6号機 全台レビュー企画 Part 6 ~2019年3月編~

第6回は2019年3月編。

6号機最大のヒット機種であるRe:ゼロから始める異世界生活はもちろんのこと、個人的に"アレ"な機種であるおそ松さん ~驚~, 6号機では珍しいRT付きノーマル機であるザクザク七福神ドンちゃん2の合計4機種をレビューしています。


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2019年を象徴する機種  リゼロが登場

2019年はリゼロの年だったと断言して差し支えないでしょう。リゼロの登場は6号機に対する見方と方向性を大きく変えました。6号機時代が始まって半年足らずにして、これほどまでに完成度の高い機械を開発した大都には賞賛の言葉しか出てきません。本当に素晴らしいと思います。

しかしながら、僕自身はリゼロを高く評価しつつも世間の熱狂に対してイマイチ乗り切れずにいました。以前も少し触れましたが、端的に述べると「リゼロは到達点であり、その先に未来はない」と半ば確信していたからです。今回の記事では当時を思い返しつつ、リゼロの成功と失敗の流れを今一度振り返っていきます。今だからこそわかってもらえる話も少なくないですからね。

世間がリゼロに熱を上げる中、同日にコンセプトが近いおそ松さんが導入されて完全に空気だったり、それらと真逆の方向性を行くザクザク七福神やドンちゃん2といったノーマル機が良くも悪くも話題になってたり。その辺も話していきたいですね。

それじゃ、2019年3月編を始めるとしますか!

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Re:ゼロから始める異世界生活


メーカー: 大都技研
導入日: 2019年 3月4日
評価: ★★★★(★4)
点数: 80点

良い点
・純増8枚ノンストップAT
・それを実現するための潔い仕組みと緻密なロジック
・強ATの圧倒的爽快感と安定した出玉性能
・高純増ATを気持ち良く体験させるための工夫
・荒波高ベースAT機として最高峰のハイスペック
・内部仕様を悟らせない魅せ方の上手さ
・シンプルでわかりやすい通常~CZ~ATの流れ
・変則押し時のリール制御や2枚がけゼロボ入賞対策などの細かい配慮
・新規映像やキャラ毎のカスタムなどの原作ファン向け要素

悪い点
・高純増ATと引き換えに失った"パチスロらしさ"
・低設定域のあまりにも重い初当たり確率(1600分の1)
・仕組み上どうしても通常時に滞在する時間が極端に長くなる
・ゲーム性の大半が星矢海皇のパクリなのでオリジナリティに欠ける
・高設定域の露骨すぎる挙動
・レア役がほぼ無意味なので通常時が虚無
・本前兆中の強チェやCZ当選時の995ptといった無駄引きポイント
・CZとAT中の凄まじいデキレ感
・弱ATの圧倒的つまらなさ
・偶数設定の天井弱ATへのストレス
・高設定は早い当たりと弱ATを繰り返す作業と化しやすい
・200G無抽選, CZ当選契機がほぼゲーム数消化のみ, 高設定の徹底したデキレ仕様といった昨今の6号機に対する悪しきイメージを完全に植え付けてしまったこと
・無抽選区間を回避するハイエナがあまりにも簡単かつ有効すぎるため平打ちに向かない
・0 or 33Gやめを誰も打たなくなる致命的仕様
・原作の雰囲気が全く伝わってこない演出面
・わかりやすすぎる前兆の演出バランス
・設定示唆が簡単に出すぎ
・良くも悪くも全体的にシンプルなので打ち込み要素が薄い
・これらが重なった結果、ある程度打って中身がわかると一気につまらなく感じてしまう飽きの速さ

6号機最大のヒット機種にして一番の問題児

『6号機と言えばリゼロ』

そんなフレーズが当たり前に聞こえてくるほどの大ヒットとなったリゼロですが、パチスロとしては間違いなく異端児です。

有利区間移行後は200Gまで全設定共通の完全無抽選、通常時のレア役はCZの抽選をしておらず規定ゲーム数までひたすら回すだけ、CZ中, AT中の抽選が表記と内部で異なるためデキレ感満載。初当たりは設定1で1600分の1と激重、5,6だけ挙動が露骨な上に示唆が出まくるせいで設定丸わかり。

常識で考えればこんなものがユーザーに受け入れるとは到底思えない。しかし、ヒットしました。それも途轍もないレベルで。当時の熱狂は"バブル"としか表現のしようがありません。

そんな問題児リゼロにつけた点数は80点★4。この企画におけるトップクラスの評価となります。

もし、リゼロを『6号機として』評価するなら87点が妥当でしょう。高ベースAT機の到達点ともいえる性能ですから当然の数字です。
しかし、逆にリゼロを『パチスロとして』評価するなら72点ってとこかな。

・無抽選やデキレなどの仕様面でマイナス5点
・原作の雰囲気が全く伝わってこない演出面と節操のない設定示唆でマイナス5点
・設定1のAT初当たりが重すぎる上にハイエナ要素と露骨な高設定挙動がネックになって平打ち出来ない所がマイナス5点

の計15点減点。妥当な線だと思います。
今回の80点は二つのちょうど中間を取りました。

人の評価って不思議です。
もしも、リゼロのバブル期に『リゼロは72点』とレビューすれば、殆どの人が「点が低すぎる」として納得できなかったはず。
反対に、本来の姿が露見した現在において『リゼロは87点』とレビューすれば、これまた殆どの人が「点が高すぎる」として納得できない。リゼロ自体は何も変わってないのにね。

リゼロに対する想いは本当に複雑です。今回の記事ではリゼロを評価しつつ『なぜ成功し、なぜ失敗したのか』に関する考察も行っていきます。皆さんよくご存じの機種ですからゲーム性の解説は最低限に留め、僕のリゼロに対する考えや当時の話を書き連ねていく形。レビューというよりはコラムですね。今となっては当たり前の内容が大半ですが、どうか最後までお付き合いください。

(良く誤解されますが、僕は基本的にリゼロ肯定派です。当時からその完成度と画期性を高く評価していました。こういった尖った性能を持つ台は6号機に間違いなく必要です)

(初打ち時の感想はコチラ。過去ツイを漁って貰えればわかりますが、割とベタ褒めしてます。誤字があったり比較対象がチェンクロだったりするのはご愛嬌。今回の記事は僕の過去の発言を引用する場面が度々出てきます。ご容赦ください)

(その上で、リゼロを手放しに絶賛する世間の風潮に対しては複雑な想いを抱いていました。今なら同意してくれる人も多いんじゃないかな)

