5.9号機 ゴッドイーター2を想う

5.9号機 それは時代の徒花





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約1年前の2017年12月4日、ゴッドイーター2はホールに導入されました。パチスロ史上でも類を見ないほど厳しい規制の中で生まれた5.9号機は「有利区間」、「ARTに設定差なし」、「天井なし」の3つのルールが新たに敷かれました。

ゴッドイーター2の導入に先駆けて、KPE(現コナミアミューズメント)から戦国コレクション3が11月20日に登場し、多くの人が5.9号機ARTの歪さに触れたと思います。僕も例に漏れず5.9号機は一通り打った上で、『こりゃもうスロット終わりだな』と当時は本気で思っておりました。

皆さんは5.9号機と聞いて何を思い浮かべますか? 有利区間による出玉リミット?青天井のエグい吸い込み?ゴミ純増と低い出玉性能? そのどれもが事実ですが、結局のところ5.9号機ARTの最大の問題は『リスクとリターンのバランスが崩壊している』、この1点に尽きると思います。

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出玉リミットは本当に悪か?



実を言うと僕は出玉のリミットについてはそこまで否定的ではないんです。新基準AT機や5.5号機の大半が、旧基準時代の大量出玉を忘れられずに強烈な出玉トリガーを搭載していました。出玉性能の低い新基準でそんなことをすれば、普段の初当たりが50枚だの80枚だので終わる頻度が高くなるのは火を見るより明らか。実際、『この台はどうすりゃ勝てるんだ?』と感じる台が新基準機は非常に多かったと思います。

ですので、最初こそ3000枚リミットだの有利区間だの文句を言っていましたが、「初当たりの期待枚数が同じならば、リミットがある方が普段の出玉が多くなって遊びやすい 」と考えれば悪いことばかりではないはずなんです。事実、その典型例が僕の大好きなチェンクロ。300枚のハードルが低く、噛み合えば1000枚、無敵モードまで育てれば2400枚完走も視野に入るチェンクロは、人に非常に勧めやすい出玉分布をしています。

しかしながら・・・この頃の5.9号機は違いました。ARTを重くして期待枚数を底上げした上で、『02000か』のピーキーバランスに仕上げてきたんです。リミットを搭載したがゆえに派手に上乗せをしまくって完走率を上げ、普段の出玉を全く保証しないものばかりが続出しました。 ブラクラ3で言えばバレ満、戦コレ3ならば奥義地獄炎のような「引けなくはないけど引かないとどうにもならないフラグ」に出玉が依存するような仕様。このゴッドイーター2もそうです。通常時は途轍もないスピードで吸い込む癖に出玉の割を「乱戦」に振りまくったせいで、引けば完走引けなきゃほぼ終了のゲームバランスに仕上がっています。これらの5.9号機ARTのせいで、『5.9は遊べない、勝てる気がしない』とユーザーは判断し、スロ市場は一気に冷え込みました。

(これらのフラグは引けたときは楽しいので否定はしませんが、事実として客は一気に飛びました)

この辺のバランスが上手だったのはこれゾンですかね。ゲーム性もシンプルでわかりやすく、継続率とストックも無駄引きが少ない仕様だったので、ある程度市場で受け入れられました。フェアリーテイルや黄門ちゃまVなども悪くはありませんが、どちらも荒波な上に吸い込みと出玉のバランスは良くないので、評価の難しい所です。

その後、6号機に移る際に一部規制が緩和され、出玉性能は落ちるものの天井やゾーンが復活して高純増ATもOKになったので、本来の意味で「遊びやすい」台を作ることができるようになりました。当然賛否はありますが、僕としては数時間で勝負ができる鏡やチェンクロのような6号機はありがたく、以前よりホールで打つ頻度が増えたように感じます。高ベースと有利区間1500Gの相性が悪かったり、短期規制のせいでATと減るゾーンのループが多かったり等と、まだまだ問題点は山積みですが5.9号機よりは遥かにマシになりました。出玉のバランスやゲーム性等を含めて、いい塩梅に落ち着くまで1年掛かったということでしょう。

(とはいえまだまだ問題だらけ。出玉のバランスとユーザーのニーズが良い位置に落ち着くには、もう少し時間がかかると思います)

