別の話に移る前に『シミュレーション試験』『実射試験』についての話をしておきましょう。

出玉試験は大まかに分けて二つ。

一つは"成立したフラグのうち獲得枚数が最大となるものを優先して揃えること"を前提とした『シミュレーション試験』。

この試験では
・ボーナスは成立ゲームに全て即揃える
・小役は一切こぼさず完全取得
・押し順小役は全てエスパー
・同時成立フラグは獲得枚数が多い方を優先
の条件で、遊技機が法律で定められた出玉率の範囲内に収まっているかをチェックします。

要するに『全ての成立フラグと押し順が見え、かつ目押しも完璧な"機械"が行う試験』です。
押し順も色押しも全部エスパーするので通常時は常にAT状態。
ボーナスは確定告知が出る前に全て即揃え。
小役のこぼしも一切なし...とくれば、普通に考えてAT,ART機は全滅します。
(4号機で猛威を振るったAT機を封じるための試験なので当然と言えば当然です)

しかし、開発者たちは知恵を振り絞り、様々な変遷を経て『ゼロボーナス』と呼ばれる武器を発明。シミュレーション試験を完全に無力化しました。
このゼロボーナス、加えてその発想を更に発展させた『アクセルAT』の仕組みは6号機のAT機を語る上では絶対に外せません。その問題点も含め、後ほど詳しく解説します。


もう一つは"実際の打ち手と同じ遊技方法で行うこと"を前提とした『実射試験』。
(正式には試射試験と呼ぶのですが、"実際に打つ"とのニュアンスを強めるためにあえて実射試験と表記します)

こちらの試験はその名の通り、ホールで実際に遊ぶ際と同じ打ち方をして出玉率が法律の範囲内に収まるかをチェックします。シミュレーション試験と違い押し順エスパーはしません。『普通の"人間"が行う試験』です。

上限試験と下限試験


また、実射試験は上限試験下限試験の二つがあり
上限試験は"最も機械割が高くなる打ち方"(小役完全取得、押し順ナビに従う)
下限試験は"最も機械割が低くなる打ち方"(押し順固定 or ランダムでフリー打ち、押し順ナビ無視)
でチェックを行います。

上限試験は詳しい人がキッチリ攻略した打ち方での機械割、下限試験は仕組みを知らないおじいちゃんが完全オヤジ打ちでナビも全部無視した場合の機械割だとイメージすれば大丈夫。

「え?最も機械割を低くするんだったら順押し固定時にあえて順押しベルを逆押ししたり、ベルこぼしの1枚役を取らないようにしたりしないの?」
と思う方がいるかもしれませんが、あくまでも人間が打つことを想定した試験ですのでその辺は普通です。
ボーナスも告知があれば下限試験はちゃんと揃えます(告知が無くても適当押しですぐ揃うことも勿論あります)。逆シミュレーション試験ではないので、そこだけご注意を。


また、両方の試験において『役物比率』という項目があり、こちらも意外と重要です。
簡単に概要を説明すると、「全払い出し枚数のうち、ボーナスでの払い出し枚数の割合が6割以下であること。ただし2種BB(俗に言うMB)を搭載した機種は7割以下であればよい」というもの。
更に2種BBを搭載した機種は1種BBの枚数が最大225枚に制限されたり、そのほか細かい内規があったりとAタイプにおいては極めて重要な項目ですが、AT機にはそこまで影響がないので今回は軽い説明に留めておきます。

ゼロボーナスとアクセルAT

「5号機最大の発明は?」と問われれば、僕は間違いなく「ゼロボーナス」と答えます。
そして、「6号機に最も大きな影響を与えた5号機時代の発明は?」と問われれば、ゼロボーナスの発展形である「アクセルAT」であると断言することでしょう。
それほどまでにこの二つの仕組みは6号機において重要です。簡単に説明していきますね。

ゼロボーナスとはその名の通り「2枚掛け2枚払い出しを延々と繰り返す"全く増えないボーナス"」のことです。
何故そんなものが生まれたのか。先にも書いた通りシミュレーション試験は押し順ベルを全てエスパーしてきます。普通に作ればAT機は絶対に試験は通りません。正に鉄壁です。

しかし、シミュレーション試験は"ボーナスも成立ゲームで絶対に即揃える"という特徴があるのは前述した通り。
「じゃあ、もしもボーナスが超高確率で成立していて、かつそれが一切増えないボーナスだったら?」
「機械は絶対に即揃えるんだから、押し順エスパーで増え続ける前に増えないボーナス中に封じ込められるんじゃないの?」
という発想で生まれたのがこのゼロボーナス(以後ゼロボと表記)になります。初出はエージェントクライシス。

(イメージ)
純増2.8枚のAT機と仮定。シミュレーション試験でのグラフイメージ図。

(ゼロボ非搭載の場合、機械は通常時も全て押し順を当ててしまうので純増2.8枚で増え続けてしまいます。当然ながら試験に通ることは決してありません)

(ゼロボを搭載すると押し順ベルで少し増えても、すぐ現状維持のボーナスに入るため実質純増が0.5枚まで落ちます。そうすると純増2.8枚のAT機であってもシミュ試験の突破が可能となるのです)

雰囲気はこんな感じ。わかりやすくするために数値やグラフの動きを露骨にしていますが、実際は細かいアレコレがあるのでまた事情は変わります。あくまでもイメージね。

5号機AT機の仕組み

5号機のAT機は常にゼロボを保持した状態でゲームが進みます。
「あれ?でもAT機でボーナスなんか揃ったことないよ」
と思われる方がいらっしゃるでしょうが、実は5号機のAT機は"ボーナス成立後にリプレイ高確率のRTに移行"し、本来ならばゼロボを揃えるためのハズレがほぼ全てリプレイに変換されているのです。

どういうことか説明しましょう。
どんなAT機も最初はリプレイが1/7.3の低確率(RT0)に滞在しており、ボーナスを揃えられるゲームであるハズレも高確率で存在しています。
そして、レバーオンでゼロボが成立した際に即揃えられればずっとRT0(ハズレ高確率)、もしも揃えられなかった場合はハズレがほぼ全てリプレイに変わったRT1(ハズレ超低確率、ボーナス成立後RT)へと移行してしまうのです。

Aタイプでボーナスが成立するとリプレイ確率が上がる台があるじゃないですか。アレの極端なバージョンです。ゼロボを揃えられるゲームが1/65536でしか来ない確定画面状態、それが5号機AT機のRT1になります。この状態はゼロボを揃えるまで終了しないため、基本的にAT機はこのRT1から抜け出せません。そのためゼロボを気にせず快適に遊技できるようになっています。

(5号機AT機は常にゼロボーナスを保持したまま進みますが、超低確率で発生するハズレを引いた際や一部のベルこぼし時に狙うとゼロボーナスを揃えることが出来ます。秘宝太陽のゼロボはプレミア映像が流れるのであえて狙う人も多く、ゼロボ出目が有名でしたね。上の画像は拾い物)


シミュレーション試験ではゼロボを揃え続けるためRT0から移行せず、常にリプレイが低確率なままです。よって押し順エスパーで増え続けることもリプレイ高確率になることもなく、数回ベルを揃えた後はすぐゼロボが入賞、試験中ず~っと増えない時間を過ごすことになります。こうやって5号機は鉄壁と言われたシミュレーション試験を無力化しました。漫画やゲームでも完璧すぎる機械が裏を突かれて永久ループさせられる展開ってありますよね。それと同じです。正に天才の発想。

しかし、そんなゼロボにも一つだけ弱点があります。あくまでも"増えないボーナス"なだけなのでボーナスを揃える前にベルが揃いすぎると試験に落ちてしまうのです。それを防ぐためにRT0のハズレ確率を上げる=RT1でのリプレイ確率も大幅に上がること、加えて役物比率の都合やその他の理由から"作れても純増3枚が限界。良くて2.8枚。かつリプレイ確率が高いので千円ベース30G以下に出来ない"という問題が長く付きまといました。


この悩みを解決したのが"減るボーナス"の発想を利用した『アクセルAT』です。
KPEの『激闘!西遊記』で初めて登場したアクセルAT。

(アクセルATの元祖こと激闘!西遊記。この台が後世に与えた影響は計り知れません。台自体も非常に面白いです)

ボーナスは増えるもの...その概念を覆したゼロボを更に発展させ、
「小役確率は上がってるけど全部重複してるので実際は減ります」
という意味不明なトンチを使って"ゼロボ中に減っていく"ことを実現しました。
(この説明はわかる人だけわかってください。重要なのはボーナス中にも出玉を減らせる、その一点です)

ボーナス中に出玉を減らせるようになったため、ゼロボではあり得なかった最大10枚前後の超高純増ATも実現可能になりました。また、ベルの取得を防ぐために上げていたハズレ確率を大幅に下げられるため、リプレイ確率が上がる必要性もなくなりました。その結果、1k23Gで純増3枚と言った荒波のAT機がドンドンと登場し、5号機の進化は頂点を迎えます。

(アクセルATでのシミュ試験イメージ図。ボーナス中にも減らせるので、ゼロボが揃うまでに増えても大丈夫な出玉量が格段に改善します。わかりやすくするためにあえて山と谷を広めに描きましたが、実際はもっと細かく刻みつつ地べたを這うようなグラフになります)

アクセルATによってAT機のリプレイ確率は大幅に抑えることが可能になりました。では、リプレイ確率が高いと何故マズいのか。それは型式試験最大の問題点ともいえる『リプレイ 0 in 0 out方式』において大幅に不利となるからです。

リプレイ 0 in 0 out 問題とアクセルAT

最初に書いた6号機の出玉率一覧。何かおかしいと思いませんでしたか?
例えば短期出玉率。400G 220%で差枚+1243枚と書かれています。

出玉率の計算は
総払い出し枚数 ÷ 総投入枚数
で行われますので、3枚BETであることを考えれば差枚数は
400G × 3枚 × (220% - 100%) = 1440枚
となるのが筋のはず。

この200枚の乖離はなんなのか。
実は型式試験において"リプレイは0枚投入 0枚払い出し"として扱われており、早い話がBET的には存在しないのと一緒なんです。(素直に考えれば3枚入れ3枚払い出しなのに)
よって、リプレイが多ければ多いほど実質的な出玉率は下がります。

法律において「最低でも7.3分の1はリプレイフラグを搭載すること」が定められているため、どんなパチスロであっても総投入枚数 ÷ 7.3 の分は出玉試験においてカットされてしまうのです。
これがもしリプレイ確率がトータル2分の1の機種だったら...?  そう、総投入枚数の半分がカット=許される差枚の範囲も実質半分になってしまい、機械性能が大幅に制限されます。出玉試験においてリプレイは少なければ少ないほど有利。絶対に覚えておいてください。

この方式によって、一見マイルドそうに思えるRT機や低純増のART機は出玉試験において大幅に不利な仕組みとなり、リプレイ確率を上げる必要のないAT機は出玉試験において有利な仕組みとなってしまいます。

加えて厳しい6号機の出玉率制限が重なり、RT機を6号機で作ろうとしてもドンちゃん2が最高スペック、ART機を作ってもボーナス込み1.3枚程度が限界となってしまいます。
純増0.8枚のARTと200分の1で100枚のボーナス(7枚払い出しで25G消化)みたいな台、打ちたいですか?
誰も打たないでしょ。

さらにAT機はシミュレーション試験をゼロボで完全に無力化しています。本来ならば最も厳しいはずの試験をAT機は素通りしてるんです。だからリゼロや北斗天昇みたいな荒波機が作れてしまう。純ボーナス搭載機はみんな真面目に試験を受けてるってのに...

ドンちゃん2とリゼロなんか、どうみても後者の方が射幸性が高いのにおかしな話ですよね。
これが6号機がAT機ばかりになってしまっている最大の理由です。決して純増の緩和があったからだけではありません。諸々の仕組みを考えると6号機においてAT機以外を選択する理由が一つもない。それが現実なんです。

(RTを搭載したり純ボーナスを搭載すると6号機においては大幅に不利になります。なぜ本来のスロットであるノーマルタイプが酷い目に合わねばならんのだ...)