(僕のリゼロに対するスタンスは今も昔も一貫してます。『リゼロは完成度の高い良台だけどもパチスロとして致命的な欠点が多数あるためカンフル剤に過ぎず、主流にはなりえない』というもの。ここだけ切り取って僕がリゼロ否定派と勘違いする人がチラホラいたんですが、世間の風潮に苦言を呈したに過ぎません。当時はガセと盲信が蔓延してましたからね...リゼロを褒めることと嘘を肯定することは違う、ってだけの話。否定派な訳ないでしょ)

リゼロはなぜ成功し、なぜ失敗したのか

リゼロが成功した理由は
『演出の魅せ方が上手すぎて本来の性能よりも遥かに高く見えたから』

リゼロが失敗した原因は
『中身がバレて本来の性能が露見したから』

難しい話でもなんでもありません。本来の姿を正当に評価された結果が今の惨状であり、バブルが弾けて元に戻っただけです。適正台数や解析云々もありますが、最も簡潔な答えは上の二つ。 説明終わり!!
「リゼロの最も優れた点は機械性能ではなく、"演出の魅せ方"である」ってのが個人的な結論。この前提を履き違えると大変なことになります。最近の台が正にソレ。

例え話ですが、もしもリゼロの代わりにルパンイタリアが導入されていたら大人気機種になったでしょうか?  僕はならなかったと思います。だってルパンは演出の魅せ方が超ヘタだもん。すぐに仕組みがバレて終了です。今と同じようにね。

その上で、ヒットに至った要因は主に3つあると考えています。

一つは「他の機種にない"純増8枚ノンストップAT"という武器を持っていたこと」
二つ目は「6号機の規則や出玉試験に関して、世間の知識と経験が不足していたこと」
最後に「様々な要因によりSISの数字がインフレし、人気がSNSやまとめブログを通じて広まったこと」

これらの解説は合間に挟むとして、まずはレビューへと移りましょう。

純増8枚ノンストップATという唯一無二の武器

リゼロ最大の武器は何と言っても純増8枚ノンストップATです。強ATならば初期ゲーム数平均100G以上、突入時の10%は2400枚を完走します。減算区間なしでモリモリ増える爽快感は現在でもトップクラスの性能と魅力を誇っています。

高純増ATを実現するためのロジックや仕組みを知りたい方は出玉試験編をご覧下さい。今回のレビューは実質的にコレの続き。4万文字もあるのでクッソ長いですが、暇な時に是非読んでみてね。

当時の打ち手は6号機に対して漠然とした不満が溜まっていました。純増5枚を謳っていても減算区間が挟まるから実質純増は2枚。有利区間1500Gの都合で天井から2400枚すら取れない。減算区間なしの機種はせいぜい純増3枚、かつ高ベースが主流なので出玉性能が低い。旧基準AT機と比べてどうしても見劣りします。

そんな中、嘘偽りなく純増8枚で増え続けるリゼロはとても魅力的に映りました。「純増緩和のメリットを生かした台がやっと出たのか!」と各所で大絶賛!!  
あえて初当たりを極端に重くすることで高純増を長く味わえるようにしたのも大きい。強ATでサクッと1000枚吐き出す超スピードは一度味わえば病みつきになります。良く作ったよホント。

(色押しというハンデを持ちながらも純増8枚の魅力で一点突破! これほどまでに尖った台を人気機種へ押し上げた大都の開発力には脱帽するしかありません。ちなみに初期にあった"色押しで試験を誤魔化した云々の誤解"は、左下のセグを見て貰えれば一瞬で解決します。ちゃんと『R3』って表示されてるでしょ? Aと読む人が多いけど"レムのR"なのでRです。エミリアはE。どうでもいいけど念のため)

純増8枚だから有利区間が300G残っていれば完走できると思わせたのも上手。どこからでも2400枚を狙える仕様は打ち手心理へプラスに働きます。ま、実際は帳尻合わせが必要なのでそう上手く行きませんけどね。無抽選とか一定枚数しか出ないデキレATとか、その辺は今なら誰でも知ってるので省略します。

なんにせよ、リゼロの魅力は純増8枚ノンストップATが全てです。それを実現するためのロジック, 歪な部分を包み隠す巧みな魅せ方, 高純増の気持ち良さを最大限に引き立てる演出とサウンド...どこを取っても文句なし!!
この武器のおかげでようやく世間が6号機に目を向けてくれるようになりました。その功績は計り知れません。

(初回の特化をゲーム数上乗せにしたのも英断。差枚数にして表記上の数値を誤魔化すより、「純増8枚で+50G...400枚乗せ!? スゲー!!!」と頭で計算させる方がよっぽど興奮するんですよ。魅せ方一つで印象が全く変わる、良い例だと思います。大都は打ち手を気持ち良くさせるのがホント上手いぜ...)

意外と良好なリスクリターンのバランス

ご存じの通りリゼロはゲーム数解除でしかCZに当選しません。
設定1だと523分の1, 設定6でも333分の1と激重です。そのくせ天井は777G。普通に考えたら低設定は天井直行となりそうですが...案外200のゾーンでも当たります。250と500と750の振り分けを均等にするだけで初当たり確率はピッタリ500分の1になるからね。そういう理屈。

当初の情報では設定1でも200のゾーンで30%は当たると言われていました。ホンマかいなって数字ですけど、実践値を見る限りはあながち嘘ではありません。
ま、実際は"有利区間継続によるモード優遇"という落とし穴があるんで一概に正しいとは言えませんけど...既に周知の事実なので今更説明する必要もないか。

(低設定の日常。とはいえ浅めの所でもちょいちょい当たるので、毎回天井直行と言う訳でもありません。ただ、有利区間継続による初当たり優遇も含めた合算値なのでコンビニ後限定ならばもっと初当たり確率は落ちます。数字のマジック)

直前に似た仕様の星矢SPが導入されていました。荒波の設定1とド安定の設定6, 設定1のCZ初当たり確率が500分の1で天井700とそっくり。一つだけ大きく異なる点は星矢SPはレア役やポイントでCZの抽選をしていたこと。どこでも当たる可能性を持たせると逆に天井でしか当たらなくなる、というジレンマが発生していました。

リゼロはレア役で一切のCZ抽選をしません。全てCZの突破期待度を上げる抽選に回されます。この潔さはカッコいいですね。打ち手としても通常時のレア役で気休め程度のCZ抽選をされるより、CZの突破率を上げてATに入りやすくしてくれる方がよっぽど嬉しい。天井までにアイコンは大体2~3個貯まるので、継続率はほぼ63%以上。撃破アイコンがあれば継続率は上がらないものの、実質的な突破率は更に跳ね上がります。

(レア役を全て継続率アップに充てる潔さは嫌いじゃありません。あってないようなCZ抽選よりも間違いなく納得できます)