そんな6号機時代真っただ中ですが、今回はあえて5.9号機のゴッドイーター2について語っていきたいと思います。この台の意外にも作り込まれた内部解析や演出バランス、ゲーム性の魅力や、同時に存在する数々の致命的欠点も含め、読んだ人に『久々にゴッドイーター2を打ってみるか~』と思わせるような内容をお届けできたらなと考えています。

普段なら1記事で一気にすべて書き上げるところですが、今回は導入編といたしまして3記事ぐらいに分けて少しずつGE2の魅力を語っていこうと思っています。お付き合いいただければ幸いです。

少し注意点がありまして、今回ブログ用に追加で写真を撮ったのですが、店内の照明の都合でやたらと白飛びしてて見づらいです。他に置いてる店もあまりないので仕方がないのですが、今後はもう少し工夫して見やすい写真を撮れるよう調整します。過去の写真については見やすいのが殆どなので、これらと併用しますね。

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ゴッドイーター2の基本情報



折角なのでゴッドイーター2(以下GE2と表記)の基本情報について確認しておきましょう。

パチスロ ゴッドイーター2(5.9号機)
メーカー:ヤマサ
純増1.4枚のA+ART  自力バトルによる継続タイプ
ベース:1k 約33G(設定1)

ボーナス合算
設定1:1/327.7
設定2:1/324.4
設定3:1/318.1
設定4:1/315.1
設定5:1/309.1
設定6:1/306.1

ART確率と機械割
設定1:1/390.4 97.6%
設定2:1/387.4 99.0%
設定3:1/385.1 100.2%
設定4:1/382.3 102.1%
設定5:1/379.1 105.2%
設定6:1/375.8 108.4%


数値を見るだけでも厳しいスペックであることがわかります。この台の設定差はバーストビッグボーナス(BBB)と呼ばれる390枚取れるボーナスと共通ベルAの確率のみに集約されます。このBBBが数千分の1の確率のため、6を打っても引けなきゃ1と大差なく、どの設定でもARTを伸ばせないとトンデモないスピードで負けるのが特徴です。

今回の記事は導入編ですので、GE2の良い点悪い点を紹介するにとどめ、詳しい解析や法則は後の記事で書くこととします。5.9号機というだけで打たなかった人が大勢いるでしょうから、当時(恐らく)日本で一番GE2を打っていた僕が、『GE2のどこが魅力的で、どこがダメなのか』を説明していきますね。
 (当時はだーれも打ってなかったので簡単にスロプラスで獲得枚数1位になりました。やたらと相性良くて打つたび完走したので、数字がおかしなことになっとります)

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ヤマサロジックで構成されたGE2の通常時



ヤマサといえば独創的だけど非常に好みの分かれやすい台を出しまくることで有名ですが、意外にも演出法則は合理的なんですよ。解析を理解した上で打ち込むと、あ~コレこういう意味だったのね、となる台が殆どです。ただし、その演出法則や示唆は斜め上に突っ走ってるので簡単には理解できません。この『ヤマサの開発陣はわかりやすく合理的だと思ってるけど、打ち手に全く伝わってこない』システムや演出バランスを構成する理論を、僕はヤマサロジックと呼んでいます。

例えば同じように通常時が意味不明な台としてチェンクロがありますが、これは意図的に開発陣がわかりづらくなるよう設計していると思います。ゲーム版権ですからスロット関連の演出や話題を避けたんでしょうね。これは斜め上ではなくて、不親切なだけです。ヤマサロジックはこれと異なり、演出自体は豊富で全て示唆されてるんですよ。ただ、それらの構成が斜め上過ぎて常人には理解できない。そのため、僕はあえて不親切と呼ばず、ヤマサロジックヤマサにとっては合理的)と名付けました。

このヤマサロジックは常に時代の最先端を行きます。最近ならば4リールやリノシステムにJAC封じ、1段階設定にVtuberやぷるぷるプラネット役物など、「良くも悪くも誰もやろうとしない新しいこと」に挑戦し続けるのがヤマサの企業理念です。これも本業(飛行機リース)が順調でスロが副業(趣味)になりかけだからでしょうか・・・本当に頭のいい優秀な人材が集まっているんでしょうね。ちょっと個性的すぎるけど。