あともう一つ。最近の6号機は5号機のAT機と比べてAT中にハズレが出ますよね?
実はこれ、リプレイ確率を少しでも抑えるために『やじきた方式』と呼ばれる"2枚掛けでしか揃わないゼロボと3枚掛けでしか揃わないゼロボの二つを用意し、試験では3枚掛けで封じ込め、通常遊技は2枚掛けゼロボを保持したまま3枚掛けで遊技することで入賞を回避する"という仕組みを使っています。

この方式のメリットはボーナス成立後のRT1を用意する必要がない=リプレイ確率を下限の7.3分の1に抑えることが出来ることと、その副産物としてハズレを高確率に出来る=純増6枚を超える超高純増機種が作りやすくなることの二つがあります。

そんな中でもあえて3枚掛けゼロボとRT1を使いつつ、純増は4枚以下に抑えて他のメリットを生かす機種(鉄拳4やガルパンGなど)もあれば、そもそもボーナス成立後もRTを変えず、通常時もゼロボが揃うようにしてペナを搭載し様々なメリットを得た機種(チェンクロや朋友)だったり、あるいはガルパンGや猪木のように3枚掛けゼロボタイプでありながら、1枚役の制御とRTを組み合わせることでリプレイ確率の上昇を最小限に抑えた機種もあります。この辺の説明は長くなるので、また個別のレビュー記事で紹介していきますね。

ただでさえ邪魔なリプレイを減らせて、かつ6号機のメリットである高純増を活かせる...そんな事情もあってか世にある殆どの6号機がやじきた方式を使っています。
この方式は基本的にデメリットのない優秀な仕組みなのですが、一つあるとすれば「2枚掛けをすると意図的にゼロボを揃えられてしまうこと」ですかね。

この仕組みだとボーナス非成立時に3枚掛けすると、必ず3枚掛けのゼロボが成立してしまいます。
そうすると、今後も通常遊技をする際に
まずは3枚掛けゼロボを揃えて消化→終了後に手入れで2枚掛けして2枚掛けゼロボを外し→その後3枚掛けに戻す
という手順を踏む必要が出てくるんです。

6号機についての理解が広まっていないころ、星矢SPやLOV Reの初期手順を完了していないお店や、あるいは営業中にペナ状態で放置されたままになる問題が話題になりました。中身の仕組みを理解すればこういった問題も怖くなくなるので、僕たち打ち手は勿論、ホール側の人たちのためにも6号機の仕組みが広まって欲しいところ。

(やじきた方式は非常に優れた方式です。しかし、6号機への理解が広まっていなかったがために2枚掛けゼロボを不意に入賞させてしまった後、戻し方がわからない打ち手や店舗が続出しました。画像は星矢SPの2枚掛けゼロボを入賞させた状態。仕組みさえわかってしまえば戻すのは簡単です)


話を戻しましょう。
このリプレイ 0 in 0 outはあくまでも"型式試験における解釈"の問題なので、保通協次第では今後3枚入れ3枚出し扱いに変わることもあるかもしれません。と言うか、今の時代誰もがそう思っているんだから変更するのが当然だと僕は思います。
もしも緩和されれば6号機のゲーム性は大幅に広がることでしょう。RT機、ART機が再び日の目を見るかもしれませんし、今までより高スペックのAタイプの試験が通りやすくなるはずです。

しかし、ココを緩和するとAT機の性能も同じく格段に向上してしまいます。すると、もっと荒波のAT機ばかりになるのが目に見えている。6.1号機の緩和で低ベース化も進むから余計にね。
また、前回の記事でも説明した通り型式試験のルールは業界の意思で変えることはほぼ不可能、かつ変わったら大体悪い方向に行くので現状を受け入れるしかありません。

確かに6号機AT機においてシミュレーション試験は完全に無力化されています。上限下限、範囲もなにも関係ありません。完全に素通りです。
その分、実射試験の重みが5号機以前よりも遥かに増しました。メイン基板管理が義務付けられたため、サブ基板でごにょごにょして試験を誤魔化すことはできません。抜け道は限られています。

4号機から5号機へ移行する際にはATやストック、大量獲得機にインチキRTなどありとあらゆるものが法律で規制されました。これに対し、6号機は5号機から出玉率制限以外は何も変わっていません。禁止されたものの殆どが自主規制であり、5号機の仕組みのほぼ全てが流用できます。この違いは非常に大きい。

けれども、それゆえに6号機は既に完成しきっているとも言えます。
「天才開発者が抜け道を見つけるから~」
なんて言ってる人は目を覚ましてください。何もないです。

あったら5号機の時点で出てます。というか既に天才が見つけたのに業界が全力で排除しました。
そうですね、ちぇんくろ学園ですね。これしか6号機は抜け道が存在しません。
世界解剖タイプが使えるならやりようはあるんですが、あっちはもう内規で禁止されちゃいました。しかも学園方式は最近試験通りづらいらしいです。ヤバいです。このままでは詰み一歩手前でございます。

(悲しいかな、6号機の抜け道は学園方式以外ないのです...本当に何もないんです。あったら誰も苦労しないんすよ...。コイツがこの世から消えたら6号機は冗談抜きで完全終了です)

長くなりましたが、現状の6号機事情は大まかにこんな感じだよ~と紹介させていただきました。
マニアックすぎてついていけない人の方が多いかも。しかしながら、6号機の現状を語る上でこれらの内容は必修です。キチンと把握していなければ6号機のATの現状とその理由、リゼロが試験を通した方法やちぇんくろ学園の仕組みと言った内容を理解することも出来ません。だからこそ、ガセ情報が蔓延してしまったのです。

少し難しい内容かもしれませんが、是非この機会に知っていってください。また、質問等がございましたらお気軽にコメントください。正しい理解の手助けになるのであれば、僕に出来る範囲で回答させていただくつもりです。それでは、個別の解説に移っていきますね。

中期試験 1600G 150%と有利区間

さーて、ようやく本筋です。ここまでよく頑張りました。でもまだ半分にも満たない地点です。先は長いので、休憩を入れつつゆっくり読み進めていってください。

この中期試験 1600G 150% (差枚 +2071枚) は6号機から新規に追加された、出玉試験の中で最も厳しい試験です。試験に落ちた機種の殆どがココで失敗しています。それほどまでに厳しい数値。簡略化のため、差枚は2070枚として記載します。

型式試験は最低400G~最大17500Gの範囲で行われますが、この400Gや17500Gは「どの区間を切り取っても出玉率の範囲に収まる」ことが要求されます。1~400Gまではオッケーだったとしても、2~401Gの範囲でアウトだったらダメってことです。

(以下のグラフは短期試験での一例)
(出玉試験において重要なのは"どの区間を切り取っても"法律で定められた出玉率の範囲に収めることです。上のグラフは純増6枚,千円ベース50Gの台がATを300G消化すると仮定した際に"短期試験"ではどのように扱われるかを説明したもの)

(0~400G,400~800Gの区間においては短期試験400G 220%の範囲に収まっています。400Gずつ見ると大丈夫そうですが、200~600G区間においては220%を超えているため試験に落ちてしまいます。出玉試験を通過するためには輪切りではダメ。"どの区間を切り取ってもOK"でなければなりません。この点が非常に厳しいのです)


また、最大17500Gですが実際の試験ではもう少し多く回されます。少なくとも倍の35000Gぐらいは回されてるんじゃないかな。各設定ごとに試験されるので、最低でも20万Gぐらいは回されてると思っておけばOKです。この辺の詳細が公開されていないのも型式試験のブラックボックスな所なのですが、言っても仕方がないので推測した上で対策を立てるより他ありません。

そして、なぜ1600G 150%なのか。
これは6号機とP機の規制において基準とされた「4時間で5万円以内」の射幸性に抑えることを目的としています。リプレイを3 in 3 out扱いすれば1600G 150% = 差枚2400枚だからね。ちょうど有利区間1500G 2400枚ともかぶせてあるんです。この4時間で5万にちなんで『4時間試験』とも呼ばれることがあります。

実際はご存じの通り、フルウェイトなら1時間あたり800Gは回せるので"有利区間=2時間で5万以内の勝ち負け"との印象を僕は持っており、あえて中期試験と呼んでいます...
おかしな話だぜとは思いつつ、短期の400Gを1時間とみなす言い訳を通した人たちに感謝しておきましょう。
これがパチンコみたいに単純時間計算だったらパチスロ完全に詰んでました。ホントにトンチキな世界だよ。

そんな中期試験ですけども、リプレイ問題の都合で型式試験では"どの1600Gを切り取っても差枚2070枚以内(区間内純増1.3枚未満)に収める"ことが要求されます。
そう、『有利区間1500G 2400枚』よりも遥かに厳しいのです。だからこそ6号機は通常時を周期で間延びさせたり、いざ当たっても2400枚すら出ない機種が殆どになってしまったのです。また、有利区間を貫通する方式でリミットを突破したタイプの台(美ら沖やグレンラガン等)も減算区間をダラダラ消化させつつ、トータル純増を1.3枚以下にせざるをえないのです。

6号機の出玉性能がしょぼいのは有利区間の問題だけではありません。普通にAT機を作った場合、根本的な法律の問題でその程度の性能の機種しか作りようがないのです。

そして、設定6の大半がジグザグした綺麗な右肩上がりを描きやすいのも中期試験が理由です。5号機のころは低ベースかつ中期試験が6000G(現在の中長期試験)だったため、6000Gの中で一気に吸い込んでから大量に吐き出しても出玉率の範囲内なら普通に試験に通りました。

しかし、6号機は1600Gの区間で厳しく出玉率を制限されていることに加え、下限規制により千円ベースが50Gで吸い込みが弱い。純粋な出玉性能を持たせることも難しい上に、AT後にすぐ当たって1000枚出るような台は殆ど試験に通らない。そのため上下の波を作りにくく、結果的に安定した出玉推移をする台ばかりになってしまったのです。

(5号機までは中期試験が6000G区間だったため、その幅の中で激しい上下の波を作ることが可能でした。6号機は中期試験が1600G区間と4分の1程度に圧縮。加えて"どの1600Gを切り取っても"という出玉試験のルールにより、性能が大幅に制限されています。5号機時代の呼称を踏襲して6000Gを中期とみなし、1600Gを"短中期"と呼ぶ場合もあるようです)

中期試験を突破するための対策

現行の6号機は厳しい中期試験を突破するために幾つかの対策を施しています。

例えば星矢SP
こいつの設定1は1回のATで簡単に2000枚以上を吐き出すため
「出玉性能が高すぎる。設定1だけ抜け道を使ったんじゃないか!?」
と頓珍漢な考察をする人がいましたが至極単純な発想です。基本天井以外で当たらなきゃ別にいいんです。もっと言えば"試験の時だけたまたま出なきゃいい"んです。

以下のグラフをご覧ください。

(通常時に必ず700Gを消化した後、AT純増3枚で800G消化し2400枚完走する台を想定。星矢SPをわかりやすい数字に直した感じ。それが有利区間2セットで発生した際の3000G区間におけるグラフです)

振れ幅が極端すぎて一見すると中期試験に落ちそうなこのグラフ。なんとコレ、余裕で通ります。簡単に説明していきましょう。

中期試験は1600G区間の差枚ですから、例え800Gで2400枚(機械割200%)出てしまっても残りの800Gで330枚以上吸い込めば、とりあえず中期試験は回避できます。このように毎回700Gハマってから2400枚吐き出すならば、たとえ"最も区間の差枚が大きくなる場所(AT開始時)"を1600Gの始点に持ってきても

800Gで差枚2400枚
→700Gで差枚1700枚
→残りの100GはATなので300枚足されて合計差枚2000枚
=中期試験1600G 2070枚以内!

となるので、どこを切り取っても1600G +2070枚以内に収まります。アホらしく見えますが、これが事実。
だからこそ殆どの6号機は周期やゾーン制を採用しているんです。通常時の消化G数を稼げますからね。そうした方が中期試験において有利なんです。
もしもコレが100Gで当たって数百枚でも出ようものなら、問答無用で中期試験に引っかかります。6号機が即当たりしない台ばかりなのはこれが理由。

逆に下記グラフのようにAT平均枚数560枚で純増2.5枚だったとしても、いつでもどこでも当たる+枚数が100~1000枚までブレる仕様にすれば、出玉も純増もさっきよりマイルドなのに中期試験で落ちてしまいます。おかしな話ですよ全くもう。

(ATの初当たり分布や獲得枚数にブレを持たせると、中期試験では非常に不利になります。一定量吸い込んで一定量吐き出す"デキレ台"が増えたのも、この中期試験の性質によるところが大きいです)

星矢SPは確かにAT後に即レア役から当たる可能性を残してはいますが、設定1以外は出玉が数百枚しかありません。そして、1で万一当たったとしても50%を3回突破しなければATに入りません。また、ATに当たっても特化がやれなければ出玉が伸びる保証はありません。2400枚完走の即連は、不可能ではないけど現実的じゃない。

それでも、全くの0と可能性が数%あるのでは大きな違いです。荒波の魅力は出率が低く試験突破率の高い設定1に全て詰め込む。その上で試験対策もする。他の設定は全部安定型にして試験に受かることを優先する。

そうやって実際の稼働では試験の限界を超える可能性を残しつつ、試験において出過ぎないよう調整をして"正攻法"で突破したのが星矢SPという台です。抜け道は何も使っていません。あくまでも真っ向勝負です。この「不可能と思えるスペックを徹底した調整をした上で真正面から突破する」思想は後発のリゼロにも引き継がれています。ここも面白いので後でじっくり語りますね。


よく6号機について語る際に「短期試験が云々~」と宣う人がいますが、短期試験はリゼロや北斗天昇のようなノンストップで吐き出す機種のみの問題であり、殆どの6号機にはあまり関係がありません。最も6号機の性能に影響を与えている試験、それが中期試験 1600G 150% +2070枚なのです。
(Aタイプの場合は短期試験が最も厳しくなりますが、今回はAT機の話がメインなのでそちらはまた別の機会に話すつもり)

ちなみに、これをある程度解決する(かもしれない)方法が一つだけあります。それが『ちぇんくろ学園』です。次の項目では下限試験 17500G 60%の解説と、下限ベース突破口としてのちぇんくろ学園。加えて学園方式によって、ひょっとすると出来るかもしれない"短期&中期試験を誤魔化す方法"についても語っていきましょう。