突破型はメインATに入れることが最も大切な訳であって、CZが早く当たることは特別嬉しくはありません。出玉も少ないし、勝てる保証はどこにもないからね。それに比べれば深くハマってもATに入りやすい方が圧倒的にマシです。高ベースだから天井まで行っても1万5千円(750枚)。強ATは800枚の最低保証がありますし、出玉分布にも安定感があるから0から打つ心理的ハードルも低い。高純増とリミットのおかげで閉店取り切れずも発生しないため「仕事帰りに白鯨を1回だけやってみよう」と思わせることに成功。星矢SPに出来なかったことをリゼロは見事にやってのけました。このバランス感覚は本当に素晴らしい。

(強ATで安定して1000~1200枚が貰えるのもリゼロの魅力です。「天井まで行っても突破さえすれば...!!」と打ち手に思わせ、ハマればハマるほどアイコンを獲得しやすい仕様も稼働を促進しました。星矢SPの欠点をキッチリ解消しています)

・・・とは言うものの、これら全てを無に帰す『高設定のデキレ白鯨』って致命的欠陥があるんですけどね。他にも当選ゲーム数とAT平均獲得枚数のトリックとか。天井弱ATとかキレそうになるよマジで。今では知れ渡っていますが、当時は皆気付いてなかったので仕方なし。欠点については後でまとめて語ります。

シンプルなゲーム性と全体的な魅せ方の上手さ

リゼロのゲーム性は極めてシンプルです。
通常時を回す⇒CZに入れる⇒継続率を3回突破する⇒ATを楽しむ
終わり!  このわかりやすさも人気の秘訣。

また、リゼロはこのシンプルなゲーム性に『モード移行と有利区間継続』というスパイスを加えました。以前も話しましたが、リゼロの主要客層は旧基準機~5.5号機からジャンプアップしてきた人達です。5.9号機はほぼ打ってない, 6号機は鏡をちょっと触った程度~みたいな。
稼働当初は「ずっとモードBにいるんだけど、いつ天国に上がるの?」みたいな会話が平気でなされてました。いや、ホントに。笑い話じゃありません。当時はそういった頓珍漢な議論が真剣に行われるぐらい、多くの人が6号機について何も知らなかったんです。

リゼロはこの魅せ方が抜群に上手かった。
減算区間を一ヶ所に集めて通常時として回させる工夫。有利区間継続後は200G以内でも当たるため無抽選の存在に気付けない。複数のモードとゲーム数振り分けの概要を見せることで、5号機のモード移行と同じように錯覚させる。
通常時はあえて有利区間ランプを付け、コンビニ移行時に消灯させることで有利区間継続の存在を認識させる。ポイント高確終了時のカードと100G付近の前兆で高モードを示唆して回させる。高設定の場合は弱ATと高モードのループが発生し、やめるにやめられない状況を生み出す。
これらの要素が主要客層と奇跡的に噛み合った結果、途轍もない高稼働を叩き出しました。

(今でこそ有利区間の仕様は知れ渡っていますが、当時は5号機の感覚でモード移行を語る人が多数いました。おかげで話が噛み合わないこともしばしば...有利区間への理解を促進させたことも、リゼロの大きな功績の一つです)

妙な話でして、人間というのは一度目の前で起きた事実を信じ込んでしまう傾向があります。「100G以内に当たったことがあるから高設定だと無抽選はない」とか「200のゾーンから強ATで完走したから理論上は1時間で5000枚近く出せる」とか。

まあ別に嘘ではないんですが、実際は有利区間移行後は全設定共通で200G完全無抽選ですし、中期試験の都合で200のゾーンで当たった場合は弱ATが選択されやすく完走しづらい。しかしながら、たとえ特定の状況下や極めて薄い確率でしか発生しない現象であっても、一度見てしまったら頭から抜けにくいのが人間です。大枠から逆算するのではなく目の前の事実から推論を重ねた結果、本当の姿が見えなくなってしまう。ありがちな話ですね。その惑わせ方がリゼロは非常に巧みでした。

ただ、正直言ってこんな工夫は5.9号機, 6号機をある程度打っている人間にとっては子供騙しも良い所であり、挙動とデータを見れば1週間もしない内に大まかな仕組みが把握できてしまいます。リゼロ本来の姿が見えてくると同時に「機械性能は素晴らしいけど、パチスロとして特別面白い方じゃない」との評価に落ち着く。現在のリゼロに対する評価まんまっすな。

気付いたから云々ではありません。知っているか知らないかだけの話。なので、誰でもいずれ必ずこの考えに至ります。むしろリゼロはよく持った方です。僕は5月の増台後には中身がバレて稼働が飛ぶと予想してました。現実は9月の増台まで高稼働を保った訳ですから、僕の想像以上にリゼロはポテンシャルのある機種だった、ということ。適正台数なら今でも間違いなく動いているでしょうね。

(初打ちの翌日, 導入1周目のデータが開示された直後のツイート。5.9号機と6号機を打ってきた人間ならば、リゼロの大まかな仕組みはすぐに気付いてしまいました。僕に限った話ではありません。新台を好んで打っているブロガーさんや知人も、データを見た瞬間に全く同じ結論へと至っています。いくら魅せ方が上手かろうと、遅かれ早かれ気付かれてしまう、しかもバレたら全く稼働しなくなる。リゼロの仕様は根本的にこの問題を抱えているんです)

SNSとバブル

リゼロはそのポテンシャルに反して初期台数が8000台と少なかったこともバブルを生む要因となりました。ただでさえ高ベースで初当たりが重い機種です。低設定でAT初当たりを2回取ろうとするだけでボーダーラインの3000回転を超えてきてしまう。

明らかに少ない台数と重い初当たり、純増8枚の画期的スペックと上記のやめさせないシステムが加わってSIS上で例を見ないほどの高い数値を叩き出しました。当時は「バジ絆超え!」なんて煽られてましたね。高稼働は続き、中古実機の値段も100万~200万まで大幅に上昇。

高稼働の裏には版権の力も少なからずあったと思います。まどマギ以降、萌え版権を好む客層は一定以上いますからね。数年前にやったアニメの出来も良かったし、なろうに行けば原作を無料で読めるのも良き。かくいう僕も原作ファンです。当時はリゼロの海外ファンが新規映像を見るために実機配信へ遊びに来る、な~んてこともありました。

大人気の様子はSNSやまとめブログを通じて発信されます。
「なんかリゼロって台がスゴイらしいぞ!?」と一般層に広まり、噂に違わぬ高性能を持っていたため更に人気が爆発。強ATならほぼ1箱半出ますし、高ベースなので箱が上に並びやすい。実際の差枚数はともかく「なんか出てるっぽい」雰囲気を醸し出しました。