ヤマサロジックは普通の打ち手には理解不能で総スカンを食らうのが恒例ですが、一部の人々(ヤマサ信者)にとっては謎の中毒性を発揮するのも特徴です。一見すると意味不明だけど理解すれば味わい深いゲーム性、示唆内容を把握すれば熱くなれる演出バランス、脳汁ポイントはしっかりと押さえたSEと良BGMに頭をやられるとヤマサ信者になります。僕も最近鉄拳エンジェルのおかげでヤマサ好きヤマサ信者にクラスアップしたので、上の内容には深く同意できます。 出玉性能はピーキーなものからマイルドなものまで様々ですが、どれも面白い部分は本当に面白く作られているので、食わず嫌いをせずに一度打ってほしいですね。僕は最近のヤマサ台はモンキー3含め大体面白いと思ってるので、いつか紹介する日がくるかもしれません。

GE2の通常時も勿論ヤマサロジックによって構成されています。後の記事で詳しく演出法則や内部モード移行、ポイントシステムを解説する予定ですが、どれも理解すればなるほどと思える代物です。ある程度理解すると通常時で考えることが増えるので、割と本気で面白いです。お金はメッチャ減るくせに全然出ねえから段々やめたくなるけどな!

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ART関連に設定差なし



GE2は5.9号機ですのでART関連に設定差はありません。多少の誤差はありますが、後々の5.9号機と比べると本当に設定差は少ないと思います。まあ、有利区間作ったのヤマサの会長だしね...そりゃ規定ちゃんと守るわな。

なによりビックリするのが他の5.9号機と違って、BIGとREGも全設定共通な点です。そのため、この台で出る出ないに設定は一切関係ありません。全て打ち手のヒキです。ARTも一時期流行ったモンハン月下フォロワーの自力継続タイプです。この手の自力ARTの中ではかなりゲーム性も凝ってて面白いことは面白いので、後日紹介します。問題点も大量にあるので、そっちと併せて・・・

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設定差を一身に引き受けるバーストBIGと共通ベルA


ARTにもBIG、REGにも設定差ないとか、んじゃどこで差が出るんだよと言えばこのバーストビッグボーナスが殆どです。このBBBはARTに関する抽選をほぼ行わない390枚のボーナスでして、設定1で4096分の1、設定6で2184分の1と倍近い差があります。一日当たり2回ぐらいの差は出るので、それだけで割が3~4%変わるって寸法よ。

あれ?でも6は一応108%だよ?と思われるでしょうが、その分は共通ベルAが担います。共通ベルAB合算が設定1で127分の1、設定6で55分の1と露骨な違いがある上に、GE2には小役カウンターが搭載されているのでボタンポチーすれば数秒で設定判別が可能ってのが話題になりましたね。おかげで稼働も一気に飛んだぜ!

(この台を終日ぶん回す物好きは僕とモアさんぐらいでしょうが、設定差はあってないようなもんなので勝てるときは勝てます。これはトップの一撃4000枚を出した際のデータ。数値を見る限り、中間でずっと据え置いてたんでしょうね。アリサ画面も出たし)

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現実的に引ける最強特化「乱戦」


この台は結局のところ乱戦ゲーです。期待値1200枚なのに突入率は破格の1/200(ガルム戦時)と聞けばヤレる感しかありませんが引けなきゃ大体ヤレません。何とかしてこいつを引いて最低5連、できれば10連ぐらいさせてブラッドアサルト貯めてください。10連すればスロプラスのSS素材も貰えるぞ!

乱戦中の解説も後日詳しく行いますが、簡単に言うとゲーム数減算ストップ+ブラッドアサルト高確率+80%ループの3重特化です。乱戦中にボーナスを引くといとも容易く完走します。 いやホント。GE2は乱戦ゲーです。乱戦0で完走したことも何度かありますが、その時はボーナス連打+アバドンでした。ボナや特化なしの自力だけで完走したことは多分ありません。と言うか、割とすぐ入るので普通にやってりゃ大体入ります。

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強すぎるART中のボーナス


自力系ARTは沢山出ましたが、GE2はその中でも異常なほどART中のボーナスが強いです。ボーナス確率が実質全設定共通で355分の1(BBB除く)なのでそう簡単には引けません。しかし、これを200分の1ぐらいで引ければほぼほぼ完走します。ボーナス中は毎G攻撃抽選を行う上にG数減算ナシ、レア役高確率+準備中の削りダメージが発生するので恐ろしく強い。メチャクチャ強い。特定条件下では更に恩恵があるので本当に強い。というか引けないと大体負けて60枚で終わります。そう言う台です。ヤマサらしいよね。