長期下限試験17500G 60%と高ベース   突破口としてのちぇんくろ学園

正直な所ランキング2位に入れるか非常に迷ったのが、この長期下限試験17500G 60% 差枚-18123枚です。いわゆる「吸い込み規制」ってヤツ。
ただしコイツは打ち手の皆が求めた吸い込み規制とは全くの別物。ただひたすら6号機の性能の足を引っ張り、むしろ「吸い込む時間を長くしてるから吸い込みを助長してるんじゃね?」とツッコミたくなるような試験です。

しかし、この試験はそもそも5号機AT機を規制するために試験方式が変わった経緯もありまして、規制の流れから考えれば至極当然なのかもしれません。その辺の話も含めて語っていきましょう。

前回の記事において、2014年中盤から保通協による試験方式が変わったことをお伝えしました。今までも長期下限試験は存在していたのですが、それまではずっと下限試験においても"出玉率が最高になる打ち方(AT中のナビに従う)"で試験をしてくれていたため完全に空気でした。8000Gで逆万枚以上しないと落ちないからね。なかなか起きんよそりゃ。

2014年中盤以降、下限試験においては"出玉率が最低になる打ち方"でなされることが決まりました。この打ち方では押し順は常に固定、AT中の押し順ナビは全て無視のフリー打ちでなされます。固定とは言えど、順押し or 逆押し or 中押し一択あるいは完全ランダムで打ち続ける方式なので、「どのリールから打ちつづけても17500Gで出率60%(差枚 -18123枚)を下回らないように!」というルールだとご理解ください。

そして、17500Gで差枚マイナス18123枚。ちょうど1回転1枚ぐらいですよね。そう『千円ベース50G』。これが6号機AT機が高ベースばかりの理由です。そうじゃないと下限試験通らないんです。純増はあんまり関係ないよ。

そのため、どんなに色押しを増やそうがリールを増やそうが、普通に作れば絶対に"どのリールから回しても1k50G以上回る台"しか作れません。この試験を唯一回避する突破口、それが『ちぇんくろ学園』になります。

(以下、詳しい試験方式が公開されていないため一部推測を含みます。ほぼあってるとは思いますが、念のため)

下限試験においてもボーナスは普通に揃えます。しかし、それは告知があった場合に限り、告知がない場合はフリー打ちで揃うのを待つことになります。
千円ベース50Gとは言いますが、これはボーナスを含まない場合。もしも通常時にボーナスによる払い出しが存在するのであれば、その分出玉率を稼ぐことが出来ます。

例えば5号機の『鉄拳エンジェル』


新基準AT時代なので1k 45G回らなければAT機は作れないはずなのに、この台は4リールで千円ベース23Gと凶悪なコイン持ち。普通に考えれば下限試験に通らないはずですが、この台は通常時に純ボーナスが結構成立して80枚ぐらい貰えます。それによって実質的には『どのリールから回しても千円45G以上回っている(ボーナス含む)』訳です。

「え!?なんでAT機なのに増えるボーナス搭載してるの? シミュ試験で落ちるじゃん」
と思われた方は勘が鋭い。その通り。

その点を回避するために鉄拳エンジェルは"ボーナス中にJAC in を回避すると増える、JACを入賞させると減る"方式を採用しています。これはリノで使われた手法ですね。ちぇんくろ学園や朋友、あるいはピラミッドアイでも採用されています。今度出る1000ちゃんもコレ。

簡単に説明しますと、「ゼロボでのRT移行の仕組みを発展させてボーナス中にも同じことをさせている感じ」です。JACはいわゆるRBであり、特定回数の小役の入賞か一定回数の遊技で終了します。「ボーナス中に成立するボーナス」みたいなもん。アイマスの社長フリーズとかが代表例。よくわからない人は、「へぇ~そういうのもあるんだ~」とだけ思っておいてください。詳しく語ると長くなりすぎます。

このJACをシミュ試験は必ず即揃えるのでボーナス中は減っていきます。通常遊技では"あえて"JACを外すことでボーナス中のRT0をRB成立後RT1に移行させ、小役の制御も少し変化させます。すると、リプレイ確率も増えた上にベルが良く揃うから、ボーナス中に増えるって寸法です(この辺も語ると長い)。だからAT機でも増える純ボーナスを搭載できます。

ちぇんくろ学園も全く同じ仕組みです。ボーナス入賞後、すぐにJACが成立しますがしっかり狙わないと入賞しないので殆ど回避されます。んで、RT1に移行すると現状維持~微増程度でダラダラ60Gぐらい消化します。以前検証したところ、ボーナス入賞→JAC外し→ボーナス消化の手順で機械割102.2%、1回につき3枚ぐらい増えました。その時の動画と検証結果がコチラ

んで、パチスロ  チェインクロニクルは試験方式を逆手にとって

「ボーナス告知を一切せず、打ち手は"あえて"ボーナスを外すけど試験はフリー打ちなので勝手に揃える」

というアホみたいなトンチを使い、この微増するボーナスを高確率で成立、入賞させています。

そうしてダラダラと下限試験を回させることにより、チェンクロは千円ベース39G(機械割50%ちょっと)しかないのに下限試験を突破しているんです!  この数字、実は5.5号機よりもすごいんですよ。マジで革命的な仕様です。

サミー「テンパイするとプチフリーズするけど、特に意味はないよ。試験はフリー打ちなのでそのうち揃っちゃうんすよね。打ち手は"何故か"ボーナスの目押しを外してるけど...別にいいよね。うん。」

通るかそんなもん!と思えるほどの屁理屈ですが、通りました。そして、他の6号機にはない低ベースかつ高性能なATを手に入れたのがチェンクロです。どう見ても抜け道っすね。
フツー通ると思わないよそんなの。

(学園ペナボはメチャクチャ有用です。低ベースを実現するための仕組みも有利区間の使い方も共にしっかり練られています)

※ 2020年10月より保通協の実射下限試験方式に変更があり、AT中の押し順ナビに従う旧基準5号機以前の形に戻ったようです。よって、ペナボなしの低ベース機が6.1号機以降は増えると思われます。それでもちぇんくろ学園の有用性自体は依然変わりないので、今後ペナボ方式はA+ATの形で生き残っていくのかな~と予想。

学園方式とその可能性


加えて、この方式の何が凄いかっていうと"上限試験でも使える可能性がある"って所なんですよ!
以下はその例になります。ただの妄想なので話半分に受け取ってください。(恐らくチェンクロは下限試験以外でペナボを使っていません)

学園はあくまでもボーナスです。しかも入れると3枚増えます。
すると、「最も機械割が高くなる打ち方」を考えた際にちぇんくろ学園を全て回避するよりも、『通常時にちぇんくろ学園を3回揃えてから消化する』方が僅かに高い機械割になる"可能性"が考えられるのです。

ん?それがなんなの?と思われるでしょうが、先ほども話した中期試験。試験の仕組み上、AT後に即当たる可能性をなるべく減らす必要がありました。
しかし、学園を3回入賞させる打ち方が最も機械割が高くなるとしたら?実射上限試験においても当然3回入賞させてから回避する方向で試験をするでしょう。


以下のグラフをご覧ください。

(手描きだから割とアバウトな上に最後の赤線でミスをしてますが、説明する箇所の範囲では問題ありません。細かいことは気にするな!)

先ほど惜しくも中期試験に落ちてしまった数珠連台を学園方式で千円40Gまで低ベース化。併せてAT平均枚数は600枚、純増も2.7枚と性能を上げています。
その上で、あえて"最初に3回ペナボを入賞させる(約175Gの現状維持)"ことを前提として、さっきと同じ出方をしたらどうなるのか?を描いたのが上のグラフです。

このように現状維持の175Gが追加されることによって、AT後に即当たりする台を作っても中期試験を通しやすくなるんですよ!
しかも学園方式は低ベース短いゲーム数でより多くの枚数を吸い込めるので、更に中期試験の突破が容易になるのです。つまり、上下の波が激しい台を作ることが可能になります。

実際、チェンクロは6号機としてはかなり波の激しいスランプグラフを描きます。一気に吸い込んで一気に吐き出す、5号機AT機に近いグラフをこの方式の台は描けるんです。どう考えたってこっちの方が今のミミズグラフ台より面白いでしょ? そういうことです。

(設定関係なく3時間一直線に吸い込み続け、たった1回のATで2400枚吐き出して捲る。そんなグラフを描ける6号機が一体いくつあるのかって話)

そしてもう一つ。
今回は中期試験での例を挙げましたが、もしも短期試験で同様の方式が使えるならば更に夢は広がります。

例えば
『あえてAT中に学園を入賞させた方が強制ED等の都合で僅かに機械割が高くなる』
台を作ったと仮定しましょう。

すると、打ち手は純増6枚ノンストップで色押しATを消化するのに対し、試験は学園に入賞させるので実質的な純増が減少。結果的に短期試験400G 220%(純増3.1枚)の範囲内に収まる...といった仕組みが使えるかもしれません。もしもこれが可能ならば、低ベースかつノンストップAT搭載しながらもAT性能に差のない機種を作ることも出来るかもしれない。そうなれば、6号機の幅はもっと広がることとなるはずです。


ただし、これら二つの使用法はあくまでも"思考実験"だとお考え下さい。こんなことが出来るかもよ?って程度の話。
実際のところ、設定4以上においてはペナボを入賞させた方が機械割が落ちる可能性は高いですし、そもそもこの方式は『AT後に即当たりが可能な台』を作る際には有効ですが、先ほどのような星矢SPタイプの一定量吸い込んで一定量吐き出す方式には向きません。吸い込む区間も間延びしてしまいますからね。
何事もそう上手くは行かないってことよ...

学園方式の欠点と実情


僕はこの仕組みを見た時、「え?こんなん有りなの?(笑)」と驚愕しつつ、その将来性に6号機の可能性を見出しました。
しかし、"告知を出せない=台が一切説明しない"という致命的な欠点のおかげでおじいちゃんおばあちゃん、あるいは仕組みを知らない人たちが大量に学園に入学し、卒業することなく退学(即やめ)していきました。その後は言わずもがな。

一応

・通常時はどのリールに青BARを狙っても入賞を回避出来る
・学園ペナボがテンパイするとフリーズで教えてくれて残りのリールで青BARを狙えばOK
・レア役は全てリプレイフラグだから通常時に目押し不要
・AT中はピリカランプで告知
・スライドプッシュ対応+テンパイフリーズのおかげで通常時はスマホ見ながらでも大丈夫
・万一入賞しても3枚増えるだけで損は一切なし。時間の無駄なだけ。有利区間的にも3回までなら問題なし

と入賞回避の最大限の努力は感じられて、ぶっちゃけ快適ではありましたけどね。


しかし、ただでさえ6号機最初期の台であり仕組みが広まっていなかったこと。試験の都合上、台が一切その説明を出来ないこと。加えて目押し不要の5号機AT機に慣れ切ったユーザーには受け入れてもらえませんでした。6号機の抜け道はコレしか存在しない=6号機の未来はこの方式しか存在しないにも関わらず...です。

もっと言うと、この仕組みを演者やライターがしっかりと説明する必要がありました。そうすれば少なくとも現状のようなオール高ベース地獄にはなっていなかったはずです。
ただ、チェンクロは版権の都合もあって「AT中の曲が引っかかってYoutubeで一切打てない」という盤外の致命的欠点を持っており、そもそも説明すらさせてもらえないのでした。その結果、凄さを理解してくれる人が業界人にすら殆どいないまま1年過ぎ去ってしまいましたとさ。どうしてこんなことに...
(僕は以前動画を投稿した際にはTrue Destinyで問答無用の全世界ブロックを食らいました。現在はマイク有りで対策していますが、チェンクロは著作権周りが非常に厳しい台なのです...おのれJASRAC)

・・・チェンクロと学園方式について熱く語りすぎると止まらないので一旦ここでおしまいにしましょう。本当は朋友についても語りたいのですがそちらは個別記事にて行います。

ま、要するに"6号機唯一の抜け道"が『ちぇんくろ学園』であり、搭載すると千円ベースを5.5号機以上に下げられるため上限試験においても圧倒的に有利ってことだけ覚えておいてください。そして意図的な入賞による間延びを使えば、上限試験の突破が更に容易になる可能性もあります。6号機において学園方式を採用するとしないとでは応用性に雲泥の差が出るってことです。

(学園方式による低ベース化で6号機の可能性は大幅に広がります。しかし一定の限界はありますし、低ベースなのに減算区間を長くすれば折角の当たり出玉が消滅してしまうことになります。朋友は試験を通すことに全力を尽くしてしまい、その辺の配慮が無さすぎました)

また、下限試験は400~6000Gでも行われていますがコイツらはAT機に関して言えば完全に空気。Aタイプ以外は影響を受けないどころか、普通にスロ作ったら全くの無意味な試験です。まあピラミッドアイで超絶下ブレしたら落ちるかもしれませんけどね...無視して大丈夫。

下限試験と学園方式についてはこの辺かな。6号機AT機における最大のガンは中期試験 1600G 150%と長期下限試験 17500G 60%であり、短期試験400G 220%ではありません。この二つを攻略する唯一の武器が学園ペナボであり、その有用性は6号機において極めて重要だということだけがわかって貰えれば、特に問題はないと思います。

短期試験400G 220%とリゼロが試験を突破した方法

さて、本日のメインディッシュです。ここまで来るの長かったねホント...

