6号機 全台レビュー企画 Part 7 ~2019年4月編~

企画を始めて3か月。ようやく後半戦に突入です。



第7回の2019年4月編では猛獣王, マイフラワー, 黄門ちゃま 女神盛, ギャラガの4機種について評価していきます。

・・・ぶっちゃけ今回はあまり語ることがありません。 サクッと終わらせるぜ!



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停滞の後半戦がスタート

時が経つのは早いもので、既に2020年も5分の1が過ぎようとしています。6.1号機の内規が正式に発表された今、2018~2019年は『6号機黎明期』としてパチスロの歴史に刻まれることになることでしょう。

6号機黎明期の流れはリゼロ以前と以後の二つでクッキリ分けられます。各メーカーが手探りだった2018年10月~2019年3月までを『最初期』、ペナボ方式が失敗し, 高ベースAT機ばかりが登場した2019年4月~12月までを『初期』と僕は位置付けています。当企画もこの区分に合わせ、最初期を対象とする前半戦と, 初期を対象とする後半戦に分けてお送りしていきます。

準備編~Part 6までの前半戦は6号機の仕組みと進化, 今後の展望を含めた考察を交えながらレビューしてきました。おかげで一記事2~4万文字が当たり前となっていましたが...それぐらい語るべき内容が多かったってこと。

対する後半戦は打って変わり、純粋なレビューが中心となります。理由は以前も述べましたが、6号機の実質的な進化は3月に登場したリゼロを最後として完全に停滞し、以降は細かいバランス調整のみに終始している」からです。前半と比べると語ることがホントないんよ...

それでも、キラリと光るシステムや僕の先入観を打ち崩してくれた台は間違いなく存在していました。中には今後のスタンダードとなりうる画期的な仕組みすらあります。その辺の話は次回の5~7月記事で詳しく紹介するつもり。

確かに『6号機初期』は高ベースAT機のバランス調整のみに終始しました。しかし、逆に捉えれば"高ベースAT機の可能性を探った期間"とも言えます。
既存のシステム, 決められた範囲の中でどれだけ面白さを追求できるか。これが後半戦における大事な課題となっています。

機械面で語ることが少ない上に機種数が膨大なため、後半戦は1台当たりの分量が3000文字程度と少なめになっています。ちょっと薄味だけど許してね。

代わりに3月15日以降は3~5日おきに更新して、全台レビュー企画を4月半ばまでに完結させる予定です。最後までどうぞお付き合いくださいませ!
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猛獣王



メーカー: サミー
導入日: 2019年 4月1日
点数: 63点
評価: ★★(★2)

良い点
・色押しによる純増6枚AT
・出玉関連の設定差がほぼ無い
・意外と一撃は出る
・CZが面白い
・そこそこ軽めの初当たり

悪い点
・12択色押しなのに1k50Gの高ベースという誰得 of 誰得
・明らかに元々はペナボ搭載の低ベース機だったのに高ベースにしたことでバランス崩壊
・通常時の演出がほぼ前作の使い回し
・ゲーム数解除の煽りが頻繁に入る上に前兆がクソ長い
・演出が人をおちょくった感じでウザい
・CZ中の赤枠が平気で外れる
・色押しを早く済ませても特に恩恵なし。申し訳程度に設定示唆をするだけ
・純増6枚+高ベースの帳尻合わせとして引き戻しゾーンが38Gと長い
・トータル純増は2枚程度なので天井からは良くて1500枚しか出ない
・引き戻しゾーンである猛獣王モードの仕様が色々酷すぎる
・BETで飛ばせるせいで誰も最後まで見ないドット演出
・猛獣王モード最終ゲームで演出途中なのに有利区間ランプが消える雑な造り
・3匹の中で一番強いはずのライサバが弱すぎる
・随所に挟まれたストレスポイントの数々
・他にも細かい欠点多数

どうしてこうなった

いや、マジでどうしてこうなったの? どこをどう間違ったら獣王版権でこんな代物をお出し出来るの? ハッキリ言ってクソ台です。
チェンクロを作ったメーカーとはとても思えない。あまりにも酷すぎる。文句なしの合格点未満でございます。

・・・ただまあ、クソ台の中ではぶっちゃけマシな方です。
レア役は最低限仕事をするし、強レア役も合算58分の1と軽め。設定1で356分の1と初当たり確率も悪くないし、ゲーム数解除とCZ当選のバランスも良好。CZの獣ロワイヤルも普通に面白い。

AT中に100G到達からの猛獣王RED昇格を目指すシンプルなゲーム性。
性能に差はあれど、ダチョサバ, ゴリサバ, ライサバのどれでも現実的に100G完走のチャンスあり。純増6枚なので意外と増えるし、色押しもソコソコ楽しい。

猛獣王モードはクソの極みだけど初当たりの3分の1で継続率持ちだし、たとえダメな方でもレア役で戻しつつ100G到達でREDに昇格させれば問題なし。運よくゾウサバを引ければ600枚+RED確定なので有利区間完走も視野に入る。

個々の要素だけを見れば決して悪くない、悪くはないんですが...ダメな所が純粋に多すぎるんだよ!!

(目指すべき場所もわかりやすいし出玉性能もそこそこ。良い部分は素直に良いんだけど...)