このニュースを知ったお店の人たちは「6号機の未来はリゼロにある」と信じて投資し始めます。リゼロ島は赤字営業が当たり前、設定6は毎日入るのが日常茶飯事でした。根拠はSIS上の数字しかありません。正にバブル。人気は夏まで続いて増産に増産を繰り返し、今では7万台以上にまで膨れ上がりました。リゼロの仕組みが知れ渡った9月増台のタイミングで人気がガタ落ちし、バブル崩壊。完全に通路化して現在に至ります。説明しなくてもみんな知ってますよね。

(リゼロ大量増台のニュースを聞いた直後のボヤき。当時は「逆張りだ!」と叩かれましたが、まんま危惧した通りの未来になりました。こんなの理屈で考えればすぐにわかる話であって、誰も異論を唱えなかった方がおかしいんです。チューリップバブルと大差ありません)

設定示唆に対して思うこと

リゼロの成功と失敗の分析は結構意見の分かれる所があって、良く話題に上がるのが「設定示唆の出やすさ」だと思います。特に246円ね。
リゼロの影響で偶数設定や設定2以上が確定する演出がメーカー問わず非常に増えました。僕はこの傾向に対して否定的です。完全に無意味と断言してもいい。パチスロの醍醐味である設定判別の楽しさを著しく削いでしまう。


6号機は設定に忠実な動きをするイメージがあるので搭載する意図はわかります。しかし、節操なく示唆を出した所で最低設定が2にスイッチするだけです。
設定2を喜んで打つ層は果たしてどれぐらいいるのでしょうか? そんなに多くはないと思います。

以前から僕は言っていますが、『メイン機種は設定1でも戦える台』でなければなりません。もちろん設定1なので長期的に見れば客は必ず負けるんですが、少なくとも公平に戦える, ヒキさえあれば勝てると思わせることが大事。1"だけ"ではありません、1"でも"です。1だけ荒波じゃダメなんです。その手の台はバラエティの一角を彩る層であり、主流にはなりえません。青鬼とかね。

最低設定が2になるとどうなるか。お店が利益を取れません。だってリゼロの設定2って割が99%もあるもん。同じゲーム数であれば1の半分以下です。
んで、リゼロの設定6は113%と超ハイスペック。例え全台8000G回ると仮定しても、設定2を13台置いてようやく6を1台置ける程度にしか入れられません。これが設定1なら5台で済みます。この差は大きい。

しかも、リゼロは1と6が全く違うので丸わかりです。浅い所から強ATが出てきたら5, 6ほぼ否定と言っていいレベル。6は勝率も高いので決して空くことはありません。2は1と大差なし。有利区間継続の頻度や白鯨突破率を見れば一目瞭然です。下でも高設定っぽい挙動をすることもたまにありますが、3000Gも回せば判別が済みます。示唆も出まくるしね。

(ネットに上がっていたリゼロの全6グラフ。Aタイプのように細かく刻むグラフは誰が見てもすぐに理解できます。ジワジワ出たら5,6、それ以外は打つ価値なしで終了。示唆も豊富なので設定判別要素を考察する価値すらありません)

するとどうなるか。高設定だけが朝から晩までブン回されます。設定2はすぐ動かなくなります。イベ日でも6だけ8000G回って、2は3000Gが精一杯。1は論外。低設定の初当たりが重すぎるから気軽に打つ層が皆無。結果、平打ち層が消えて設定狙いの打ち手だけが残りました。

当然ながら設定6は入れられなくなります。じゃあ設定5と思っても、5は6の劣化版なので1や3と惑わせる使い方が出来ません。そこで白羽の矢が立ったのは割103%の設定4。仕方なくホールは2と4を中心に配分し始めます。

・・・そしたら誰も回さなくなったんですよね。リスクを負ってリゼロの4を狙うより、いつどこで打っても103%あるディスクアップを回す方が楽だもの。諦めたホールはオール2にして設定バブル終了。2は天井弱ATがあるから怖くて皆打たない。無抽選もあるしリセ後は誰も打ちたくない。めでたく通路の完成です。

設定を入れても6しか回されない。最低設定が2だから6を頻繁には入れられない。でも、6を入れなかったらそもそも他が動かない。4にしたら全台1Gも動かない。この悪循環がずっと続いています。

何故こんな面白くもない話を長々としたのか?
『この傾向が6号機全般に広がっているから』です。多少の差はあれど全部コレ。決して難しい話ではありません。ちょっと考えればすぐにわかる結末なのに、出る台出る台が全て同じ末路を辿っています。危機感を抱かない方がおかしい。

とはいえ、リゼロ自身の問題点として見れば別に普通です。こういう個性もあって良いよね~レベル。減点要素としては弱め。

結局は何も考えず後追いするメーカー達が悪い。あとはそれを求めるホール。ブラックトロフィーなんて作る暇があったら設定1でも戦える台を作ってください。エウレカ3は良い線いってますから、あんな感じで1~6の設定判別に最後までワクワク出来る機種を増やしてください。このままじゃP機に全部客を取られちゃいますぜ...早く気付いてくれ

(最近のP機は凄まじい。スピードも出玉性能も面白さも全て今の6号機より優秀。ヘソ賞球と継続率の緩和だけでここまで改善するのかと驚かされます。しょーもない設定示唆を考える暇があったら、隣にいる強力なライバルへ対抗するための方法を練って下さい。ゲーム性の面白さぐらいしか勝てるとこないでしょうに)

演出面について

パチスロとして見た場合、リゼロの演出面は別に普通です。むしろバランスは良い方かも。

プレ前兆~前兆~当否演出の流れは大都のお家芸ですし、チャンスアップや違和感がしっかり仕事します。ただちょっと仕事しすぎといいますか、当たりハズレがクソほどわかりやすいので前兆を楽しむ感じは薄め。前兆中に鬼アツが出たりBGMが変化したりして、後は回すだけ~みたいな。5.5星矢と同じタイプですね。

僕はもう少し期待度を分散させた方が好きですが、ほぼ完全告知で裏切られることが少ないためストレスは感じません。良し悪しではなく好みの範疇。

(クソほどCUが来るので当たる前に大体わかります)

通常時のカスタムもキッチリ完備。楽曲もアニメ版のOP, EDをしっかり収録。エピソードボーナス中の新規映像も原作ファンには嬉しい要素。版権物の扱い方としては十分合格点だと思います。

(エピボ中の新規映像はどちらも非常に良かったです)

ただ、原作ファンとしてあえて言わせて下さい。なんか...なんか違うんすよ。こうじゃないんだよ。
リゼロの原作はラノベ(というか、なろう)なので別にそんな高尚な物でもないんですが、もうちょっとストーリー重視なんですよね。主人公達の成長や戦いを描く作品といいますか...少なくともスロット版のようにキャラの可愛さを前面に押し出す感じではない。どうしても違和感があります。