この項目では短期試験400G 220% 差枚+1240枚についての概要と、あまりにも誤解が多い『リゼロがなぜ純増8枚ノンストップでありながら短期試験を突破できたのか』について解説してきましょう。

まず、短期試験400G 220%は6号機において2番目に厳しい試験です。
この制限により、6号機は「400G間のトータル純増が3.1枚以下」で無ければならないと法律で定められています。6号機時代において緩和の可能性は一切ありません。

一見すると最大純増の緩和が行われた6号機にとって宿敵にも思える、この短期試験。実のところ殆どの6号機は減算区間を挟んでいるので、トータル純増は2枚前後。ぶっちゃけ短期試験で勝負してません。あんま関係ないです。

勿論、鏡の絶頂対決や金太郎の100ナビ、Lov Reのフリーズだったりは明らかに短期試験の範囲を逸脱していますが、こいつらは中々引けるものではないので「たまたま試験で引かなかった」だけです。んなアホな、と思われるかもしれませんが"本当"です。たまたま試験で出なけりゃ良いんすよ。

「じゃあリゼロや北斗はどうなんだ!? あいつら現実的に2400枚ノンストップで出てるぞ! おかしくないか?」と思われることでしょう。
その通り...なのですが、実はこの二台も『"たまたま"試験の時に完走しなかった』だけなんです!!

「んな訳あるかい!どうせ裏道を使ったんだろ」と誰しも思うでしょう。
いいえ違います。あくまでもリゼロは"正攻法"です。真正面から試験に挑んで、奇跡的に突破したんです。
とは言え、奇跡奇跡とは言っても"単純に純増8枚で2400枚出るノンストップATの台"を作っても絶対に試験には通りません。1%どころかほぼ0%。無理です。

しかし、リゼロは『6号機の限界に真正面から挑んだ、徹底した出玉対策』と『他のメーカーが出来なかった漢らしい割り切り』によって0%を0.5%いや1%に限りなく近いレベルにまで引き上げたのです!!
そして、限られた僅かな試験回数で1%を掴み取った強運な台。それがリゼロです。

リゼロの仕組みと構造を紐解いていく内に"開発者による計算されつくした出玉配置"が明らかになります。なぜ大都が6号機で最も開発力が高いといわれているのか、その理由とリゼロが抱える"徹底しすぎた出玉対策による弊害"を併せて紹介していきましょう。

(リゼロは非常に優れた機械です。6号機が始まって間もない時期にココまで極まった台を作る大都の開発力の高さには驚かされます。しかし致命的な欠点も多く、完璧な台ではありません。今回はその仕組みと問題点について、6号機の大枠から見つつ解説していきます)

巷にあふれるリゼロのガセ情報

その前に、巷にあふれるリゼロのガセ情報を否定しておくとしますかね。

リゼロは2019年の3月頭に登場しました。当時はまだユーザー間において6号機に対する知識が広まっておらず、純増8枚ノンストップATは一世を風靡。
そして、そのあまりにも優れた"魅せ方"のせいでパッと見ではどうやって試験に通したのか分からず、"リゼロが試験を通した裏道"と言う名の数多のガセ情報を生み出すことに。代表的なガセを4つ紹介します。

例えばコレ

「リゼロのような純増8枚ATは今後通らない。なぜなら裏道を使っていたから。その抜け道もすぐ規制された。ソースは営業マン」

主に業界人が流していたガセ情報です。ガセ中のガセと言ってもいい、最悪レベルのガセです。なにが最悪ってコレ、機械を扱う側の人間が主に拡散していた情報なんです。罪深すぎるわ。

僕は当初からこの情報を完全に否定していました。理屈で考えてあり得ない話だし、何よりリゼロは"正攻法で試験に通したこと"が最もスゴイ台なのであって、裏道なんて一つも使っていない。リゼロ本来の姿を歪めた意味でも酷すぎるガセ情報です。(その辺の話は過去動画を見て貰えればわかるかも)

で、何が悪質ってこの情報「一見メチャクチャ説得力がある」んですよ。
なぜならリゼロはあまりにも魅せ方が上手すぎて、裏道を使ったとしか思えないほどの高性能台に見えてしまったから。
当時はありえないほどに浸透していて、あたかも真実であるかのように扱われていた情報です。今では金太郎や北斗天昇という"反例"が出て、ガセだってわかってる人も多いですけどね。
今回の記事ではこのガセを完全に切り捨てて、如何にしてリゼロが正攻法で試験を通したかをお伝えしようと思っています。


もう一つは

「リゼロは6しか試験していない。6はマイルドだし、1はたまたま試験しなかったから通った」

というもの。ガセです。んなわきゃない。

上にも書いた通り、型式試験では全設定3万Gぐらいは最低でも回します。
6だけしか試験しないなら1~5まで全部荒波になってるはずでしょ? 実際は1と3以外は弱ATが多め。全然違うじゃないですか。
これも試験の仕組みを知ってる人にとっては眉唾も良い所ですが、良く知らない人にとってはもっともらしく見えるガセ情報です。こんなのに騙されないでね。

あとは

「リゼロは色押しATだから試験に通った。試験では色押ししないから、実際の純増は3枚に収まる。だから試験に通ったのだ」

というガセ。これも多かった。

嘘も嘘、大嘘です。当たり前ですが試験でも色押しは"完璧"に成功させています。キッチリ純増8枚でAT消化しとるよ試験のおっちゃん。

もっと言いますと、メイン基板からセグに"押し順+E or R"の文字がキッチリ表示されます。ご存じエミリアとレムの頭文字です。色押しだからオッケーなんて誰でも思いつく抜け道、試験が通すわけないでしょ。
まあ、このガセはそこまで悪質ではなく「誤解」といっていいレベルです。上の情報と比べてすぐに間違いと気づきますし、そこまで広まってはいなかったので悪質度は低いかな。とは言え、そんな甘い話はないぞと念を押しておきましょう。


最後の一つは

「リゼロの設定1は通常時にゼロボを消化させる方が機械割が高くなる。すると実射試験では全く別の挙動をすることになり、試験を通した。この手法を"設定1エクストラ"と呼ぶ」

というもの。なんか上に書いた学園の可能性云々と似てますね。ソレっぽく見えますが、普通にガセです。
ただ、この設定1エクストラなんですが、僕自身も5chの6号機限界スレに居た際に議論をしていた話題でもあります。

その時は

・通常時に3枚掛けのゼロボ(JAC外し方式)を延々と消化すれば、全設定共通で機械割が114.9%になる
→"最も機械割が高くなる打ち方"を上記で申請する
→シミュ試験同様、実射試験がザル化する。あとはやりたい放題。

ってのができるんじゃね?という議論でした。出来そうな気はしなくもないですな。

しかし、普通に考えてそんな仕組みがバレれば"ホール営業中に延々とゼロボを揃えて終日3000枚持ち帰る輩"が大量発生するのは目に見えていますし、そもそも「ホールで想定される仕様と全く別の性能を有する打ち方」を試験に申請しても良いのか?という問題になります。
この点が学園方式の場合と大きく異なりますよね。あっちは通常遊技+αであって、別に違うものを打たせるわけではありませんから。あくまでも普段の延長線上です。

事実、この方式と思われるものが試験に申請されたものの
「実際とは異なる二つの性能を持たせた台はアウト」
といった理由でダメ出しを食らったみたいです。
(試験で落ちた理由が幾つか保通協で公開されています。その情報からの推測)
当たり前だわな。

...と言いたいところなのですが、実はいるんですよ。
『意図的に二つの性能を持たせて試験を誤魔化した可能性がある台』がね。
スーパービンゴギャラクシーっていうんですけども。コイツのトンチキギミックは記事の最後におまけとして紹介します。

さて、ガセ情報についてはこんなものかな。これらを信じていた人たちは今すぐ頭の中から消し去ってください。そういった先入観はリゼロ本来の凄さを理解する際に邪魔です。真っ新な状態で正しい情報を詰め込んでいきましょう。

強ATと弱AT

リゼロには二つのATがあります。

一つはおねだりアタックの上乗せ平均100G、AT中の上乗せも優遇されている期待枚数1300枚の"強AT"。主にモードAもとい600~700Gの天井付近から飛んできます。設定1と3はほぼコレ。

もう一つはおねだりラッシュがほぼ5Gしか乗せず、AT中の上乗せも弱いためほぼ4~600枚程度の獲得となる"弱AT"。有利区間継続時や鬼天国、偶数設定のモードBでのAT突入時が主な出現ルート。奇数設定でも設定5は殆ど弱AT。

まあ、今更なので皆さんご存じですよね。僕は本物ラッシュ、偽物ラッシュって呼んでました。

(強ATと弱AT。この二つの存在意義を考えることがリゼロの理解に繋がります。画像は強AT時のもの)

なぜ異なる二つのATを搭載したのか。
それについて理解することが、リゼロ本来の姿を知るための最初の一歩となります。それでは解説していきましょう。


まず、強AT弱AT共に純増は文句なしのノンストップ8枚。
そのまま出続ければ短期試験をクリアできないため、減算区間は"必須"となります。

リゼロの稼働初期には
「あれ?リゼロは減算区間なしでしょ。何言ってんの?」
と言う人も多かったことでしょうが、今はそうでもないのかな。

そう、リゼロには間違いなく減算区間が搭載されています
言わずと知れた『CZ完全無抽選となっている有利区間リセット後の200G』ってのがね。

白鯨完全無抽選である有利区間リセット後200Gの存在理由


「リゼロは有利区間リセット後200G間は全設定共通,フリーズ以外完全無抽選である」

今では誰もが知っている情報です。
まずはコイツが生まれた経緯を説明しましょう。

Hey 鏡は非常に優れたAT機でした。今でも6号機屈指の完成度を誇る台です。
しかし、純増5枚を謳っておきながらドライブゾーンと呼ばれる減算区間で間延びさせられて、実際の純増は2枚ほどになってしまい、高純増に期待したユーザーの不評を買ってしまいました。

先にも話した通り6号機は"どの400G間でも1240枚以上出てはならない"
つまり、3.1枚以上の純増を持つ台は必ずどこかで減算区間を挟む必要があります。

鏡では純増5枚で100~200枚程度を獲得しつつ、細かく減算区間を挟む方式を取りました。純増緩和と短期中期試験との兼ね合いを取るなら、間違いなくベストの選択肢だったといえるでしょう。

しかし、折角緩和された高純増ですが普通に作れば5号機AT機と同等以下程度にしか出来まない。かと言って純増3枚の台ではユーザーには響かない。どうすればよいのか。

大都の開発はある日思いつきました。

「AT間に挟んでいたドライブゾーンを全部まとめて一つにして、AT後に通常時って形で消化させたらいいんじゃね?」

「たとえ強ATに入って純増8枚ノンストップ、約160Gで1300枚出てしまったとしても、残りの240Gで60枚以上減らせば短期試験に通るやん? 」

「んでAT当選をゲーム数消化だけにしつつ、強AT後は絶対に240G間当たらなかったらノンストップ純増8枚なのに"どこを切り取っても400Gで純増3枚以下"!」

「さらに強ATはほぼモードAの天井からしか出てこないようにすれば、万一2回連続強ATに入っても中期試験の幅に収まるはず!!」

そうして生まれたのがリゼロです。この発想の転換は見事としか言いようがありません。

(減算区間を通常時として扱って回させる。この発想をいち早く実行したのが大都です)

リゼロはCZを経由してATに移行しますが、CZは全てゲーム数消化からの当選となります。
レア役は全てCZ白鯨攻略戦の継続率アップ抽選に回され、通常時のレア役は全て賑やかしです。全くの無意味と言ってもいいレベル。

そして、最初の濃いゾーンとして250Gを用意しました。
強AT後は必ず有利区間がリセットされます。もしも平均の1300枚出たとしても残りの238Gで1070枚まで減るため、400G間でのトータル純増は2.675枚。短期試験の純増3.1枚を下回ることが出来ます。

(こうすれば平均1300枚かつ純増8枚ノンストップATでも短期試験を突破できる!)