猛獣王モードと高ベース化の弊害

本来猛獣王はペナボ搭載の低ベース機だったと思われます。色押し12択ベルオンリー+学園方式ならば、純増6枚でも千円ベースは32~35G程度に収まったはずです。てか、純増6枚以下で色押しさせるメリットなんてペナボと併用してのベースカット以外に何もありません。だって、高ベースなら押し順小役のみで純増6枚を実現できるもん...北斗天昇を見りゃわかるよね。

ここからは僕の想像です。
皆さんもご存じの通り、ちぇんくろ学園方式の低ベース機はペナ問題を抱えており、当時ホールから敬遠されていました。そのため、元々は1k32Gで開発していた猛獣王を急遽高ベース機に作り替える必要が出てきます。そこで行われた対症療法が「基本的な数値はそのままに、共通ベルを13分の1も成立させて無理やり高ベース化する」という極めて雑な対応です。

高ベース化の弊害でAT性能が平均500枚→300枚まで大幅ダウン
その帳尻合わせとして当初は60%継続固定だった猛獣王モードの3分の2が継続率を持たないゴミ性能に...トータル継続期待度はたったの35%になりました。
引き戻しゾーン中に削れる枚数が減ったため、途中のレア役で引き戻したとしても半分しか即告知せず残り半分は規定Gまで潜伏する仕様へ変更。

おかげで猛獣王モードに全く期待が持てなくなってしまいました。
ATと減算区間をループする台で最も重要なのはAT滞在比率と引き戻し期待度のバランスなんですが、猛獣王モードはこの点が非常に劣悪。クソの一言につきます。以下、箇条書き。

《猛獣王モードのうんちポイント》
・最大前兆が48Gと恐ろしく長い
・レア役で引き戻しても半分しか即告知しない
・強レア役を引いても25%しかATに当選しない。REDでも75%。そこは確定にしろよ...
・上の仕様を踏まえると猛獣王モード中は強レア役でも12.5%しか即座に当たらない。似た仕様のHEY 鏡がDZ中の強レア役=即ATなのと比べると雲泥の差。強レア役の確率が違うとはいえ、打ち手を納得させる配慮が足りない
・継続率持ちの場合は突入時に継続抽選を行うが、その後にレア役を引いても前兆短縮抽選のみで特に恩恵はない。しかも短縮率は上のAT当選率と同値
・演出が4号機猛獣王の使い回し
・ドット演出がクッソ長いくせに期待度が低いので見る価値がない。BETで飛ばす人多数
・4号機の呪縛に捉われすぎていて演出の期待度がわかりにくい
・途中で色ナビ風の演出が出てあたかもコイン持ちが上がっているかのように見せかけているが、実際は共通ベルなので通常時とベースは一緒。目押しする意味なし!!
・一番クソなのは"内部的にAT非当選の場合、最終ゲームで演出に発展しても途中で有利区間ランプが消える点"。そのせいでまだ演出が終わってないのに種アリ種ナシがすぐわかる。チェンクロのようにフリーズ制御して最後までドキドキさせるだけで良いのに...開発チームが違うとはいえ、あまりにも雑。クソ of クソ
・他にも一杯あるけど書ききれない

とにかく『猛獣王モードは全てにおいてクソ』ということだけわかって貰えれば結構です。擁護できる所がまるで無い、クソ中のクソです。なぜ鏡やチェンクロの後にここまで劣悪な引き戻しゾーンを作れるのか、理解に苦しみます。猛獣王チームの人達は目押しの速さを磨く前に打ち手の心理を学んだ方が良いと思うよ。いやマジで。

(猛獣王モード中は色ナビが液晶上に出るんですが、無表示のセグを見てもわかる通り"ただの演出"です。中身は共通ベルなので目押ししなくても揃います。当然ながらコイン持ちも一切上がっていません。あまり打ち手をバカにするなよ?)

(演出途中にも関わらず有利区間ランプを消灯させる前代未聞のセンス。当然ながら種ナシです。チェンクロと同じように一定時間フリーズさせるだけで良いのに...たった一手間。そのたった一手間すら省くからクソ台に仕上がるんだよ!!)

ただまあ、これらのクソポイントって大半は高ベース化の弊害なんですよ。最終ゲームの有利区間ランプは論外としても、本来の猛獣王モードならゲーム性はそこまで悪くなかったような気がします。

実際、初当たりの3分の1で来る本物の猛獣王モードはソコソコ続くので意外と面白いです。潜伏示唆も豊富ですし、矛盾演出での前兆察知もまあまあ楽しい。
猛獣王モード中の色ナビも当初は「低ベースを現状維持にするための補助」として本当に色ナビを出す予定だったのかもしれません。それなら誰も文句言わなかったのに...

もしも低ベースで初当たり=サバチャン+60%継続の猛獣王モードだったならば、他が全部同じでも確実にもっと面白く仕上がったと思います。結局は高ベースがクソってことよ。

(猛獣王モードは間違いなくクソですが、継続率持ちの本物ならばそこまで不満はありません)

(100G到達から上位の猛獣王REDに昇格すればソコソコの性能のサバチャンが80%継続でガンガン続いていくので非常に面白いです。元々は低ベースでサバチャンを繋げていくゲーム性だったんでしょうね)

その他雑感

以前ならここから更に細かく見ていきましたが、今後は時間もないので手短に。

猛獣王の通常時は前兆がかなり長めです。
ゾーンに入るとプレ前兆がスタートし、荒野→弱演出→獣王モード→ジャッジ演出と無駄に4段階も踏むため結構うんざりします。前兆中はガセであってもCZ抽選が後に回されるので余計にイライラ。ただでさえ前兆が長いのにこの仕様はちょっとどうかと思います。

通常時にお肉を10個貯めるとCZが発動するんですが、この獣ロワイヤルが中々面白い。星矢よろしく3戦突破系でして、1戦あたりの勝率は66%, 期待度30%となっています。CZ中は12択ベルの2分の1でリールロックが発動し、色押しの択当てが発生。正解すると最低50%で勝利するってゲーム性です。細かいアレコレも色々あるんですが、わかりやすいので打ったらすぐわかります。
んで、このCZ中なんですが演出バランスがガバガバです。ボタン連打や赤枠などの演出がガンガン外れます。アラジンAIIと同じバランスと思ってください。作った人たちも多分同じです。初見だと面食らうかも。

(通常時の前兆はアレですが、CZはなかなか面白いです)

あと、この台は初当たりがサバチャンスタートなんですが、どのキャラが選ばれるかは獣レベルによって管理されています。
Lv.1~2ならダチョウとゴリラが半々程度, Lv.3ならゴリラ以上, Lv.4ならライオン以上, Lv.5は75%でライオン, 25%で最強のゾウサバが選択されます。当然ながら高レベルほどAT期待枚数も多いですし、100G完走=猛獣王REDのチャンス!