例えば主人公のスバル。原作の彼は性格に相当難があって不快な言動も多いんですが、スロット版はそれらを全カット。ただの捕鯨少年と化しました。
メインヒロインのエミリアは期待度低め(作画も悪め)で一番人気のレムを大幅優遇。打った人は絶対勘違いするでしょこんなん。

あと、時系列がおかしい。期待度3のペテルギウスはアニメのラスボスであり、スバルが改心した後のお話です。時系列で言えば白鯨よりも後。
それなのにペテルギウスを倒してから白鯨戦に突入するという意味不明な流れになっています。いやいやいや。
おかげでスロットを打ってもリゼロの世界観がちっとも伝わってきません。ストーリー紹介に至ってはED中に紙芝居でダイジェストするだけ。黒神かよ。

(スロ版は何かとレム推しです。アニメ版のラスボスを差し置いて、何故か期待度4の演出に抜擢。青いのに。しかも最序盤。時系列が逆なせいで、さっきまで「スバルくん好き好き」言ってた子が急にモーニングスターで殴り始めます。そしてメインヒロインのエミリアは空気。大都のセンスは謎)

(白鯨が3体って所で閃いたのはわかりますが、CZが白鯨攻略戦しかないせいで時系列がメチャクチャになっています。捕鯨アニメと勘違いするでしょこんなん)

(ペテルギウスはアニメのラスボスなので、本来ならばこちらが一番盛り上がる所です。それこそCZ中のボスをペテルギウスにしても良かったはず。ちょうど指先って都合のいい設定もあることだしさ。基礎継続率の高い上位CZをペテ戦にして、ペテ前兆のみ上位CZに行く+高設定ほど来やすいってした方が良かったのではなかろうか。上のスバルがかっこいいシーンをスロで見たかったよ...)

ま、所詮パチスロですし、わざわざ目くじらを立てるほどの欠点ではありません。僕もリゼロをスロに落とし込めと言われたらこんな感じで作る気がします。レム自体は割と好きなキャラですからね。ただ、当時リゼロは『若いスタッフが作った原作愛に溢れた台』だとされていたんですよ。どこがやねん。

一言で表すならパッションが足りない。サザンアイズで見せた情熱が欠片も感じられません。アニメ版を全部観た後、スロで使えそうなシーンを手堅く配分しただけにしか見えない。大都にしては割と手抜き。

高い性能と引き換えに失ったパチスロらしさ

リゼロという台は6号機の限界から逆算して作られています。出玉試験のギリギリを攻めるために、禁じ手の"無抽選とデキレ"を徹底活用。パチスロにおいて最も大切な部分を完全にスポイルしてしまいました。

それらの詳細について今更語るまでもないでしょう。何なら出玉試験編の後半を読んでください。無抽選区間にデキレ白鯨, 決められた枚数で終わるATと明かされない解析。一度疑い始めたら止まりません。何も信用できなくなる。

先ほど「レア役でCZの突破率を上げる仕組みは良い」と書きました。けどね、コイツ嘘つくんですよ。高設定だと明らかに表記の継続率よりも勝ちます。しかも白鯨中の抽選も未だに良く分からない。"開始画面のレバオンで勝利抽選"と大都は言ってますが、実際の所は完全ブラックボックスです。下手すると有利区間移行時に最初から全ての流れは決まっているのかもしれない...誰だってそう疑ってしまう。

当たるゲーム数も勝敗も出玉も全て決められていると気づいた瞬間、打ち手は一気に冷めます。通常時のレア役は無意味, 撃破率は嘘ばっかり, AT初期平均100Gも大嘘, AT中の出玉フラグであるボーナスとパネル抜きも台のご機嫌次第。唯一のヒキ要素である強チェリーも819分の1と重すぎて引ける気がしない。フリーズに至っては20万分の1。

レバオンに意味を見出せないのであれば、それは『パチスロと良く似た何か』でしかない。リゼロ最大の問題点はソコです。だからこそ単調になる。だからこそ飽きが早い。

(まだ二体目なのにAT直行。表記の継続率よりも明らかに高い勝率。弱ATからの区間継続⇒早い当たり+弱ATのループ。AT中も図ったかのように平均枚数で落ち着く。全てが出来レースだと気付くと、ありとあらゆる全てに冷めてしまう。パチスロとしての根本が欠けているからこそ、リゼロは半年で飽きられたんです)

とは言え、それらの欠点は高い機械性能を実現するために搭載せざるを得なかったものであり、出玉試験の仕組みを把握していなければなかなか気づけません。バレるまでが勝負

リゼロの初期出荷台数は8000台と少なかったことからも、大都がこの致命的欠点を把握していたことが伺えます。画期的なスペックだからウケるはずだけど、大量に導入して仕組みがすぐバレたら大惨事。直前に星矢SPが失敗していましたし、あえて少数台で様子見しつつ解析を小出しにするのが最も手堅いと判断したのでしょう。あくまでも個人的見解ですけどね。

例えるならリゼロは6号機におけるエナジードリンクのようなもの。モンエナはたまに飲むから美味しいのであって、毎日大量に飲んだら文字通り死にます。そして、現在パチスロ業界はモンエナの飲みすぎで瀕死状態です。そりゃそうだろ...飲む前に気付くよ普通

その他の細かい欠点

残った気になる点を少しだけ。

リゼロはハイエナ性能が高すぎます。初当たりが重いのもさることながら、出玉試験の都合上ハマればハマるほどAT性能が高くなるのもデカい。ザックリ説明するとリゼロは設定2を0Gから打った場合, 当たったゲーム数+400枚しか浮きません。200Gのゾーンだと平均600~700枚, 500のゾーンだと平均900~1000枚, 天井からだと平均1200枚といった具合。あくまでも強ATと弱ATの振り分けを合算した平均の話ね。

246円があるのでリゼロの基本設定は2です。すると、無抽選区間の200Gを避けることは初当たりを軽くすることだけでなく、ATの期待枚数を200枚底上げする結果にもなるんです。よって、期待値が跳ね上がります。

リゼロが200Gから機械割110%あるとされてしまうのはこれらの相乗効果が理由。だからこそハイエナが蔓延して、0G or 32,33Gヤメが多発した訳で。もっと言えば、浅い所からは弱ATばっかりだから2400枚がほぼ出せない。誰が0Gから回すんだ?って話。そりゃ稼働も飛ぶよ。

(リゼロのハイエナは非常に単純かつ効果的です。誰でも出来ます。当時はメチャクチャお世話になりました。弱ATの仕様も含めリゼロタイプは全てこの欠陥を抱えており、ハイエナ台にならざるを得ないんです。0Gヤメが多発するのも致し方なし)

あとは無駄引きポイントがちょこちょこあるのも気になるかな。例えば本前兆中の強チェリー。一応撃破ストックの抽選をしているらしいですが、ほぼ無駄です。普通に1戦目で負けます。

他に代表的なのはCZ当選時の900~995pt。あとほんの少しでアイコンを貰えたはずなのに、CZに当選してしまうと白アイコン(大抵1~2%UP)に変換されてしまいます。995ptでも無慈悲、極稀に撃破アイコンを貰えますが、ちょっと納得いかない仕様です。せめて現実的な確率で青アイコンぐらいは欲しかったよ...