加えてモードAからしかほぼ強ATは出てきません。モードAはほぼ600~777の天井でしか当たらない。よって、強ATを消化するまでには白鯨とおねだりを含め、最初の800G間を減算区間として消化する必要があります。

この作りにすれば平均1300枚で純増8枚ノンストップATを搭載しても、中期試験も突破できますよね。しかし念には念を入れて強ATは機械割が低い設定1と3以外では出現しにくくしました。そっちの方が試験通りやすいからね。星矢SPの設定1と同じ発想です。

また、もう一つリゼロが上手いのは高設定において「有利区間を引き継ぐことで中期試験を突破しつつ、本来無抽選の区間リセット後の250G間を誤魔化した」点

リゼロは弱AT後や早めに当選したCZ敗北後に有利区間を引き継ぐことがあります。すると、完全無抽選だったはずの200G間が『天国と言う形で100G以内に当たったり、ATに直撃したりするゾーン』へ変貌します。
また、有利区間リセット後は必ずコンビニを経由するため、有利区間ランプがわからないユーザーにも「区間が継続している」ことが明らかに見て取れました。

このゾーンには引き戻しや鬼天国の天井があり、有利区間を継続させながら弱ATと250G当選を繰り替えす「鬼天国ループ」は高設定の特徴的な挙動となります。

なぜ高設定は弱AT後に有利区間を継続させるのか。そうすることで100~250G間+CZとおねだりで数十G消化=平均200Gの減算区間を消化させ、ATで600枚獲得のループを違和感なく繰り返すことが出来るからです。

この区間では実質的に400Gで400枚しか増えません。トータル純増1枚です。
すると、中期試験 1600G 2070枚の上限である"どの1600G間でも純増1.3枚未満"を満たしたうえで純増8枚のノンストップATを搭載することが可能になります。

そして、有利区間継続後はほぼ弱ATしか出てこないことにより
「高設定で250Gで当たって強AT、区間リセット後にまた250Gで当たって強AT」
の事態を回避できます。これだと中期試験に落ちちゃいますからね。


そうやって違和感なく減算区間を回させ、短期試験と中期試験を同時に回避してみせたのがリゼロの最もスゴイ所なのです。
なーんにも抜け道はありません。全てが計算。ありとあらゆる仕様が理屈で構成された極めて正統派な6号機です。正に鏡の発展形。ホント上手いと思うよこの魅せ方。

付け加えると、モードBの場合は強ATも弱ATもどちらも現実的な確率で出てきます。なぜかと言えば、ATの平均枚数を抑えて中期試験の突破を容易にするためです。高設定の場合はBのゾーン→弱ATから有利区間を引き継ぐことが多いのは皆さんご存じの通り。

ただ、モードBについては設定による影響も大きいので、大枠の説明としてはこの程度に留めておきます。モードCは正直判別がつかないのでわからんす。なんとなく弱ATからの有利区間継続が多いような気はします。僕なんかより打ち込んでる人達の方がよっぽど詳しいんじゃないかな。

なんにせよ、リゼロはこの有利区間継続の造りが抜群にうまかった。LOV Reもやっていましたが天と地の差です。


そうして

「いや、俺は100G以内にも当たったぞ。200Gは無抽選じゃない」
「引き継ぎ来た!高設定挙動だ!」
「鬼天にいるかも。ワクワク」
「強ATスゲー。どうやって試験通したんだコレ?」

とユーザーを錯覚させることに成功しました。もっと言うと業界人ですら「リゼロはイケる、今後のメイン機種だ」と錯覚した結果、大量増台の流れが出来上がったのです。

(リゼロはとにかく魅せ方が巧みでした。その結果、本来の性能よりも遥かに過大評価されてしまった感は否めません。とは言え、間違いなく高ベース6号機AT機の到達点といえる素晴らしい完成度の台です)

リゼロに対する複雑な想い


でもこれって、よくよく考えたらただの長いドライブゾーンじゃないですか。しかも区間継続してもほぼ自力当選しないじゃないですか。

もっと言えばリセット後は客が絶対に4千円負ける仕組みじゃないですか。
誰が打つんですかその200G間。 リゼロはそもそも中身がバレたらおしまいの仕組みなんです。長期稼働はありえない。

だからこそ大都は徹底的にリゼロの解析を隠しました。今でも肝心な部分は何一つ出ていません。
おかげで7月の増台直後まで6号機では異例とも言えるほどの高稼働を実現。この頃まではバブルと言えるほどの設定状況が続きました。
その後、9月の増台をもって稼働が落ち込み、朝一から0放置 or 33止めが多発。そりゃ誰だって無抽選区間は打ちたくないよ。今では一部のお店以外は完全に通路です。最初からこうなるのはわかりきっていたはず。

僕自身はリゼロが結構好きなんですが、勝手にリゼロに夢を見て煽られた人たちが踊らされた結果が今の酷いホール状況だし、文句の一つも言いたくなりますよ。大都じゃなくて機械を扱う側の人たちにね。

6号機の仕組みをある程度知ってる人にとってはリゼロはバレバレかつ歪な仕組みであり、有利区間リセット後200G間が絶対に打ってはならないゾーンであると稼働1週間もすれば気付いてしまいました。その後は有志の実践データ解析サイトが期待値を計算して数字がインフレ。200Gから110%超えなんていうあり得ない数字が踊ることに。

そりゃそうです。
彼らの想定する計算っていわば
「鏡でATだけ自分が消化して、ドライブゾーンは隣のおじいちゃんが消化。ATに入ったらまた自分が打つ」
みたいなもの。

そうすりゃ確かに本物の純増8枚ATになりますし、超絶神台になります。実際僕はエナでメチャクチャお世話になりました。

けれども、世間のリゼロに対する盛り上がりについてはどうにも拭えない違和感をずっと抱いていたのも事実。リゼロは確かに素晴らしい台ではありますが、機械性能を追求してゲーム性を完全にスポイルしています。
前回の記事でも書いたように僕は「6号機はゲーム性の時代」だと考えており、リゼロはその真逆をいく存在です。射幸性が全て、ゲーム性は完全に切り捨てています。それはそれで割り切っているので台そのものは好きですが、あくまでも停滞した6号機に対するカンフル剤にすぎません。
こんな台が流行ったら6号機は終わると本気で思っておりました。実際限りなく終わりに近づいていますけども。

(コンビニ後の無抽選減算区間250Gは純増8枚ノンストップATを搭載するための必要悪ではあります。しかし、リセット後に明確な無抽選区間を搭載すれば稼働に致命的な影響を与えるのは目に見えていたはず。この方法はスロットにおける"ある種の禁じ手"だと言えるでしょう)

『台そのものは好き、でも流行って欲しくはない...』
リゼロに対してはそんな複雑な想いを長く持っていました。
それはきっと、多くの人と比べて6号機に対する知識や経験量が多かったからだと思います。
リゼロの主要客層は旧基準~5.5号機までをメインに打っていて6号機はリゼロから打ち始めたって人が大半でしたが、僕は5.9号機~6号機を積極的に打ってましたからね。
それは凄い凄くないのレベルじゃなくて、単純に知ってたか知らなかったかだけの話。少し知識があれば誰でも気づきます。

おかげで4~5月ごろにリゼロの仕組みの解説動画をアップしたり、Twitter動画で短期試験を突破した方法を解説したりして『リゼロ本来の姿』を広めようと世間の流れに抵抗していました。
あまりにも嘘を流す人とソレに熱狂する人が多すぎましたからね。
効果があったかは微妙ですが、やらないよりはやった方がスッキリするのでやってよかったとは思っています。今更こうやってリゼロ解説記事を書いても後出しじゃんけん感が減るしな!

余談終わり。
最後にリゼロ最大の謎である『現実的にノンストップ純増8枚で2400枚完走が起きるのに、なぜ短期試験に通ったのか』を解説しましょう。ここの仕組み、マジで漢らしくてかっこいいんすよ。

リゼロ完走の仕組みと鬼モード


リゼロが強ATでも短期試験に落ちない仕組みは先ほど説明しました。
しかし、現実として2400枚完走が実際にホールで出ています。当然ながら純増8枚で2400枚出れば短期試験に落ちます。なのに現実として出ている。不思議な話ですよね。
その確率、なんと強ATの約10%。普通に考えればありえないほどの高い数字です。

となれば裏道を使ったという発想は自然な流れでしょう。しかし違います。
ココでもリゼロは"正攻法"で試験の突破を試みます。この項目ではその仕組みと割り切り、計算されつくしたロジックと漢らしい出玉配置について説明していきますね。

(僕自身も何度か2400枚完走は経験しています。その爽快感は間違いなく現行機トップクラス)

リゼロの強ATは平均1300枚と言われていますが、その殆どが1200枚ぐらいで終わります。そして、もしも一撃1500枚を超えると『鬼モード』と呼ばれる完走準備状態に入り、上乗せが大幅に優遇。よっぽどのことがない限りゼロかラッシュMAXに移行して2400枚完走します。知ってる人も多い情報ですね。

ちなみにリゼロの出玉分布をご存じでしょうか。有志が集めた情報によると、9割が1500枚以内、そして1500~2399枚終了は"ほぼ存在しない"。そして、残り1割は軒並み完走しているんです。通常じゃ考えられないタイプの出玉分布ですよね。

なぜ1500枚なのか?
当然ながら短期試験400G 220% 差枚+1240枚が理由です。

まず、リゼロの短期試験分岐点は1450枚になります。AT181G、残りは219Gです。
強AT後なので当然ながら250G間は絶対当たりません。
リゼロの千円ベースは51.5Gなので減算区間の219Gで減らせる枚数は212枚程度になります。すると400G間で1238枚。ピッタリ短期試験の幅に収まります。

つまり、逆を言えば
『リゼロはATで一撃1450枚以上獲得してしまったら、問答無用で短期試験に落ちる』
ということです。
平均1300枚のATで1450枚以上獲得...普通に考えれば設計時点で破綻しています。
そのまま作れば奇跡を願う暇もなく、短期試験で100%落ちてしまうことでしょう。

けれども大都の開発は違いました。こんな形で実現したのです。

・強ATの平均枚数は1300枚
・強AT後は必ず無抽選区間250Gで減算する
・設定1と3以外では強ATを出にくくする
・強ATの出玉分布は1450枚以下を9割にする。その分、最低保証を800枚にして平均を底上げ
・一撃1450枚以上出たらどうせ試験に落ちるので、代わりに2400枚獲得を確定させる
・フリーズは引いたら100%試験に落ちるので、20万分の1にする代わりに無抽選区間でも引けるようにする

まだピンと来ない人もいるかもしれませんね。
リゼロの設定1はAT初当たりが1500~1600分の1程度と言われています。これにCZ白鯨攻略戦の消化G数とおねだりアタック8G & AT181Gを足すと、ちょうどの一連の流れが1800Gぐらいになります。つまり、強ATの出現確率は総ゲーム数から考えると1800分の1くらいってこと。

「1800分の1の約10%で完走か~  確率にすると18000分の1ぐらいってことね~...あれ?」
気づいた方もいることでしょう。
そう!ちょうど長期試験17500Gと同じぐらいなんですよ!!

つまり、リゼロは

「強ATでも90%が短期試験に落ちない出玉で収まる」
「平均すると17500Gで10回ATに当選する。試験は倍程度の3万Gくらいは回すはず」
「90%継続が10~20連することは現実的にありうる。不可能ではない」
「強ATは設定1と3以外はあまり出ないようにする。2456は弱ATが増えるため、実質的な継続率がアップする」
「1割の"短期試験に落ちるレベルの一撃(1450枚以上)"が出たら、どうせ試験に落ちるんだから気前良く2400枚くれてやる」
「フリーズは2400枚ノンストップ完走確定。試験で引かれないよう、確率は約3万G × 全6段階設定を見越して20万分の1に設定する」
「あとは試験で運良く強ATの1割やフリーズを引かないようお祈り」

こんな方法で試験を真正面から突破しました。かっこいいと思いません?

素直に作れば試験に絶対通らない純増8枚ノンストップで平均1300枚の高性能AT。
まずは試験に落ちないレベルの枚数において徹底的に出玉を調整。

その上で夢の純増8枚2400枚完走強ATの10%という現実的な確率で搭載するため、強ATは平均1300枚でありながらキレイな出玉分布にせず、あえて9割は試験に落ちない範囲に抑える。
加えて1割を引けた人にはご褒美で純増8枚2400枚ノンストップ完走を約束する。

奇数偶数でメリハリをつけ、偶数はマイルドに。高設定は安定した挙動を描くようにしつつ現実的な完走の夢は設定1と3に託す。
全設定共通でフリーズを搭載し、一応の希望は残す。その上で試験中に引かれない確率に設定。

それぞれの確率が全て、夢のスペックを搭載しつつ型式試験を現実的に突破するための数値に設定されています。
この徹底した対策と圧倒的な理詰め。その上での運ゲー。
これを正攻法と言わずしてなんというのでしょうか? どこか裏道あります?

なぜ営業マンが「リゼロは二度と通らない」とまで言ったのか。
そりゃ"90%継続を20連2回、97%継続の30連を4回連続で引くレベルの運ゲー(1%未満)"をもう一度やれと言われても出来る気がしないって意味ですよ。無理でしょ。

徹底した対策を立てた上で絶望的な勝負に真正面から挑み、運も味方して見事勝ち取った奇跡。それがリゼロの本来の姿です。『絶望に抗え』とはこのことですよ。カッコよすぎるぜ。

ちなみに、実際は大体1480枚ぐらいで鬼モードに移行する印象です。つまり分岐点はAT185G。千円ベースが荒れる可能性も考えて、多少の幅を持たせているんでしょうね。

(分岐点を超えると鬼モードに移行し、ほぼ2400枚が獲得できます。この割り切りは漢らしくてカッコいいぜ...)