獣レベルは前兆 or CZをスカるごとに上がっていきます。要するに"早い初当たりだとダチョウかゴリラしか来ない"ってことです。AT中も同じく獣レベルが存在するんですが、レベルアップの方法がサバチャン確定画面のレア役しかないのでほぼLv.1。大体ダチョウです。

まあ、この台の最強キャラはゴリラなので別に高レベルにこだわる必要もないんですけどね。ライオンはただの猫です。リプ引いたら50%も死にます。どこが百獣の王やねん。にゃーん。

(百獣の王に見えますが実際は猫です。多分うちの猫の方が強いと思います)

他にも早押ししても出玉面での恩恵が特になかったり、AT最終GでLASTの文字と色押しナビが被ってクソ見辛かったり、肉ゾーン中にお肉が10個貯まると強制終了して残りのG数を消化させてくれなかったり、ゾウサバ中の上乗せが渋かったりと細かい欠点は数えきれない程ありますが全部省略。打ったらすぐわかるよ。

総評

相当ザックリ書いたんですが、これでも4000文字ぐらい。レビューってめんどくさいね。

猛獣王は人によっては2019年のワースト機種になってもおかしくないと思います。それぐらい酷い。

ただ、酷いは酷いんですが出玉面やゲーム性そのものはまあまあでして、超絶クソ台とまでは言えないんですよ。ゴリラで強レア役(合算58分の1)を引くだけで120枚が6割以上貰えて、それを4回やれば有利区間完走すら見えてくる。初当たりの3分の1で継続率持ちの猛獣王モードが来るし、2択が冴えわたればダチョウでもキッチリ増やせる。

初当たりは必ずサバチャンだから一度はチャンスを貰えるし、出玉面のハードルは6号機の中でもかなり低めです。しこたまやられたはずなのに案外負けてない、って展開が多い印象を受けます。

点数は63点。評価は★2
高ベース化の弊害による欠点があまりにも多すぎるため合格点は付けられませんが、他のクソ台に比べれば戦えるしギリギリ打てんこともないレベルです。クソの中のトップ、下の上。そんな感じ。

僕の勝手な予想なんですが、猛獣王を作った人たちは4号機の獣王やアラジンAを生み出した人達だと思ってます。動物キャラがワチャワチャやったり謎の女の子キャラが喋ったり、全体的なセンスがオッサン臭いんですよね。今の御時世にBETで飛ばせるドット演出を懲りずに入れるのもなんだかな~っていう。悪いとは言わないけどさ、もっと見せ方があると思うんよ。過去にこだわるよりも先にやるべきことがあるんじゃないでしょうか。
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マイフラワー


メーカー: 北電子
導入日: 2019年 4月8日
点数: 71点
評価: ★★★(★3)

良い点
・ゾーン, 天井, モードその他一切なし! 完全レバオン抽選のどこからでも打てる安心設計
・高ベースで初当たりが200分の1前後と軽いのに、初回でも半分近くはBIG(平均180枚)を貰える
・AT中に設定差ほぼ無し
・沖ドキオマージュタイプとしては珍しいシナリオ管理

悪い点
・苦労の割に出玉がショボい
・30πしかない

欠点が少ない良機種

北電子の6号機第一弾  マイフラワー
沖ドキオマージュタイプの6号機としては最もバランスが取れており、非常に良く出来ています。普通に良台です。

ゲーム性は至ってシンプル

完全レバオン抽選で初当たりを取る(設定1でも210分の1)
→BIG, REGを問わずボーナス後は3分の1で連チャンモードへ移行
→継続率は全10個のテーブルで管理されており、最大20セットで完走
→内部的に継続していれば32G以内にハイビスカスがチカる
以下繰り返し

こんだけ!
内部モードやゾーン, 天井などは一切なし。目押しも不要なので年配の人も安心して打てる設計です。流石は北電子。ボーナスのメイン契機はレバオン抽選です。レア役でのボーナス抽選も行われていますが、そこまで高い数値ではないので基本はチカるのを待つだけ。

この手の台は初回ボーナスがREG固定なことも多いのですが、マイフラワーは珍しくBIGとREGが半々。ATは純増3枚。BIGが180枚(60G), REGが60枚(20G)となっています。
代わりに連チャンモード中のBR比率が6:4と控えめ。シナリオ管理なこともあって一撃性はあまり高くありません。良シナリオ以外では1000枚出すのも結構大変なので突っ込みすぎないよう注意しましょう。

(通常時はひたすらチカるのを待ちましょう。ランプが無駄に多いのでわちゃわちゃしてます)

ボーナスが当選したタイミングで次回セットの継続抽選も同時に行われ、白7なら次回も継続確定。ボーナス最終Gのリングの色では継続示唆が行われます(白<青<緑<赤<紫<虹)。また、32G以内の放出は規定ゲーム数で管理されており、放出ゲーム数でシナリオの示唆が行われます。これらを併せて見ながら滞在シナリオを予想しつつ、連チャンを楽しむゲーム性となっております。紹介終わり!