(リゼロあるある。大体白くされます)

(たまーに撃破アイコンをくれますが極めて稀です。この時は普通に負けました)

なにより一番気になるのは抽選がブラックボックスな点でしょう。リゼロは肝心な部分の解析が何一つ明かされていません。あってもなくても結局デキレと言われればそれまでですが、知った上で打てば違った楽しみ方も見えてくるはずです。設定云々は抜きにしてね。

(こういった抽選をしていると主張されても、内部がわからなければ何の意味もありません。ただでさえデキレなのに)

実は、リゼロの内部解析を関係者がリークした商材が一時期出回っていました。モード移行率や白鯨中の内部抽選その他が全て書かれた、文字通り虎の巻だったそうな。

噂によると弱ATと強ATはランクで管理されており、有利区間の継続やモードその他の細かい抽選によって上がったり下がったりするとかなんとか。僕は手に入れられなかったので詳しい内容は知りませんけどね。

(真偽は定かではありませんが、入手した人たちの反応を見ると信憑性の高い情報だったようです。いつか公式に解析が発表されて、リゼロで違った楽しみ方をする日が来るかも...? 気長に待つしかありません)

総評

これにてリゼロ編は終了です。冗長な上にわかりきった話が大半なので、あんまり面白くなかったかもしれません。レビューというよりは備忘録の方が近いかな。導入から1年を迎えるタイミングで、リゼロの功罪も含めて当時の記憶と気持ちを書き留めておきたかった。

リゼロの80点(★4)高ベースAT機における実質的な最高評価です。この企画は"導入された当時における画期性と完成度"も採点基準に入るため、たとえ後発の方が優れていても先発より点は落とします。台の面白さだけを単純比較するなら後の台が有利なのは当たり前ですからね。

例えばHEY 鏡なんかは最初期と思えない完成度の高さを評価して85点としましたが、6号機が増えた今となっては至って普通です。単純比較なら75点って所かな。その辺は仕方がありません。

この50~80点付近のレンジが高ベースAT機の機械的限界となります。その中でリゼロは高ベースAT機の到達点ともいえる素晴らしい性能と完成度を見せつけました。数々の致命的欠点はあれど、その画期性とを考えれば高得点を付けない理由が見当たりません。

・・・あれ? チェンクロは? と思うかもしれませんが、チェンクロは低ベース機なので別枠です。どの店でも設定やゲーム数を気にせず打てて, 初当たりも軽めで出玉性能も良好, 無抽選とデキレがなくて, その上ゲーム性も面白い台がコイツしかいないってだけ。6.1号機になって低ベース枠にライバルが増えますから、その時に真価を問われることになりそうですね。ワクワクしながら待ちましょう!

おそ松さん  ~驚~


メーカー: D-light (ダイイチ)
導入日: 2019年 3月4日
評価: ★(★1)
点数: 54点

良い点
・おそ松さん版権の台でようやく液晶がついた
・純増5枚でほぼノンストップに完走する可能性が一応ある
・気合を入れて作ったことだけは伝わってくる

悪い点
・それ以外全部
・純増5枚ノンストップをウリにしておきながら、そうなる確率はフリーズ並に薄い
・6号機最速を謳ったくせに出る前からリゼロに全ての要素で負けている
・初当たりがほぼREG(AT10G。平均50枚)なのに減算区間が100Gと長い
・しかもボーナス準備中にベルナビを出さない。メッチャ減る
・基本的に滞在するモードAからの天国移行率が設定1だと19%しかない
・天国は80%ループではあるが、32G以内に当たる振り分けは70%しかなく残りの30%は33~99Gまで引っ張られる
・天国ループ中も結構REGが飛んでくる。体感3~4割ぐらい
・BIGも225枚しか増えないのでトータル純増はもっと低い
・天井も深いため、有利区間1500G到達時に2400枚完走が出来ないことも多い
・32G以内にBIGを6連させると完走が見込めるゲーム性なのだが、天国ループしても後半の振り分けだと0回にリセットされる
・REGだと回数は現状維持で加算されない
・1G連やBIG昇格の厳しすぎる数値
・引き戻しゾーン中のレア役でのボーナス当選率の低さ
・天国連での出玉には全く期待できず、大きく勝つためにはトト子ゾーン(突入率4548分の1)が必須
・トト子ゾーン中に揃いフラグを引いてもストックしないことがある
・ゲーム数解除のゾーンとCZと高確率が交互に来る嫌らしい通常時
・通常時のレア役からボーナスに当選する確率が低い
・頻繁に入るくせに全く期待できないCZ
・おそ松チャンスがプレミアCZのくせにクリア困難
・天井恩恵で釣っておきながら直前に強力なストッパーを用意するケチくささ
・演出のクオリティ自体は悪くないのだが、パロディまみれでどことなく不快
・台は盛り上がっているのに客は完全に冷めているため温度差がスゴイ
・変則押し時のリール出目がクッソ汚い
・実質的な初当たり確率が非常に重く、気軽に遊べない
・加えて抽選方式やゲーム性がわかりづらく、ターゲットとなるライトな女性客層のニーズに全く合っていない
・ありとあらゆる要素が斜め下へ突き進んでおり、熱意が空回りしている

2019年  個人的ワースト3の一角

遂に来ました、おそ松さん
個人的 2019年3大ワースト機種の一つです。点数は54点。評価は勿論最低の★1。文句なしのクソ台です。

僕は基本的に良い所を探して楽しむタイプなので、クソ台評価は滅多に下しません。殆どの台を積極的に褒めます。じゃあ褒める所が何も無かったら?  あるいは数少ないオモシロポイントを掻き消す程にダメダメ要素が満載だったら?  そうだね、クソ台だね。仕方ないね。

おそ松さんは僕が匙を投げた数少ない6号機です。2019年は全部で3台。どうしてこうなった、何故こんな物が出来上がったと本気で頭を抱えた機種にのみ★1評価を付けました。これから『いかにおそ松さんが酷い台なのか』を事細かく説明します。

興味を持たれた方は、5スロでいいから是非一度打ってみて下さい。その上で面白い所を僕の代わりに見つけてください!  そして後から僕に教えてください!!  違った楽しみ方を知ることで台への評価が180°変わることも少なくありませんからね。 ご意見お待ちしております!