徹底した出玉対策の弊害として生まれた"デキレ感"


しかし、この徹底した出玉対策は"圧倒的なデキレ感"をユーザーに与えました。表記の継続率と明らかに異なった白鯨攻略戦の展開。毎回判を押したように同じ枚数、見たことのある流れの連続。不信感を持つなと言う方が無理なものです。実際デキレみたいなもんですけど。

(何かと疑惑の多い白鯨攻略戦。花は好き?抽選もデキレ説が根強い印象)

このデキレ感は6号機の機械性能の限界に真正面から挑むため、徹底的に出玉対策を施した結果によるものです。デキレ台を作りたくてこうなったのではなく、"そうせざるを得なかった"のです。そこだけ理解してあげてね。

リゼロは徹底的な出玉対策を施すことで、ゲーム性をスポイルした代わりに他の6号機が持ちえない"現実的な純増8枚ノンストップ完走"という武器を手にしました。しかし、射幸性に全振りしたところで所詮2400枚。ユーザーが純増に慣れてしまい、また6号機に関する知識をつければつけるほど強みが薄れてしまう台なのも事実。むしろ半年は長持ちした方ですよ。

ちなみに、似た仕様の北斗天昇にもこの部分は丸々引き継がれています。あっちの方が若干自力要素がある分悪質な気もせんでもないという。こんなもんばっか作ってたら客もすぐ飽きちゃうよ。
これからどうすんだろうね6号機。

(デキレと名高い北斗天昇のAT。うん、デキレだねこれ。変に自力要素を加えている分、余計にイライラする気がします。激闘は面白いんだけどなぁ)

さて、長くなりましたが『リゼロが出玉試験を突破した理由と解説』は以上で終了となります。
細かい解析の話しではなく、機械の仕組みそのものの観点から解説してみました。
というか、6号機は基本的に出玉試験が厳しすぎるがために、殆どの台が出玉試験対策を施しています。そのため、細かい解析を知るより大まかな出玉試験の仕組みを知った方が、逆算的に台の仕組みを把握できる分だけ有利なことも少なくありません。

特にリゼロはその傾向が顕著でした。6号機の出玉試験の限界に挑んだため、試験の枠組みに収まるようキッチリ調整されています。ゆえに試験の内容を知っている人といない人で評価の仕方に大きく差が出る台なのではないでしょうか。

今後は個別記事にて、その辺の"大枠から見る台評価"の面白さをお伝えできたらな~と思っております。そういう視点で見る人は意外と少ないので、他のブログと差別化できたらなという魂胆も少々。またその時にガッツリ話していきますぜ。(ここまで長くはならんはず...)

中長期試験 6000G 126%と上限試験 17500G 115%

本筋の内容は全て終わったので残りはエピローグ。
中長期試験 6000G 126% 差枚+4040枚と 長期試験 17500G 115% 差枚+6800枚についてちょっとした解説を行います。

まず、中長期試験 6000G 126%ですが、5号機時代までは6000G試験が「中期試験」と呼ばれていました。6号機になって新たに1600G試験が追加されたため、繰り上げで「中長期試験」になった訳です。

ちなみに、中長期試験と言う名は僕が便宜上呼んでいるだけです。この呼び方をしている人を他に見たことがないので、その場合は「6000G試験」と呼称してあげてください。

5号機までは中期が6000Gだったため、ホールで想定される範囲内での遊技(2~3000G程度)においては上下の波を作り放題でした。短期試験も400G 300%、つまり純増6枚以上でなければ落ちない試験だったので素通りです。
そのため、5号機は一気に吸い込んで一気に吐き出す区間を6000Gの範囲内でいくつも作り、AT機が進歩してからはギャンブル性に飢えた客層も満足できるレベルの振れ幅を提供することが出来ました。

しかし、6号機においては6000G試験はそこまで重要ではありません。というより、十分すぎるぐらいにキッツイ試験なんですけど、それを遥かに超える中期試験 1600G 150%の試験が存在するため、そもそも6000G試験に引っかかるぐらいなら真っ先に1600Gで落ちてしまう、というだけの話です。

長期試験 17500G 115%も似た流れですね。
確かに長期試験によって6号機の最高出玉率は115%に制限されました。
とは言え115%です。普通に考えれば十分な性能と言えます。
しかし、6号機においては中期試験が存在するため荒い波を使いつつ115%に近い出玉性能を有する台を作るのは非常に難しい。
そのため、殆どの高機械割6号機は「Aタイプのような右肩上がりの綺麗なグラフ」を描きます。ただでさえ長期の115%に挑戦しているのに、加えて中期試験で勝負するような波を作って試験に落ちたら元も子もないからです。大まかな理由はソコですね。

ただ、よくよく考えたら5号機AT時代も115%を超える台なんでそこまで多くはなく、もっと言えば設定6がいくら優れた機械割だったとしても設定1が面白くなければ稼働もつかず立ち行かないはず。なぜなら、フル稼働において設定1を8台入れてようやく6を1台使える程度しか6号機は粗利が取れないんですから。6もド安定な機種が多すぎるし、そりゃ破綻もしますよ。

もっともっと言いますと、『6の機械割 114.9%!!』と言われても、僕は「ふーん、どうせ嘘やん」と眉唾にしか捉えていません。
だって当たり前じゃないですか。出玉試験においては"7.3分の1存在するリプレイが払い出し枚数から全カット"されるんだもの。しかも6号機はメイン基板管理だからサブ基板のインチキは不可能。となれば、115%の中からリプレイ分を抜いた113%ぐらいが実質的な6号機の最高出玉率になると考えるのが自然です。ホール割見てると実際こんぐらいだしね。

ふー、もう十分かな。
本当はここの分野も細かく見ていけば色んな考察や議論が進む場所でもあるのですが、台を個別に見ていく中で考察する方が理解は深まるように思えます。全体の概要を把握したいだけならば、このぐらい知っておけば大丈夫なはずです。

おまけ 学園方式の応用系

ちぇんくろ学園は有用性に反してあまり世間一般には受け入れられず、その発想を引き継ぎ進化させた台は数えるほどしかありません。てか朋友を抜いたら3つしかありません。

正統派進化はNETの『真 モグモグ風林火山』『スーパードラゴン』
全く別の発想で使ったのがベルコの『スーパービンゴギャラクシー』です。
これらについてちょっとだけ触れて、出玉試験編もとい6号機全台レビュー準備編は終わりとさせていただきます。

モグモグ方式


真モグモグ風林火山とスーパードラゴンは6号機かつ目押し不要なのに千円ベースが43Gしかありません。このままじゃ長期下限試験落ちちゃいますよね。そう、コイツらには"学園ペナボ"が搭載されています。しかも、目押し不要タイプです。前回の記事でも少しだけ紹介しました。

(意外と凄いぞモグモグくん)

モグモグ方式では通常時に押し順1枚役のナビが出て、そのナビに従わないかつ黒BAR付近以外を押すと下記のペナボーナスが入賞します。

(他にも幾つか出目はあります。内部的にはRBとなっており8G消化 or 8回の小役入賞で終了する模様)

中盤で説明した通り「長期下限試験は押し順固定かつナビ無視でフリー打ち」なので、ナビが出てもスルーしてフリー打ちします。
すると、押し順小役をこぼすためペナボーナスに入賞。ボーナス中に現状維持程度の払い出しがあるため、結果として下限試験60%をクリアできるって理屈です。お分かりいただけたかな?

察しの良い人だと
「あれ?おかしくない? じゃあシミュレーション試験でどうやってゼロボ入賞させるの?」
と気づくことでしょう。これも簡単な話です。
5号機AT機と同じくボーナス成立後のRT1を使えばいいだけです。

ゼロボ成立前のRT0では低めの確率でハズレ=ボーナスを揃えられるゲームが発生します。
もし揃えられないとRT1に移行しリプレイ確率が上昇、ハズレがほぼリプレイで埋まってしまうためそのままじゃ揃えられません。これでは実射下限試験に落ちてしまいます。
しかし、その上で押し順小役をこぼした際にもゼロボが入賞することでこれを解消。

結果的に目押し不要で学園ペナボを搭載、ベースカットできるという仕組みです。僕も当初から登場は予想していましたが、完成度も高くメチャクチャ画期的です。どうしてNETなの・・・?という失礼すぎる疑問も浮かばないことはないですが、昔から新しいことにだけは敏感なNETくんなのである意味必然の流れでもあったのでしょう。

しかしこの方式は致命的な弱点が存在します。そう、RT1を利用するためにリプレイ確率を上げる必要がある点ですね。
6号機の出玉試験においてリプレイは正に害悪。少なければ少ない方が有利なため、ベースカットが出来たとしてもその性能には限界があります。

また、リプレイ確率を上げたくないのであれば同時にハズレ確率も下げる必要があります。するとゼロボの入賞頻度が下がるため、6枚を超える高純増機を作るのが非常に難しくなるのです。だからこそモグモグもスーパードラゴンも純増は3枚程度。この二つが主な弱点かな。

・・・ただ、実はちょっと違います。上の解説はあくまでも『基本』
押し順1枚役と3枚掛けペナボを使ったベースカットとの仕組みを正攻法で考えたらこうなるよね?という話であり、実際のモグモグは仕様と意図が若干異なります。根っこの仕組みは同じです。

その辺の話は個別記事で語る予定です!  ガルパンGや猪木などの3枚掛けゼロボと一枚役を上手く使った機種と絡めて説明していく方がわかりやすいからね。複雑なので今回は基本的な説明だけに留めておきましょう。

(モグモグ方式は非常に画期的です。学園ペナボを見た時に僕自身もほぼ同じ仕組みを想定しましたが、この台はその一歩斜め上を行く完成度。とても良く練られています。一発目にして基本ではなく応用なので、混乱を避けるためにも踏み込んだ解説は個別のレビュー記事にて行います)

ま、なんにせよ2割程度のベースカットが出来るだけでも大進歩。モグモグとスーパードラゴンは出玉性能そのものについては全く文句ありません。

うちの弟も
「モグモグは意味不明だけどメダルはちゃんとくれるから面白い」
と身も蓋もない感想を述べていました。リゼロもそうですが、いつの時代も出玉は正義なのです。6号機だから限界はあるけどね。

スーパービンゴギャラクシー的な学園方式の使用法


さて、最後に紹介するのはベルコの「スーパービンゴギャラクシー」。こいつにも学園ペナボ"のようなもの"が搭載されています。コイツの仕組みについては詳しい情報が載っていないため、僕の推測も多分に含まれています。そこだけご注意ください。
もし、「我こそは!」という答えをお持ちの方は、是非是非コメント欄にどうぞ! 俺も正確な答えが知りたいぞい...

この台は通常時に目押しが必要なのは多くの方がご存じでしょう。その内容は「チャンスランプが光ったら全リールに黒BARを狙う」こと。もしも目押しに失敗すると周期が進まず、すぐにチャンスランプが光ってもう一度チャレンジすることができます。

一見するとペナボを回避しているように思えるこの打ち方ですが、"実は真逆"です。
スーパービンゴギャラクシーは目押しによって「ペナボを入賞」させています。
つまり、いわゆる通常時が学園ペナボーナスの消化中で、通常時もAT中もずっとボーナス中に滞在しているトンデモ台なんですよ! 


(今年最強のトンデモ台。それがスーパービンゴギャラクシーです。画像はBB2入賞出目)

なぜこんなことをするのか。これは僕の推測ですが、「異なる二つの性能を台に持たせるため」だと思われます。設定1エクストラと似た発想ですね。

解説していきましょう。この台は通常時150枚を超える払い出しで終了するBB2中に滞在しています。この間のベースは1k50G程度。6号機としては普通ですし、長期下限試験も突破できる数字ですね。

通常時は基本ボーナス中、チャンスランプはボーナス入賞の合図となるため、一度入賞させるとしばらくの間はランプが光らなくなります。AT中は頻繁にナビが来るのでその分チャンスランプが光る頻度も増えるので案外すぐ気づきます(ナビ10回程度でボーナス終わっちゃうからね)。この辺は朋友に近いかな。ただ、ビンゴは本当の通常時でも押し順15枚役が成立しているので、連続で13~4回ぐらいベルナビが出ることも割とあるからその辺は違うか。

ちなみに通常時やAT中に出るハズレは「JAC入賞用のゲーム」です。打ち手はここを回避するので減るボーナスに移行しませんが、シミュ試験はこいつを入れてくれるので封じ込めが可能。ここまでは理解できる人も多いんじゃないかな。

「え?それって別に普通のATと何も変わらなくない?」と思うかもしれません。ええ、このままだとその通りです。しかし、コイツにはなんと『もう一つの1種BB』が搭載されているのです。配当表の一番上にある、3枚を超える払い出しで終了するボーナスですね。このBB1がミソになります。

(ボーナス配当表。BB1はこの台の謎を解明する糸口となっています)

序盤でサラっと触れましたが、出玉試験においては役物比率もチェックされます。通常時の払い出し枚数とボーナスでの払い出し枚数の比率の制限ですね。この項目はAT機についても適用されます。

この役物比率と関連して、内規による世界解剖タイプの規制という話があります。5.9号機のルパン世界解剖は通常時が2種BB中、ルパンザチャンスはBBパンク役のRB、本当の通常時はMBで増え続けるという『アクセルATを応用しまくって、通常時とボーナス中を逆転させた』仕様になっています。んで当然のごとく規制されまして、「実際の遊技において総ゲーム数の半分以上、つまり通常時にボーナス中に滞在する台は基本NG」となりました。あれ?ビンゴギャラクシー、このままだとアウトですよね? そこでBB1の登場となります。