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意外と面白いART中の自力バトル


ヤマサらしくART中はやたらと作り込まれていて理解すると結構面白いです。乱戦やボーナスなしだと厳しいことは厳しいですが、敵ごとに特徴や弱点は用意されているので上手く運べば案外勝てます。ただ、基本的にはムリゲーですし最低保証もないので平気で50枚単発で終わります。この辺は好み。

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有利区間1500Gによるリミット


5.9号機の宿命ともいえる有利区間1500Gによる強制終了。GE2も当然搭載されていますが、GE2は有利区間からの前兆→CZ→準備中がかなり長い上にボーナス枚数も少なめ+確率が重いので、ボナを引けずに完走すると上のような枚数になります。大体は2100~2400枚ぐらいですかね。2000枚以下は割と少ないです。

オイオイトップ画面は一撃4000枚出てるじゃねえか!とツッコミが入りそうですが、実は抜け道があるんです。やり方は非常に簡単でART1500G完走→即ボナからART→もう一度ART1500G完走するだけでございます。いやー鏡より前にモードでかわしちゃってすまんなー。

とまあ、別に簡単な話で枚数引き継ぎの2連続完走したってだけです(簡単にできるとは言っていない)。他の5.9号機でもたまにありますよね。但し、GE2の枚数引き継ぎ条件は非常にシビアでして、恐らく終了後30G以内(ぐらい?)にARTに入れないと枚数がリセットされます。ただ、ゲーム性の都合上長めの前兆とCZを挟むのでほぼほぼ引き継げません。その条件ゆえに、日本でも一撃4000枚オーバーを成し遂げた人は数えるほどしかいないと思います。個人的にお気に入りの一枚。

余談ですが、GE2には一撃3000枚オーバーのミッションがあるもののBBBを2~4回は引かないと届かないので、現実的には引き継がないと無理です。日本でも達成者は少ないと思うので、そういう意味でも自慢。え?こんな台好き好んで打つやつがいなかっただけだって?・・・反論の余地がないんだよなぁ。

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おまけのプレミア特化たち

キュウビ討伐戦

最後にGE2のプレミア特化たちを紹介して終わりにしましょう。みんな大好きロングフリーズがGE2にも搭載されていまして、確率は32768分の1。通常時限定で中段チェリーの50%で発生します。割と発生パターンは色々あるんでビックリすること多め。期待枚数は2000枚で、消化中はブラッドアサルトと勝利ストックの超高確率となっています。引けたら大体完走するんで素直に嬉しいです。ベル全然引けないと悲惨なことになるけど。


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公式HPや小冊子でART中のページを開いた方なら必ず気になるのが右下のアレ。モザイクで隠しきれてませんが、一応シークレットとされています。

ここで普通のメーカーであれば自社のマスコットキャラは出た瞬間に勝利確定のお助けキャラにでもするところ。
しかし、流石ヤマサは格が違った・・・


戦えるんだなコレが

ケロットは勝利確定+75%ループのプレミアモードになっています。ぶっちゃけクソザコなのでボコりにボコって結合崩壊させてBAを稼ぎまくりましょう。自社マスコットを敵としてボコボコにできる台を作れるのはヤマサだけ。サミーの北斗7とかVSエイリヤンで期待したらアミバに変わるからな...ヤマサを見習え!


(地味にデカい)

獲得枚数を見てもらえればわかると思いますが、実は一撃4000枚オーバーの時の画像です。有利区間を引き継ぎ完走2連続+ケロット=一撃4000枚の豪華フルコースARTでした。その後しばらくして20スロからも5スロからも撤去されました。代わりにカンフーレディテトラが入りました。悲しいなあ。

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ま、今回は導入編ってことでこんなもんでしょう。
悪い点やゲーム性、解析等書きたいことは山ほどあるのですが、あえて良い部分?をピックアップして紹介しました。今のご時世コイツを20スロに置いてる店は殆どないでしょうが、5スロなら探せば地域に1台ぐらいはあると思うので、この記事を読んで『意外と面白そうじゃん』と思ったら是非打ってみてください。去年僕が一番好きになった台だけあって、ホントに面白いよ。

次は通常時の有利区間とモード移行に演出法則、CZ中の解析とポイントを記事にする予定です。本当はもっと短い紹介にするつもりでしたが、ヤマサ信者にクラスチェンジしたので長めの内容にして分割することとしました。週に1,2回更新できれば上等なので、気長にお待ちくださいませ。ここまで読んで下さってありがとうございました。

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