おそ松さん ~驚~ を頑張って褒めてみよう

おそ松さんのスロットとして初めて液晶が付きました。あれだけの一大ブームを起こした版権です、原作ファンにとって待望の瞬間だったはず。

液晶演出も単品で見れば決して悪くはありません。原作アニメの映像をしっかり使いつつ、収まりきらない分はREG中にダイジェストで紹介する。人気機種のパロディを駆使しながら、おそ松さんらしいナンセンスギャグの雰囲気をキッチリ再現。開発チームの原作愛そのものは、ひょっとするとリゼロより上かもしれません。

(原作の雰囲気そのものは良く再現できていると思います)

AT純増を5枚に設定して6号機のメリットを生かした点も十分評価できます。非常に狭き門ですが、ノンストップでの2400枚完走も不可能ではない。同日に全てにおいて上回っているリゼロが導入されていなければ、もう少し存在感を示せたかもしれません。機械性能だけで見れば、合格ラインである65点の水準を上回っています。

・・・良い所終わり!

数少ない長所を全て台無しにする、大量のダメ要素

なんと3つも良い所がありました!!  ★1機種としては驚異的な数字です。おかげでおそ松さんはワースト3位で済んでいます。ちなみにドベ2は面白い所が1個だけ、最下位に至っては何一つ褒める所がありません。加点方式の当企画において、長所がなければ必然的に点数は低くなります。その上で多数の欠点がある機種のみ、★1のクソ台評価を受けられるんです。なかなか真似出来るものではありません。

上の良い点, 悪い点を見れば一目瞭然ですがおそ松さんはダメな所しかありません。それぞれの項目についてツッコミを入れていきましょう!

純増5枚ノンストップ一撃フラグ搭載!という誇大広告

おそ松さんは大嘘つきです。純増5枚ノンストップATの出玉スピードをウリにしていながら、実際にその挙動をすることは殆どありません。なぜなら、そのトリガーであるSUPERおそMAXさんボーナスは『BIGが32G以内に6連した時』にしか入らないからです。


そもそも正規ルートでBIGを32G以内に6連させること自体が奇跡なんですが、仮に出来たとしましょう。
僕の実践上、32G以内でBIGに当選する時の平均前兆は24Gってとこです。準備中が5~6Gほどかかるので、一度の連チャンに30Gの通常時を使うと仮定できます。BIGは純増5枚で45Gなので平均225枚獲得。

よって、BIGが天国ループで6連した時は
消化ゲーム数⇒ (30G + 45G) × 6 = 450G
獲得枚数⇒ (225枚 - 30枚) × 6 = 1170枚
平均純増⇒ 1170枚 ÷ 450G = 2.6枚/G
となります。理想的パターンでコレだからね。

ここからSUPERおそMAXさんボーナスに移行しますが、1G連と言いながら準備中を挟むので実質純増は (225枚 - 5枚) ÷ (45G + 5G) = 4.4枚/G。
完走までに使うゲーム数は1230枚 ÷ 4.4枚 = 280G。

これら全てをトータルすると
おそ松さんの理想的2400枚完走パターンは"消化G数 730G, トータル純増3.3枚"となります。全然純増5枚ないやん。30分で2400枚出てないやん。1時間弱かかっとりますがな。

リゼロが本当に純増8枚ノンストップで完走するのと比べて雲泥の差です。しかも、上の数値って全てが完璧に上手く行った限界値の話ですからね。実際は天国後半までひっぱられたりREGが出てきたりするので、平均純増は1.7枚ってとこ。一番のウリで嘘をつくのはイカンでしょ、ダイイチくんさぁ...

(当時の営業資料。嘘ばっかり)

長すぎる減算区間とナビを出さない驚愕の準備中

おそ松さんの初当たりはほぼバケです。設定差はありますが、普段の初当たりは98%ぐらいREGが選択されます。しかも、純増5枚でたったの10G。50枚しか貰えません。

(10Gてアンタ)

そのくせ減算区間は100Gもあります。ボーナスを当てたにも関わらず、打ち手はほぼ間違いなく追加投資させられる訳です。

『初当たりの出玉が減算区間でマイナスになってはならない』
おそ松さんは6号機において最も大切な前提条件を満たしていません。当然ながら減点対象です。
更にヤバいのが"この台はなかなか天国に飛ばない"って所。基本的に滞在するモードAからは設定1だと19.6%しか天国に移行しません。よっておそ松さんは『初当たりの8割近くが"ボーナスを当てたのに収支がマイナス"』というトンでもない状況に陥るんですよ!!

(バケ50枚なのに長すぎ。自力で戻せる分 LOV Re:のがまだマシです)

更に更に頭おかしいポイントが一つ。この台はボーナス準備中にベルナビが一切出ません。余裕で減ります。もっと言えば7揃いがリプではなく内部的にハズレのこともあるのでボーナス開始から既に減っています。他の台だったらせめて現状維持はさせてくれますよ。狂気の沙汰だろコレ...

(準備中のベルナビなんて概念はおそ松さんに存在しません)

しかも、天国の期待値はせいぜい600枚ぐらい。初当たり確率300分の1なのに9割以上が50枚のバケ。引き戻しゾーンが100Gもある上にモードAからの天国移行率は20%を切る。天国に行ったとしてもトータル純増は1.7枚程度と遅めで、5連してようやく600枚が出るかどうか。こんな台を一体誰が打つんでしょうか?  

悪意に満ちた引き戻しゾーンの仕様

おそ松さんの天国モードは80%でループするらしいんですが、32G以内に当たるのは7割だけで残りの3割は後半まで引っ張られます。んで、この3割を引くと"天国ループしていてもおそMAX抽選が0にリセット"されます。作ってておかしいと思わなかったの?

(右に表示されたカウンターも32Gを過ぎると儚く消えていきます。んで、そのすぐ後に天国後半からボナ告知。当然ながらカウンターは0。あのさぁ...)

天国中のBIG比率を高めに見積もって7割と仮定した場合、天国ループの正規ルートでおそMAXに到達するためには40%を6連させなければならない。その確率、なんと"0.4%"。無理じゃん!!