(白7なら次回も継続確定です。ボーナス終了時に真ん中ランプにあるリングの色で次回継続期待度を示唆。放出ゲーム数と併せて見ながら滞在シナリオを予測するゲーム性となっています。この手の台でシナリオ管理って珍しいよね)

目立った欠点は殆どありません。
強いて挙げれば苦労の割に出玉が少ないことぐらいです。シナリオ管理なので3~4連はしやすいんですが、それ以上となると一気にハードルが上がります。自力で32G以内に引き戻す確率も低いので、ほぼテーブルの性能通りに落ち着く印象です。300~400枚ぐらいで大体終わります。

・・・そう、たかが3~400枚なんですよ。
実質600分の1を引いて得られるがジャグラーのBIGに毛が生えた程度。期待感があまり持てないので割とすぐ飽きます。つっても、高ベースAT機全般がそうだからね...何とも言えんす。

総評

点数は71点。評価は★3

欠点が少ない良台と書いた割には低く感じるかもしれませんが、これは僕の採点が加点方式だから。目立った欠点も特徴も少ない機種よりも、多少のクソさはあれど尖った個性を持つ機種の方が高得点になるので致し方ありません。マイフラワーは既存のシステムを手堅くまとめた北電子らしい一台だと思います。

ただまあ、欠点がない代わりに6号機の利点を何一つ生かしていないのでこれといった個性がありません。隣にジャグラーや沖ドキがあるのに無理してマイフラワーを打つ理由はないわな。

地味に30πオンリーなので探すのに苦労しました。台数も少ないので設置自体がレア。
アプリが出ているので、近くにない方はスマホで一度遊んでみてはいかがでしょうか。
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黄門ちゃま  女神盛

メーカー: オリンピア
導入日: 2019年 4月22日
点数: 61点
評価: ★★(★2)

良い点
・シリーズ最高のAT純増3.5枚
・ちゃま喝と同じ左右の箱のポイントを貯めるゲーム性に戻ったこと
・初当たりの50%が家康再臨リターンズ
・出玉性能自体は悪くない
・お銀ちゃんは可愛い

悪い点
・ガチガチレバーゾーン(笑)
・演出がちゃまVの使い回し。もっと言えばパチ版の使い回し
・初当たりが設定1で424分の1と結構重いくせに天井が999Gなので結構ハマる
・天井は恩恵として家康再臨が7割飛んでくるものの、有利区間の都合により1000枚ちょっとで強制終了。しゃーないけどさ
・通常時もAT中も常にガチガチレバーゾーンと戦わねばならないのでストレスフル
・ガチガチレバーゾーン後のCZが結構な無理ゲー
・AT中に減算区間無しを謳っておきながら頻繁にCZに入るため、純増3.5枚どころか実質2枚しかない
・AT中のCZはメーカー曰く現状維持らしいが、ゲーム性の都合で基本的に減る。ムカつく
・AT中にレア役を引いてCZに入れたら出玉が減るという矛盾仕様。たとえ成功したとしても20Gじゃ下手すりゃCZで減ったマイナス分すら補填できない。無なら猶更
・短期試験を回避するために一定時間ATゲーム数を消化すると帳尻合わせのガチガチレバーゾーンが飛んでくる。何も引いてないのに飛んでくる
・帳尻合わせのCZが即落ちすると、すぐにまたCZが飛んでくる。一定時間削るまで延々とガチガチレバーゾーンをやらされて思わず苦笑い。当然ながら有利区間は減る
・家康再臨の最高ゲーム数が310G(ミト)に減少
・その癖、お銀LOんVEだと310G以上乗る。謎。
・一定枚数出ると強制的にテンプテーションゲームという上位AT(笑)に移行して純増が2.7枚に落ちる。とは言うものの、そもそもの実質純増が2枚しかないので本当に上位ATである。う、うーん...?
・その他ツッコミどころ多し

発想は悪くないが実現の仕方がヘタクソすぎる一台

平和オリンピアの6号機第二弾は黄門ちゃまブランドを採用。人気キャラのお銀ちゃんを前面に押し出しつつ、前作の黄門ちゃまVで使用した演出をまんま使い回す英断(と言う名の手抜き)。純増をシリーズ最高の3.5枚にアップし、リミットが付いた代わりに初当たりの50%で皆大好き家康再臨を楽しめるように仕上げた模様。

前作の島漢が完全に空気だったので、実質的には女神盛が平オリの6号機一発目と認識されているように思います。そんな本作ですが、正直言って出来はあまり良くありません。世間的な評判もすこぶる悪い。

やりたかったこと自体はわかるんですよ。
大人気だった旧基準AT機のちゃま喝を踏襲したゲーム性にちゃまVの演出を乗せる。
メイン基板管理では複数のCZをジョグで選ばせることは出来ないから、ガチガチレバーゾーンを間に挟んでCZを自力で選択するシステムにする。

6号機のメリットを生かして純増を3.5枚までアップさせつつ、初当たりを少し重めにしてAT平均枚数を確保する。純増を程よい数値に設定したことで家康再臨で100~310G乗せても大丈夫にする。リミットを設けた分、家康突入率を初当たりの50%にまで跳ね上げる。
天井を999Gにしつつ、有利区間が少ない分の補正として天井からは家康再臨を出やすくする。

鏡のようにAT後に細かく減算区間を挟むタイプは嫌われやすいので、減算区間を現状維持に留めつつAT中に"CZ"という形で少しずつ挟む。
純増調整が上手くいって完走しても試験に落ちない枚数までATが伸びたら、上位ATのテンプテーションゲームに突入させて実質純増を2枚→2.7枚に加速。

完璧...正に完璧な計画です。平オリの開発者達も「これはイケる!」と確信して製作に取り掛かったことでしょう。んで、いざ実際に作ってみたら超絶ストレスフルでどことなくツッコミどころ満載の台が出来上がった訳だ。平オリが考える最強の6号機は砂上の楼閣でしかなかったんやね。残念無念。

(「企画してる間は面白そうだったのに、実際に作ってみたらつまんなかった」って感じだと思います)

猛獣王にしろ女神盛にしろ、失敗した理由は『打ち手心理を理解出来ていなかった』の一言に尽きます。どうすれば打ち手は腹が立つのか、どのように演出すれば打ち手は喜ぶのか。『魅せ方』を疎かにして『見せ方』のみを重視したからこそチグハグに仕上がったんです。