BB1はあまり頻繁には成立しないのですが、コレが成立すると"普段通常時として滞在しているBB2"はBB1が入賞して消化し終わるまで成立しなくなります。仕組み上、当たり前の話です。
じゃあ、もしもBB1の入賞を回避しつづけ保持したまま遊戯したらどうなるのか?
僕は二つの予想を立てています。

一つは『異なる性能を持った状態』になるんじゃないかという予想です。いわゆる試験用の状態ですね。通常時のコイン持ちが上がるけどAT性能が落ちるとか、あるいは純増が落ちるとか。その辺ですかね。ひょっとすると"BB1保持時のRTで有利区間に移行するとマイルドな出玉推移の抽選区間になる"とか?
確認したことがないので間違っていたらごめんなさい。というか僕も正解が知りたいです。

もう一つは『あくまでも本命はBB2中に滞在させ、JAC入賞を駆使して試験を誤魔化すこと。BB1は世界解剖の自主規制を回避するためのものでしかない』という予想です。世界解剖のように通常時がボーナスに滞在する台を普通に作っても規制で販売が出来ません。そのため、想定される打ち方を『BB1を保持したまま入賞を回避しつづける』として申請し、途中まではBB2を入賞されて比率規制に抵触したとしても、長い目で見ればいつかはBB1が成立して本当の通常時の払い出しが上回るため、結果として規制を回避できるという発想です。な~んとなく二つの合わせ技な気がしますな。

ビンゴギャラクシーはノンストップ純増4.6枚ATで増え続け、かつ完走率もそこそこ高いくせに全設定AT性能は殆ど差がありません。普通に考えればこんな仕様通るはずがない。
しかし、これはBB2に入賞させ続けることを前提としたもの。
BB1を保持したまま進めた場合の方が僅かに機械割が高く、もしもその状態なら短期規制に引っかからないような出玉推移を描くとすれば・・・? 言わずもがな、試験を素通りできますよね。

しかもこのBB1。フリー打ちしてると勝手に揃います。んで、3枚払い出し終了なので速攻終わります。ビンゴなんで目押しする人は皆無です。すると、ホールではBB1が成立しても速攻で入賞→消化され、またBB2が成立→チャンスランプでの告知からの入賞でいつもの状態に戻るって訳ですよ。なんちゅーメチャクチャな仕様だ...

当たり前ですが、こんなインチキ仕様が二度も通るはずはなく、いつの間にか試験でNGを食らうようになったそうな。そりゃそうだろ。
巻き添えでちぇんくろ学園方式全般が試験に通りづらくなったという噂もチラホラ聞きます。まあ仕組みを考えればモグモグ方式は100%生き残るのでそっちに移行すればいいだけですし、やりようはいくらでもあるので心配はしてないですけども。迷惑な話ですぜ全く。

(明らかに試験の限界を超えたスペックのビンゴギャラクシーですが、それでも多少の出玉対策がなされているためイマイチ変則スペックを採用した理由がハッキリしません。何かしら明確な理由はあると思うのですが...うーむ)

最後に


パチスロ業界は常にトンチと発想で成り立ってきました。試験を誤魔化す言い訳と仕組みを考え、誰よりも早く実行する。それがこの業界の本質と言っても過言ではありません。

今の6号機は基本的に実射試験を正攻法で勝負しています。その結果、リゼロを頂点として既に進化はしつくしました。もう可能性は殆ど残されていません。6.1号機になっても一緒です。
学園方式は完全なる抜け道であり、いつ規制されるかわからない諸刃の剣でもありますが、その可能性は無限大。チェンクロやモグモグ方式でその可能性の片鱗を見せ、同時にビンゴギャラクシーでこの仕様でやりすぎることの危うさも示唆されました。

今後の6号機がどうなっていくのかは僕にも全く予想はつきません。少なくとも、現状のまま進めば終焉は近いでしょう。どこかで大きな転換を迎える必要があります。

その際に打ち手側が6号機の仕組みや試験方式、残された抜け道について理解しているとしないとでは、メーカーやホールの動き方も変わってくるんじゃないか?と僕は考えています。知識が浸透していないせいで学園ペナ台が敬遠されたのと同じように、逆に知識を持った人がペナボ搭載台を積極的に打つ未来が来るんじゃないか?ということです。そうなったら状況は一変しますけど、なかなか厳しいでしょうね。

ま、先のことは誰にもわからないので今出ている台を全力で楽しむのが一番良い気はします。その辺の話は今後の全台レビューで少しずつ語っていくことにして、今回の記事はココで終わりにしましょう。

いや~お疲れさまでした。この記事を最初から最後まで読んだ人が何人いるのか甚だ疑問ですが、前回の記事とあわせて僕が6号機について伝えたかったことの9割は詰め込めたんじゃないかな。

そういえば、今回の記事でちょうどブログを開設して1周年になります。今さっき気付きました。1周年記事として十分なモノにできた自信はありますし、書きたいことはほぼ書けたので満足。
残った話は配信や個別の記事でちまちま語っていきますので、最後まで読むことが出来た猛者の方は以後も是非お付き合いくださいませ。次回以降の記事はもっと短くなるのでご安心を。平均1記事1万文字ぐらいの僕ですが、ここまで長い記事は最初で最後...のはず。

次回からは本題の全台レビュー企画に移ります。2018年10月といえば、あの機種ですね。僕なりの評価と採点、そのほか諸々を盛り込んでいく予定ですので是非是非~


にほんブログ村 スロットブログへ

チェン

コメント

  1. 型式試験の話、とても面白かったです。私自身6号機はほとんど打っていて、一番面白いと感じたのはチェインクロニクルでした。AT中の自力感、低設定でもAT入れれば何とかなる感は6号機らしからぬものがありますよね。以前の6号機レビューの記事を読んだ際にも感じたんですが、今開発される高ベース主体の6号機を取り巻く環境はユーザーが作り出した自業自得感がありませんか。ぺナを導入しないとゲーム性に幅を持たせられないなら、ぺナを受け入れるしかなくないですか。世の中の6号機を打っていて皆これあの6号機と打感似てるなと感じたことがあるんじゃないですか。
    ご存じのとおり21年の1月にすべての5号機がなくなります。それまでに面白い台が出てくれないと困るんです。抜け道が限られているならユーザーが変わるしかなくないですか。凱旋も絆も押し順無視するとぺナがあるじゃないですか。ART機だって押し順無視すると転落するじゃないですか。その常識と同じように6号機の面白い台はぺナがあるから目押ししようでいいじゃないですか。このままだと似たようなAT、似たような通常時、似たような展開の高ベース機だらけになって破綻する気しかしません。
    長々と失礼しました。ぺナの持つ可能性に気づかせてくれて感謝していることと、ユーザーが変わる必要があると思ったことが言いたかっただけです。ブログの更新楽しみにしています。

    返信削除
    返信
    1. 最後まで読んで下さってありがとうございます!

      そうですね~僕も似たような心境です。ただ、現状だと難しいでしょうな...

      今回の記事も、実は今年の初めに同じ内容を動画で投稿しているんです。しかし反響もなく、リゼロについての解説も誰一人として耳を傾けてくれませんでした。
      一年が経ってユーザーがボンヤリと不満を持ち始めてきたからこそ、ちょうど上手く刺さったのかな?と思っております。
      6号機時代も1年が経ち、ボンヤリとした不満をユーザーが持ち始めた頃だったのかな~と個人的には思っております。

      低ベースも高ベースも共存する環境が個人的にはベストですね!
      トータルでは低ベースの方が圧倒的に有利ではありますが、どちらにも良い点悪い点がありゲーム性が多様な機種を増やして欲しい所。

      そのためにはユーザーもホール側も変わる必要があるのは間違いないありません。そのお手伝いが出来たのならば記事を書いた甲斐があるというものです。ではでは!

      削除
  2. 初めて読ませて頂きました。とても勉強になりました。
    これからのスロット…どうなるのでしょうか。私はスロ歴がかなり浅い(ここ3年くらい?)ですが、6号機の設計には個人的にかなり懐疑的ではありました。
    ・どの機種も同じようなゲーム性
    ・設定ごとの決まりきった挙動
    ・意味のないレア役
    ホールとしてもつらいのではないか?と思うのですよね。設定下げたら誰も回さない 高設定にすれば、挙動ですぐバレて終日ぶんまわされる。低設定であってもそれが分かりにくく、ゲーム性に多様性というか流動性というか、それらを持たせて、打ち手に期待を抱かせつつ粘らせる…ことができないんですよね。リゼロ、ひどいじゃないですか、30台設置の店でも、開店2時間ほどで半分が空き台…有利区間継続と弱atでコツコツ箱積んでく台だけ稼働…歪です。打ち手から見た短絡的思考だと楽なんですけどね。判別が簡単で地雷踏む危険性がないので。6号機はもはや作業ゲーと言っても大袈裟ではないのかと。

    返信削除
    返信
    1. ええ、正にその通りです。僕もずっとその危惧をTwitterや動画等で伝えていましたが、誰も聞いてはくれませんでした。現状が破綻することは元よりわかりきっていたのに...

      その点において非常に優秀なのがチェンクロ。
      軽い初当たり、設定判別の難しさと高設定の十分な機械割、適度な期待枚数と多様な展開がありつつ設定差が一切ないAT中のゲーム性、間違いなく現状の真逆を行く存在です。
      『6号機の未来を考えればこういう台が流行らなければならない』と常に僕は主張したものの、なかなか受け入れてもらえなかったのが実情です...悲しい話だよ全く。

      目先の数値や表面上の性能ではなく、ゲーム性や根本の仕組み、もとい娯楽としての本質を見直して欲しいです。このままじゃ破綻するってずっと言ってた身からすれば、そりゃそうよっていう

      厳しい状況ですなぁ

      削除
  3. 楽しく読ませて頂きました。6号機はある意味完成しきっている、まさにその通りだと思います。
    個人的には、リゼロ北斗のような台よりガルパンのようなミドルスペックの方が好きで、まだまだ面白い台作れるよちあるとおもうんですけどねー。。
    あとA+ART好きな私としては、純増変化で疑似ボをリアルボっぽく演出するサミーのやり方には期待してます^^

    返信削除
    返信
    1. 長い記事を読んで下さりありがとうございます!
      現状でも案外面白い台は一杯ありますよ!

      ただ、高ベースがボトルネックとして存在していて、"このまま"だとやりようや余地は殆どないのも事実なんですよね...
      低ベースにしつつ6号機だからこそ許されたゲーム性の多様さを前面に出した台が今後増えてくれることを祈るばかり

      サミーさんはチェンクロは神台だったけど、それ以降が...開発のやりたいこととニーズが噛み合っていない感が歯がゆいです
      A+ARTっぽい台、実は作れるんですよ。そうA+AT機ってのがね!
      学園方式ならAT中にリアルボーナスを入賞して朋友のように消化できるので、もっと色んなゲーム性を作れるんですよ。その意味でもこの方式が流行って欲しいぜ...
      1000ちゃんも少し仕組みは違いますが、多様性という意味では期待しています

      削除
  4. 非常に勉強になりました。
    自分はパチ開発ですがパチスロは本当複雑ですねー。
    パチスロ開発(特にスペック関連)してる方々は本当凄いなと。
    パチンコは確変65%やベースの内規撤廃、今後の解釈基準改正(予定)が追い風になって新規則でも希望が見えているのでパチスロも頑張って欲しいですね!

    返信削除
    返信
    1. 参考になったのならば何よりです。

      いえいえ、パチ開発も同じく複雑で大変だと思いますよ!
      僕は全く違う業種の人間なので現場は存じ上げませんが、それでも難しい仕事であると聞いております。

      パチはしっかりルールを守るので本当に恵まれてますよね...スロは我先にとルールを破る輩が常に現れるので緩和の流れは厳しそうです。それと、スロは複雑ゆえにどうしても間違った情報を流す人が多いですからな~頑張って欲しいですが現状は厳しいです

      次回の緩和、面白そうな話が沢山出てきているので期待していますぜ!

      削除
  5. すげえ。まじで凄い。もう一回読みます。大都凄い。解説はもっと凄い。前回の記事から長いなまだかな?とか思ってましたが納得のボリューム。ここまでパチスロについて詳しいのは元開発者か何かなんでしょうか?いややっぱりいいです。ただただ凄い。お疲れさまでした。

    返信削除
    返信
    1. ご期待に添えたようでなによりです!

      よく言われるんですが、僕は開発者でもなければパチ業界で働いたことも知り合いもおらず、ただスロットが好きなだけの一般人です。もっと言えば今の業種はパの字もスの字も出てこない、全く別の分野なので...誤解が無いよう念を押しておきますね!