魅せ方と見せ方

『魅せ方』「同じ条件でどのように演出するか」を指し、
『見せ方』「同じものをどういった演出で彩るか」を指します

実際の所、両者を明確に区別することは出来ません。捉え方によって変わりますからね。基本的には広く『魅せ方』で通じるため、僕は普段コチラを使っています。便宜上、今回はあえて使い分ける形です。

パチスロに当てはめるならば
「純増何枚で, 減算区間をどう配置して, どんなゲーム性に仕上げるか」が『魅せ方』
「どの版権の, どのキャラクターを使い, どのように映像と音楽を流すか」が『見せ方』
ってところかな。

パチスロの面白さはスペック, 演出, ゲーム性、これら3つのトータルバランスで決まります。このバランスは感覚的なものが多分に含まれており、安易に数値化することは出来ません。
「スペックも演出もゲーム性も一級品なのに、いざ打ってみたらつまらない」、なんてことは全然あり得ます。逆もまた然り。
面白い台を"狙って"作れるかどうかは開発者のセンスに大きく左右されるということ。
その意味では、パチスロも映画やゲームと同じく一種の総合芸術と呼べるかもしれませんね。

・・・それは流石にカッコつけすぎか。
ま、なんにせよこのバランスをないがしろにするとクソ台が出来上がります。猛獣王と女神盛は代表例。

なぜ女神盛がつまらないか。
表面的なものばかりにこだわって中身を疎かにしたからです。

機械性能やゲーム性自体は悪くない?
確かにその通りです。

しかし、僕の言う『中身』とは機械性能やゲーム性そのもののことではありません。
『実際に, ホールで, お金を入れて打って, "打ち手がどう感じるか"』が重要なんです。女神盛と猛獣王はこの点をあまりにも軽視しています。だから、ダメなんです。

(女神盛の出玉性能や演出自体に文句はありません。問題はそこではないんです)

ガチガチレバーゾーン

結局の所、女神盛の問題点はガチガチレバーゾーンにほぼ集約されます。


ガチガチレバーゾーンはこの台におけるゲーム性の肝となっていて、トータルAT期待度は34%。1Gごとにルーレットのマスが進んでいき、リプレイかベルの入賞でマス目の報酬を獲得。ハズレなら次マス, レア役なら一段階上のルーレットに移行し、×マスで小役を引くかCZ or ATを獲得したら終了するCZです。CZのCZってやつね。

通常時は左右のptを貯めて箱MAXからガチガチレバーゾーンを目指します。左の箱はリプレイや共通ベルから、右の箱は主にレア役でポイントが貯まります。期待度はちゃま喝と同じく左<右<Wの順
ゾロ目のG数ではポイント獲得特化ゾーンの喝ゾーンが抽選されており、上手いタイミングで喝ゾーンに入れて両方の箱を同時にMAXにさせるとATが一気に近づきます。

ま、この辺はお馴染みだから特に説明する必要もないよね。右下のTVはポイントの貯まり具合やCZ, AT当選時のレベルを管理しており、内容や順番に法則性があったりします。この辺まで解説すると長くなるので全部省略。

(箱MAXからGET READY...じゃなかった、お銀ちゃんねるを目指すのが基本です。なんでロスプラ?)

正直言って僕はガチガチレバーゾーン自体は嫌いじゃありません。ガチを謳うだけあって本当にガチ抽選ですし、「頼む!ここで小役を引いてくれ!!」「今は引くな...!! よしよしセーフ」みたいな感じで割と楽しんでます。サブ基板が禁止された中で、複数のCZを打ち手に選択させる手段としては悪くない発想です。

ただねぇ、問題は純粋に無理ゲーなんですよコレ。
ルーレットは青→黄→緑→赤→虹の5段階になっており、UP率は1/3~1/2程度。虹まで到達するのは良くて16分の1です。殆どは途中でCZに振り分けられます。

で、このCZが
バトル<RPG<お銀デート<MITO6<起翔チャレンジ
の5種類となっているんですが、現実的に期待できるのはMITO6から。RPGとお銀はレア役引かにゃ無理。バトルはゴミ。

最低でも緑ルーレットじゃないとMITO6以上は来ないので、そもそもの時点で1/2前後のハードルを2回超えなければなりません。超えた上で更にCZを突破しなければATに当たりません。ATに当たっても良い方の特化ゾーンの振り分けを引かなければ即死です。引いた上で大量に乗せなければ折角の特化ゾーンも無意味です。ハ、ハードルが多すぎるぜ...

1個1個は不可能ではないレベルなんですが、ここまで短期間かつ連続で要求されると流石にうんざりします。しかも6号機なので出玉はたかが知れてる。そりゃ誰も打たなくなるわ。

その上ガチガチレバーゾーンは抽選内容が目で見てわかるのに、肝心のCZが何をどこで抽選しているのか全くわかりません。RPGとお銀なんか見た目上は小役でポイント抽選をしているように見せかけて、実際は突入時に成功抽選+レア役で書き換え抽選のタイプだからね。解析を見たら済む話ではありますが、色々とチグハグな印象を受けます。

(やったらわかるけど無理ゲーです)

減算区間としてのガチガチレバーゾーン

6号機の必要悪とも言える減算区間

短期試験の都合により、6号機は400Gのトータル純増を3.1枚以内に抑えなければなりません。
「3枚を超える高純増は減算区間とセットでなければ絶対に使えない」
この事実は皆さんも実感を持って理解なさっていると思います。

僕はこの純増を調整する区間を『減算区間』と呼んでいますが、ATを増加区間とするならば反対の"減少区間"と呼ぶ方が正しいように思えるかもしれません。しかし、この区間はあくまでも「出玉や純増を引き算して調整する」のが役割であって、必ずしも出玉を減らす訳じゃないんですよね。最近の純増変動型なんかが正にソレ。だからこそ、減少区間ではなく『減算区間』なんです。

女神盛はAT純増3.5枚なので減算区間が必須となります。この台はガチガチレバーゾーンをAT中の減算区間としても使用しており、別にそれ自体を悪いとは思いません。問題は配置の仕方です。

女神盛のATはゲーム数管理なので、打ち手は純増3.5枚×ゲーム数のメダルが確約されると考えます。家康で200G乗ったら3.5枚 × 200G = 700枚確定!てな具合。

AT中はレア役等でガチガチレバーゾーンの突入抽選が行われ、成功すれば毎度お馴染みジャッジ演出からゲーム数の上乗せが行われます。また、AT中は通常時と異なり一部ベルナビが出るので現状維持です。減算区間だけど入っても損をしないように一応配慮はなされています。

家康で大量獲得→レア役でガチガチレバーゾーンに入れる→CZ成功からのハンマープライス→上乗せ or 特化で大量上乗せ

が女神盛で一撃を伸ばすための基本ルート。過程だけ見ればいつも通りっすね。

ただねぇ、実際に打つと全然違うんですよ。ガチガチレバーゾーンがメッチャ不快なんですよ。

普通の台ってレア役を引いたら嬉しいじゃないですか。
この台は逆。引けば引くほどイライラします。だってガチガチレバーゾーンに入ったら出玉と有利区間を削られるんだもの。もっと言えば純増も。

AT中のガチガチレバーゾーンは確かに現状維持なんですが、あくまでも全体を通して見た際の話。ゲーム性の都合上、長く滞在すればするほどメダルは減っていきます。小役引いたら進んじゃうからね。

小役が上手く引けないイライラ, メダルが減るイライラ, 有利区間が減るイライラの三重苦に耐えた末にバトル~お銀のゴミCZ。RPGやお銀だとCZも長いから更に削られてイライラ。んで大体ハズレ。マジで台を叩き壊したくなるほどムカつきます。

たとえ奇跡的に成功してもハンマープライスに失敗すれば20Gです。これじゃガチガチレバーゾーンとCZで減った分が戻ってくるかどうか。溺愛だったら例のごとく0G。
AT中にレア役を引き, CZに成功して, 最後の最後に失敗したらむしろ損。この不快感は一度体験しなければわかりません。

(耐えに耐えてからのゴミバトルがマジで腹立ちます)

ただまあ、コレに関してはある程度割り切れるんですよ。初当たりで家康が50%も来るし、レア役からCZに入れるゲーム性だからね。仕方ないよなと。

・・・割り切れるはずだったんですが、コイツの面白い所は「ATを一撃で一定ゲーム数消化すると強制的にガチガチレバーゾーンに突入して削ってくる」ってとこなんすよ!! 笑えるんだコレが。

ガチガチレバーゾーン  お願いしまーす!!

女神盛はATを200Gぐらい一気に消化すると強制的にガチガチレバーゾーンに突入します。状態以降の話ではなく、何も引いてないのにいきなり前兆が始まって飛んでくる感じ。この強制抽選に引っかかってると低確でもバチェバリプが揃ったりします。

先ほども述べた通り女神盛は純増3.5枚なので、そのまま出続けたら試験に落ちます。ガチガチレバーゾーン込みのトータル純増は約2枚なので、3.5 × 200 + 2.0 × 200 = 1100枚で短期試験の幅に収まるって寸法よ。まあ、仕組みとしては理解できるさ。

んでね。
この強制CZなんですが、CZ自体はガチなので結構即落ちするんですよ。下手すりゃちょっと増えることすらあるんですよ。

するとどうなると思います? 
なんと!!  純増が2枚程度に落ち着くまで強制CZがひたすら飛んできます

女神盛「すみません!! どうやらお客様のスピードが超過しているようですので、こちらのガチガチレバーゾーンでしばらくお待ちください。お願いしまーす!!」

即落ちしたらまたCZ、調整が足りない場合はまたCZ。ガチガチガチガチうるせえわい! 
あまりにも露骨なのでクソ笑えます。調整の仕方が雑過ぎるだろ...

度重なるガチガチレバーゾーンの波を潜り抜け、トータル純増2枚に耐えながら十分な一撃枚数とゲーム数を獲得した猛者はなんと!!
強制的にテンプテーションゲーム(純増2.7枚)に突入します。んで、そのまま有利区間完走します。頑張って調整したので2.7枚で完走しても中期試験の幅に収まるみたい。終わり。

(悪いとは言わねぇけどもうちょっとやり方があったろうよ...)

魅せ方の下手さ

長々と女神盛のアレな所を解説してきましたが、発想自体は悪いものではありません
純増調整のやり方を少し変えたものがエウレカ3やタイバニのような純増変動型な訳ですし、ゲーム数でCZが飛んでくる仕様もゾーンで当選する疑似ボーナスの形で演出できたはず。

一定枚数で上位ATに入って純増が伸びる仕組みはエウレカ3のSPEC3が全く同じことをしていて世間の評判は上々です。KCCだってガチガチレバーゾーンと似たようなもの。全体を通して見たトータル純増も大差ありません。意外と根っこの仕組みは変わらないんすよ。

じゃあ一体何が違うのか? 
『魅せ方の上手さ』です。同じリソースをどのように配分するか。どのような演出とゲーム性で打ち手を楽しませるのか。その辺の工夫が女神盛はあまりにも下手過ぎます。

トータル純増が2枚なんだから、別に見た目上の純増3.5枚にこだわる必要なんかなかったんですよ。ちゃま喝と同じく純増2.5枚で減算区間無しにするとか、あるいは初当たりは純増2枚にして、テンプテーションゲームに入ると純増3.5枚に加速するとか。やりようはいくらでもあったはず。

女神盛も『見せ方』は決して悪くありません。
お馴染みの選択式上乗せやコミカルな演出はやっぱり魅力的ですし、楽曲や一枚絵の使い方も上手。前作の使い回しが大半とはいえ、黄門ちゃまらしさは十分に出せていると思います。