      そのため、開発者レベルでしか知りえないことは知りようがありません。既製品を説明するのが精一杯。その分、ユーザー目線でわかりやすく解説できているのかな?と個人的には思っております。

      折角の娯楽なんだから楽しい部分をもっと楽しむための知識を仕入れるのは当たり前だぜ!って性格なので詳しくなりました。佐々木真さんの記事、超オススメです。

      リゼロも大都も凄いですが、実はチェンクロはもっとスゴイ台なんだぜ!
      僕は誰に何と言われようとこの台を推し続けましたが、それはスロの根本的な仕組みを知っていたが故。理屈で考えれば6号機の目指すべき未来はこの台に詰まっているんすよホント...不人気ですけども。

      実質2徹で書き上げて疲れ切っているので、次の記事はマッタリした内容にして今日はゆっくり寝ますね!最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

      削除
  6. 読み応えのある文章でした。
    5号機(に限らずパチスロ)の歴史は規制と抜け穴のイタチごっこなので、説明が大変なんですよね。
    ちなみにチェンクロのボナテンパイ時フリーズはアカギ(藤商事)が初出と思います。

    返信削除
    返信
    1. ここまで読んで下さりありがとうございます!

      そうなんですよ、思った以上に大変だったんですよ...
      1から10まで説明しないと気が済まない性質なので、全部書いてみたら想定の4倍ぐらいの分量になってしまいました。おかげでスッキリしたぜ!

      アカギありましたね~
      僕はバジ2からスロットを始めたので珍古台としてしか触ったことはありませんが、あの頃の台は2027の影響が強くて意欲的なスペックが多いです。今よりも仕様が完成しきっていない分、手探り感があるのが良き

      ボナテンパイフリーズは打ち手としては非常に助かるため、今後も同仕様の台が出て欲しいところ

      削除
  7. 良い読み物でした
    前半の徹底したロジック解説という振り、そしてそのロジックを運で突破した盛り上がり
    素晴らしい文章力です

    返信削除
    返信
    1. 最後まで読んで下さって感謝です!

      僕は「なるべく平易な言葉で、論理的にわかりやすく」をモットーにしています
      文章力...フワッとした言葉ですが、その能力が高いと評して貰えることはブログ活動をする人間にとっては最上級の褒め言葉です。ありがとうございます。

      誰かに伝えたくて記事を書く、そんな当たり前のことを忘れないようにして今後も精進していきますね

      削除
  8. 前編後編共に大変興味深く、かつ面白く読ませていただきました。
    自分は5号機限界スレとか6号機の仕様について書かれたブログを読み漁るのが好きなんですがここの記事が一番解りやすく面白かったです。
    チェンクロも面白いのにマイホでは即効撤去されたりで「なんだかな~」と思ってたら過去記事でチェンクロにも熱く書かれていてこれもイッキ読みさせていただきました。
    これからの6号機に関する記事も楽しみにさせていただきます!

    返信削除
    返信
    1. 楽しんでいただけたなら幸いです。

      5号機限界スレ...懐かしいなぁ。
      ブログを始める前の頃、僕は限界スレを欠かさずチェックしていた人間なんですよ。
      ただ、年々人が減って議論のレベルが下がり、いつしか全く見なくなってしまいました...あの頃僕に色んなことを教えてくれた人たちは、今一体なにをしているんだろう。そんなことをふと思います。

      『わかりやすい、面白い』と言って貰えることが、書いた本人としては一番嬉しいです!
      今後もマッタリペースで更新していきますので、是非是非お付き合いくださいませ。(最近色々立て込んでて、良くて週1ぐらいだけどね!)

      削除
  9. ヒゲさんのツイートから辿り着き、前後編ともにとても面白く読ませて頂きました。
    と同時に、今後の業界が不安になりました。
    そういえば、スカイガールズの新台はモードによって純増が変わるようですが、あれは何かの突破口になるようなアイデアなのでしょうか、、、

    返信削除
  10. わざわざありがとうございます!

    僕自身も本当に業界の将来が不安です。
    と言いますか、「そりゃそうだろ」とツッコミたくなるようなダメムーブを数年間繰り返し続けているのがスロット業界の現実なので、どこかで大きな転換を迎えないと終焉は近いと正直思います。

    純増変動型は最近増えていますが、突破口とはなりえず減算区間の魅せ方を多少変えたにすぎません。むしろ減算区間の工夫としてはあまり上手ではない方かも。
    ただ、スカイガールズ自体は前情報を見る限り意外と面白そうなので、僕は結構期待していますぜ!

    いずれ純増変動型についても詳しく解説する予定なので、その際は是非是非~

    返信削除
  11. 大変興味深く読ませていただきました。
    6号機の規制とかうすぼんやりとしか知らなかったので勉強になりました。
    そしてリゼロ、と言うか大都さん凄いな!と感動しました。
    人事を尽くして天命を待つ、って感じが最高です。

    僕はA+ART機が好きなので6号機でもそういうタイプの台が流行ればよいな、と思っているんですがATメインで進んでしまうんでしょうか。そこがちょいと寂しい気分です。

    返信削除
    返信
    1. こんな長い記事を最後まで読んでくださってありがとうございます!

      6号機の規制や規則に関しては誤解や間違いが多く、情報発信をする人が少ないのも要因の一つだと個人的には思います。有名な演者さんやライターさんがもっと積極的に都合が悪いことも説明していれば、現状は少し違ったものになったのではないか?と思わずにはいられません

      5.5号機以降の大都は本当に素晴らしい。与えられた条件に対する最適解を一発でお出しする開発力...間違いなく現行メーカーでトップでしょう。ただ、良くも悪くも正攻法の台が多いのでこのままでは頭打ちになる予感がしています。今後どういった機種を出してくるのか、要注目ですね

      A+ART機を6号機で作ることは非常に難しいですが、最近登場した"1000ちゃんのようなA+AT方式"は従来のA+ART機に極めて近い打感を有していますぜ! マイルドな5.5号機って感じ。オススメです

      最近の新台や評判を見ると、高ベース高純増AT機一辺倒の流れは徐々に変わりつつあるように感じます。今後はもう少し遊びやすい台, パチスロらしい台が増えてくるんじゃないかな~?と僕は期待しています。A+AT機が発展していけば、その寂しさも案外杞憂に終わるかもしれませんよ

      削除
  12. いや~面白かった。何より、真実をフェアに伝えようとする姿勢にとても感銘を受けました。
    自分でもそれなりの機種考察とかをホームページの記事にしてる身にあって、心が折れる完成度でしたよ。

    ところで、内規の見直しにより、6,1号機になりましたね。
    ベースが下がり、個人的にはいい意味でスロットの大きなターニングポイントに来たと思います。
    花伝のレビューと合わせ、次は下限出玉率について考察してくださいね。
    楽しみにしてます。

    返信削除
    返信
    1. 最後まで読んで下さってありがとうございます!

      出来ることと出来ないこと, 本当の話と将来について伝えたい!と思って記事を書きました
      6号機に対する誤ったイメージを少しでも変えられたらいいな~と願っております

      6.1号機、ひと悶着あったようですが無事通りましたね~
      PSO2のようなペナボ搭載機も再度登場するようですし、2020年は低ベース機の時代になるかもしれませんね

      >>花伝のレビューと下限出玉率
      す、すまねえ...全台レビューは2019年の機種までの企画でして花伝は対象外なのだ
      ちなみに花伝が出る結構前に
      4リールで純増6枚+モグモグ方式(ペナボがちぇんくろ学園並みに長い)
      の前提で計算したところ、千円ベースが大体35Gになったのでほぼドンピシャで正解しました。えっへん!
      スラッシュATとペナボを組み合わせれば1k 25Gとかも理論上は可能なので夢は広がりますぜ...!! (問題は需要が特にないという点ですが)
      下限出玉率については機種や仕様によりけりな点も多いので、考察は気が向いたらやるぐらいに考えています
      ま、とんでもない機種が発表されたら嬉々としてやると思いますし、気長におまちくださいませ

      削除
  13. 全ての記事を読ませていただきました。
    私が一番6号機で度肝を抜いたのは花伝ですね!
    低ベース(1k35g)、押し順で回避しやすいペナ、設定が分かりにくい、高純増で目押し不要で当たればそこそこの一撃性出玉が貰える
    ただしこちらも北斗リゼロよりはマシですが初回2回目czがほぼ当たらない仕様なのは難点ですね....
    大都、サミー、ユニバなどまだ体力のあるメーカーが着手してくれれば多少はマシになると思うんですがねー

    返信削除
    返信
    1. 返事が遅れてごめんなさい!
      花伝もなかなか優れた機種ですよね~
      以前から想像していた仕様に近かったので、情報が出た時は「ようやく来たか!」と興奮したことを覚えています

      低ベース機については数日前に更新した記事でガッツリ言及しているので是非一度読んでみて下さい!

      削除
  14. 大昔の業界の人2020年8月22日 4:07

    大変興味深く読ませて頂きました。
    6.1号機が始動しましたが、やはり出玉性能に関する部分の緩和は一切ありませんでしたね。
    これまでのお上の動きからすると、恐らく出玉上限に関する緩和は今後一切無さそうに思いますね。
    4号機と5号機の緩和失敗で二度と同じ轍を踏まないという姿勢が見て取れます。
    となるとやはりゲーム性に重きを置くという事になりますが…
    あまりにもワンパターンなゲーム性を変えない事にはパチスロはもう復活出来ないのではないかと思います。
    チェリーやスイカ引いてモード上げて当てるか滅多に引けない直撃当てなきゃダメなゲーム性。
    5号機から延々続く金太郎飴システム。
    しかも6号機になってレア役なんて「何それおいしいの?」な空気役に格下げ。
    そんな状態で出玉規制されたらね…そりゃ客も離れるってもんです。それかAタイプに転向するか。

    私はAタイプに転向しました。

    そこでですが、最近私はサンダーVライトニングをよく打っています。
    設定1でもそこそこ遊べますし、何より空気なレア役から解放されるのがいい。
    ただ…1つだけ不安がありまして、それはAタイプにも無抽選区間が搭載されたらAタイプも終焉なんじゃないかという事。
    私は平日には行かない(というか行けない)休日スロッターですが、色々な用事を済ませてから行くので午後から打ち始める事が多いです。
    そこで気付いたのですが、個人的な私見・体感になってしまいますが設定変更後から1000G程迄は挙動が下に振れやすい感じがします。
    まさかと思いますけど既に搭載されてるのではと勘繰ってしまいます。思い過ごしであればよいのですが。
    現在そのような情報は全く出て来てませんし、もし搭載されてたとしても恐らくそこだけはストップが掛かると思います。

    6号機のジャグラーが気になるところですが、もし搭載されてたら一気にジャグ熱が冷めそうな気がします。

    さて、真実はいかに…。

    返信削除
    返信
    1. 読んで下さってありがとうございます

      完全確率と分かっていても「おかしくないか!?」と疑ってしまう挙動ってホントありますよね
      今後の6.1号機がどうなるかはまだわかりませんが、遊びやすくてゲーム性の面白い台が増えて欲しいなと願っています

      削除
  15. 青鬼ってどうやって試験通ったんでしょうか?
    低設定はAT入ると、大体2400枚出ちゃいますよね…?
    試験の17500ゲームで、たまたま一度もAT入らなかったという事でしょうか?

    返信削除
    返信
    1. その通りです。リゼロと同じく、たまたま試験で出なかっただけだと思われます。
      僕自身も触りましたが抜け道は一切感じられませんでしたね。正攻法の造りです。

      ただ、青鬼については知人から幾つか情報を貰ってまして、重点的に回される設定が云々といった型式試験のブラックボックスな面が関連している可能性もゼロではないようです。

      とは言え、その辺は詳細が公開されておらずわかりようがないので『青鬼は運が良かっただけ』と考えるのが一番妥当かつシンプルな答えだと思います。参考になれば幸いです。

      削除
  16. はじめまして、パチスロの仕組みを色々勉強しようと検索していたらたどり着きました。
    非常に分かりやすかったです。

    さて1点質問なのですが、
    最近の機種でゼロボを積んでいる場合、
    ゼロボ消化が2枚掛け2枚払い出しの機械が多いと思うのですが、こちらはなぜなのでしょうか?
    1枚掛け1枚払い出しでも、
    3枚掛け3枚払い出しでもいいような気もするのですが、なにか理由があるのでしょうか。

    返信削除
    返信
    1. 最近の機種はむしろ2枚掛け2枚払い出しが殆どありません!
      2枚掛けでボーナスを揃えるやじきた方式は多いですけどね

      2枚掛け2枚払出のゼロボはアクセルATが発明される以前の5号機ATで主流となっていた方式です。細かい説明は省きますが、シミュ試験におけるボーナス払い出しと小役の役比における都合と純増の兼ね合い, ゲーム数消化のバランスを加味して2枚掛け2枚払出のボーナスが良く使われていました。
      1枚掛け1枚払出では消化までに時間が掛かりすぎる, 3枚掛け3枚出しでは役物比率で引っかかりやすいと考えて下さい。
      ただ、それらのバランスさえ取れるのであれば別にどちらでも構いませんし、むしろ現在はアクセルATの減るボが主流なので3枚掛けで消化する台が殆どとなっております。
      参考になれば幸いです。

      削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

6号機 全台レビュー企画 Part 3 ~2018年12月編~

6.1号機の低ベース化とペナルティ, 有利区間に関する話(6号機 全台レビュー企画 Part 8)