しかし、全体のバランスを含めた『魅せ方』はハッキリ言ってダメダメです。

例えば家康再臨の310Gリミット
家康の魅力は"いつまでフリーズが続くかわからないドキドキ感"にあった訳で、310Gのリミットを設けられてしまったら冷めてしまいます。それならば純増を少し下げ、ちゃまVにように上限に到達したら完走モードに移行する方がよっぽど良い。試験の突破率もそう変わらない気がします。

(一番楽しい時間の魅力を削ってどうすんのよ)

純増が2枚であればガチガチレバーゾーンは不要です。AT中のレア役で直接ハンマープライスを獲得する方式に変えることもできます。どうしてもAT中にガチガチレバーゾーンを組み込みたいならAT終了後にだけやらせれば良い。

テンプテーションゲームの魅せ方も悪い。実質的には2枚→2.7枚と純増が伸びているのに、表記上が3.5枚なせいで打ち手は「いや、むしろ減ってるじゃん」としか感じない。これを逆にするだけで印象は全く異なります。

他にも多数不満点、改善が見込める点はありますがこれ以上は言いません。
発想は悪くないのに実現の仕方が下手。女神盛に対する評価は「惜しい」の一言に尽きます。

総評

最初にも述べましたが、女神盛は表面上の数値や外見に捉われすぎたことが問題です。

6号機だから純増を3枚以上にしないと売れない!
→表面上は3.5枚だけど実質2枚
売るためにはそれなりの版権を使わなきゃ!
→直近に出した黄門ちゃまVを使い回しつつ、人気キャラのお銀ちゃんを全面に押し出す
黄門ちゃまらしさを出さないと!
→一見するとちゃま喝っぽいゲーム性だが結局はガチガチレバーゾーン。家康再臨もリミットが付いたため魅力半減
流行りの上位ATを搭載して純増を加速させるぞ!
→表記上の純増が3.5枚→2.7枚と落ちるせいで打ち手は納得しない
etc...

女神盛の問題点は6号機の仕組みを知っていれば十分理解できる範疇にあります。そういう代物だと把握してから打てば普通に楽しめます。演出やゲーム性そのものは決して悪くないからね。

かくいう僕も久々に女神盛を打ち直したら思った以上に面白く感じました。当時はなんだコレはと、よくぞここまで酷い台を作れたなと呆れ果てましたが、今となっては笑いながら打てます。僕の中のボーダーラインがどれだけ下がったんだって話でもありますけど。

点数は62点。評価は★2合格点以下です。
褒めようと思っても常に欠点が付いてくる、パッと見は面白そうだけど実際に打つと想像以上にストレスが溜まる。表面的なものにこだわって打ち手への配慮に欠けた雑な作りを客観的に評価すると、この点数となりました。

とはいえ発想やゲーム性そのものは悪いものではありませんから、少し改善するだけで見違えるほど面白くなるポテンシャルを秘めた台だとも思います。次回作に期待したいですね。
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ギャラガ


メーカー: メーシー
導入日: 2019年 4月22日
点数: 68点
評価: ★★☆(☆2.5)

良い点
・設定1でも約250分の1と初当たりが軽め
・現実的な確率で確定役が成立しており、不意に止まるリーチ目でノーマルタイプ気分を味わえる
・BIG中のプチ4号機風味なゲーム性
・まあまあ面白い32G間の引き戻しゾーン

悪い点
・誰得のファミスロ路線
・初回REGの絶望感
・高ベース+軽い初当たりが織りなす圧倒的ミミズグラフ

可もなく不可もなく

ちょうどこの頃から本業が忙しくなったため、あまり打ち込めていない台も増えます。ギャラガは完全にソレですね。3~4回しか打ててません。

どこに需要があるのか良く分からないユニバのファミスロ第3弾ですが、ギャラガのゲーム性はいつもの沖ドキ系です。目立った違いは初当たりの半分以上がBIGであり、BIGからしか連チャンモードに移行しないこと。REGは絶望。マイフラワーとの違いはソコかな。

通常時はレア役でボーナス当選を目指します。
それなりに期待の持てるスイカを引く→ドット演出に発展→撃破でWINの流れが基本。
ギャラガの良い所は弥生ちゃんと違って"本物の確定役"が現実的に引けること。設定1でも1200分の1ぐらいなので、不意に止まったリーチ目からのWINでギョッとすることも。ここは非常に良いですね。ちなみにリーチ目だとBIG比率が上がります

(不意に来るリーチ目。ええやん!)

次はボーナス中の説明。REGは実質ハズレなのでBIGの話だけをします。

BIGは25G+αとなっており、純増は4枚。平均155枚が獲得できます。消化中は全役でポイントの獲得抽選が行われ、貯めたポイントに応じてランクが決定。ランクに応じて終了後32G間のボーナス当選率が2~20倍まで変動します。ランクはE~Sの全6段階、Sなら1G連が確定しB以上あれば現実的に引き戻せます。

BIG中はリプレイを引くとJAC扱いになり4G上乗せ。JAC中はポイント抽選が優遇されるので25G間で如何に7.3分の1のリプレイを引けるかというゲーム性です。リプでもセグを出すことがあるので押し順でもチャンスあり。敵と成立役に応じた演出法則等もあるので、覚えるとより楽しめるかも。BIG中は意外と面白いです。

(BIG中はリプレイを一杯引きましょう)

BIGは青7と赤F, 赤Fダブルの3種類あり、青7<赤F<赤Fダブルの順でポイント抽選が優遇されます。赤7ダブルのみが出現するデュアルモードは完走の大チャンス! 僕は引いたことありませんが、フリーズすると突入するそうな。

BIG終了後は32G間のボーナス高確率「ギャラガゾーン」に突入します。全役でボーナス抽選が行われ、連チャン中はBIG(赤F or ダブル)のみ。ランクに応じて当選率は変動し、最低でも1/256(E)~1/13.5(A)で当選します。最終ゲームはランク不問で12.5%でボーナスに当選。32G目は気合が入ります。

(32G目は期待度アップ。気合を入れて叩きましょう)

・・・紹介終わり!!

本当に可もなく不可もなくとしか言いようがありません。
面白いか面白くないかで言えば、間違いなく面白い方の台だと思います。レア役と対応ランプの法則矛盾, 不意に止まるリーチ目にワクワクしながらBIGを目指し、BIG中はリプレイを願う。BIG後は連チャンを目指してレバオンし、最終ゲームは気合を入れる。出玉推移はかなりマイルドで連チャン中はダラダラ~っと増える。特筆すべき点もこき下ろす点もない、普通の6号機です。

高ベースで初当たりが軽い。BIGである程度の枚数が貰える上に連チャンゾーンの突入率は50%オーバーとくれば...後はわかるよな?

当然ながら吸い込みも吐き出しも極端に緩くなります。弥生ちゃんと違って1~6まで等しくミミズグラフを描くので、メリハリが全くない。極端に負けはしないけど一撃も出ない。出ても数百枚。ゾーン天井一切なし。

んじゃ、隣のジャグラー打つわ, 沖ドキ打つわで終了。マイフラワーと全く同じですね。これはもう、マイルドな高ベース沖ドキタイプの宿命としか言いようがありません。

総評

点数は68点。評価は★2.5。可もなく不可もなくとは言いつつも、BIG中のゲーム性や現実的に引けるリーチ目の分だけ少し上乗せしました。点数はあえて弥生ちゃんと同じにしました。改善した分だけ個性もなくなったので相殺。こんなもんでしょ。

マイフラワーとギャラガに非常に良く似ています。台に対する印象も全く同じと言って差し支えないほどです。しかし、あえて評価に差を付けました。その理由は「メリハリの有無」です。

マイフラワーもギャラガもハッキリ言って出玉性能の高い台ではありません。隣にジャグラーが置いてあれば、殆どの人がジャグラーを選択することでしょう。けれども、マイフラワーは突入率を3分の1に絞りつつテーブル方式にすることで、ある程度の一撃性能を持たせています。連チャン中にもBIG, REGの振り分けがあるため、展開次第では1000~2000枚も不可能ではありません。

ギャラガはこのメリハリがありません。打った人ならわかると思うんですが、この台って全然続かないんですよね。基本3連前後、よくて5~6連です。デュアルモードなんてフリーズでしかほぼ行かないくせに平均たったの1200枚。
BIG=連チャンモード確定, かつモード中のボーナスを全てBIGにしてしまうと、そもそも出ない台が出来上がってしまうということ。

『吸い込まない台は出ない』ってのはパチスロの大原則。良心的で遊びやすい台が必ずしも面白い台になる訳ではないのが、パチスロという娯楽の難しさよ...
このバランスは低ベース化するだけで大幅に改善できますし、今後の機種に期待したいですね。
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終わりに

ようやくPart 7も終了です。
1ヶ月も空けた癖にいつもより短いですが許してね...割と本気で大変なんよ。

今回の記事では『魅せ方』『見せ方』についても言及しました。女神盛の項目だけを読んでいると見せ方より魅せ方が大切と勘違いするかもしれませんが、決してそうではありません。

2019年後半になると『見せ方』が大きな評価点となる台も増えてくるんですよ! リソースの配置法やゲーム性の試行錯誤が一通り試された現在では、「版権をどれだけ上手く使いこなすか、いかに面白い演出を作るか」も大切になってきています。その辺は今後言及したいですね。

3月中に残りの5記事もなるべく書き上げてしまいたいのですが、現状のペースだと非常に怪しいっすね...ある程度は書き溜めてあるので、一応3~5日間隔で仕上げて更新するつもり。どちらにせよ4月からは忙しくなるので、とてもじゃないけど更新する暇はありません。残りの2週間で頑張って書けるだけ書くぜ!

次回の5~7月記事は久々の解説回です。レビュー機種数も多いので長めになる予定。現在書き進めておりますが、内容が多くて非常に手間取っております。説明したいことが沢山あるのでモチベ自体は高めです。ちょっと間隔は空くかもしれないけど許してね。

さてと、なんとか宣言通り3月15日に更新できました!
全台レビュー企画が終わったらブログもしばらくお休みする予定なので、悔いの無いよう走り抜けていく所存。

それでは、次回記事でお会いしましょう

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チェン

コメント

  1. 前にTwitterをフォローした者です。最新記事待っていました!
    MEGA盛は地元にも結構ありますが、ただただ当たった時の音が五月蠅い印象しかありませんでしたねw

    ところで「減算区間含めた場合の純増は〇枚」というのを他の記事でもよく目にしますが、これってどうやって計算しているんでしょうか?
    猪木継承だとAT純増4.0枚で減算区間が最大50G(でしたっけ?間違っていたらすいません)ですが、その場合だと何枚でしょうか?

    返信削除
    返信
    1. フォローありがとうございます!
      女神盛もそうですが、最近の平和は騒音の一番を目指しているのかってぐらいうるさいのでマジで勘弁して欲しいです。ルパンイタリアとかもはや暴走族レベルだよ...

      減算区間を含めた純増は基本的に実践値を基に算出しています。サイトセブン上のデータを有志が集計したものと自分の実践データから割り出したものを照らし合わせて、大体この辺だろうとアタリを付けていく形。

      猪木は純増1.7枚ぐらいですね。もちろん展開によりますが、僕が天井から完走した時が1300枚だったので1300枚 ÷ 750G = 純増1.73枚。データ上のグラフを見ても1.5~1.8枚付近に収まっているので妥当な所なんじゃないでしょうか。この数値を間違うと期待値計算もズレてくるので注意。AT⇔減算区間タイプは計算が面倒なので、解析から割り出すより実践値を見て判断した方が簡単だと思います。

      参考になれば!

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  2. 非常に面白く読みごたえのある記事、いつもありがとうございます!
    次回の更新も楽しみにしております。

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    返信
    1. 読んで下さってありがとうございます
      次回もなるべく早く更新できるよう頑張ります!

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