渋すぎるボーナス中の抽選数値

おそ松さんはBIG中に1G連の抽選を行っています。その期待度は驚愕の"10%"
最も期待できる強チェリー(設定1で395分の1)ですら20%でしかストックしません。強チャンス目を引いてもたったの12.5%。他は数%の世界なのでレア役での自力連チャンは殆ど見込めない。

また、BIG中はリプレイとハズレが成立した回数に応じて1G連ストックの抽選も行っています。ただし、現実的に期待できるのは合計25回成立(25%)からであり、それ以下は完全に空気です。そもそも45GしかないBIG中にリプとハズレ(合算約5分の1)を25回も引くこと自体がほぼ不可能ではなかろうか? 

(奇跡的に1G連すると椅子から転げ落ちそうになります)

REG中は上記とほぼ同じ数値でBIGへの昇格抽選が行われます。ちなみに10G間でリプとハズレを7回成立させれば昇格確定です。無理に決まってんだろ。

トト子ゾーン

天国ループと1G連でのおそMAXは現実的ではありません。じゃあどうすりゃ良いのか?と問われて登場するのが『トト子ゾーン』です。


トト子ゾーンは引き戻し区間の後半でボーナスに当選した際の一部で突入するST式上乗せ特化ゾーン。突入時点でBIG1回は確定。10G以内に六つ子カットインが揃えばBIGを1個ストック+G数を巻き戻し! 継続率50%, 突入率は約4500分の1で期待値1000枚オーバーとなっております。

おそ松さんで一撃出玉を伸ばすにはトト子ゾーンを引くしかありません。というか、ここで事故らせる以外におそMAXへ到達するルートがほぼ存在しません。トト子ゾーンでBIGを6個ストックするとおそMAXボーナスへ強制的に移行し、本当に純増5枚弱でノンストップ完走します。6個は無理でも3個ストックできれば上等。おそMAX到達が現実的に見えてきます。

(トト子ゾーンで事故らせる以外におそ松さんで勝つ術はありません。ちなみにベルナビは出ます)

高純増ノンストップATがおそ松さん本来の魅力だとするならば、4500分の1のトト子ゾーンを引くことがおそ松さんにおける実質的な初当たりとなってしまう訳です。流石に重すぎるだろ...

んで、このトト子ゾーンですが下の画像をご覧ください。

(ナビなし時に逆押しで六つ子揃い。当然ストック無し)

・・・ダイイチくんさぁ、どうしてこういうことするの?

いや、理屈はわかりますよ?? ハズレ=六つ子揃いフラグで上乗せの抽選をして、当選した時にカットインが出てるだけ。わかるけどさ...ST式の特化ゾーンなんだからフラグを引いたら必ず揃えさせてくださいよ。カットインを出すかどうかが台のご機嫌次第となったら、ST中の自力感が全て無くなってしまうじゃないですか。開発した人センスなさすぎでしょ。

もう一つヤバいのは『天国滞在中はトト子ゾーンに突入するのがほぼ不可能』だという点です。トト子ゾーンのメイン突入契機は六つ子揃いの50%なんですが、揃う確率は内部モードによって管理されていて一番高い引き戻しモードB(非天国)のみ123分の1。それ以外は全モード数千分の1レベルの確率でしか揃いません。要するに連チャン中はほぼ突入しないってことです。

トト子チャンスのモードBへは初当たり時の18%で移行。抜け後の33~99Gの約70G間で246分の1(123分の1の50%)を引ければ勝ち。引けなきゃさようなら。なんか違う気がするんよなぁ...

(トト子 & にゃーステージだと引き戻しB濃厚。ここで246分の1を引くことが最も大切です)

僕がおそ松さんをクソ台だと判断した一番の要因はこのトト子ゾーンだったりします。機械性能だけならおそ松さんはまこ2より上なのに、どうして総合評価では下なのか。
まこ2も確かにダメ台ですが、こっちは王道ルートから出すビジョンがまだ見えるんですよ。大器晩成シナリオで上手くストックを取るとか, 高シナリオを引いて継続率で突破していくとか。ダメテーブルだったとしても特化ゾーンでVストックを重ねてゴリ押しするとか、そういう風にね。

けれども、おそ松さんは違う。天国ループでおそMAXに到達することが実質的に不可能なので、一撃出玉を狙うためには一日に1回引けるかどうかの重い特化ゾーンを引くしか道がありません。メインルートは完全に飾り。

『王道ルートがキチンと機能しているか否か』という部分は僕の中で結構重要なポイントです。「駆け抜け時の一部で入る救済特化ゾーンを引かなきゃ勝てない」とか「通常ATは基本ゴミ性能で、突入時の一部で入るプレミア状態でしか完走が見込めない」といった"邪道が王道にまさるタイプの台"は評価を低くする傾向があります。

もちろん、少し前の平オリ台のように一周回って救済特化を引くことが王道の出し方になっていれば話は別です。あるいは初見だと勘違いしやすいだけで、実際の王道ルートが別に用意されている台なども減点対象にはしません。鉄拳4なんかが代表例ですね。

おそ松さんは王道ルートの天国ループでは本来の魅力を全く味わえません。4500分の1の特化ゾーンに入れて、50%を3回も継続させて初めて面白く感じられる台を高評価しろって方が無理なもんです。しかも、その特化ゾーンすら魅せ方がヘタクソすぎてレバーに力が全くこもらない。一体どこを楽しめってんだよ...

(初回ボナで600Gほどハマっていると完走してもこんなもんです。しかも途中でトト子ゾーンからおそMAXに入れてコレ。王道の天国ループだけで完走したら言うまでもありません。まあ、この問題はおそ松さんに限った話ではないですけどね。それでも誇大広告はどうかと思うよ...)

なにかと酷い通常時

出玉やゲーム性に対するツッコミは殆ど終わったので通常時について紹介。

おそ松さんの通常時はゲーム数解除のゾーンとCZの高確のゾーンが交互に来るゲーム性になっているのですが、これが非常に不快です。営業資料では「滞在中の9割がチャンスとなっていて遊技を促進!」みたいに書いてますけど、9割もチャンスにしたら1個1個の期待度が薄くなって結局は全部ノーチャンスになってしまう。

(当時の営業資料その2。逆に言えば座ってる時間の90%も煽られるってこと。イライラしかせんわ)

特にCZのO-STOPは酷い。O-STOPは期待度低めのCZなんですが、外した際は25%で前兆を介して引き戻します。しかも、引き戻し後は上位のランクが選ばれるせいで打ち手は確認せざるをえない。引き戻しのCZが終わった頃には次のゲーム数解除のゾーンがやってきて、辞めるに辞められません。一度打ったらわかりますが、非常にイライラさせられます。天下布武4と全く同じですね。「回さなきゃ損やで!」と常に主張してくる台はハッキリ言って不愉快なんです。当たっても50枚しか貰えんしね。もう少し上手に作ってください

(この酷さは打てばすぐわかります)

ちなみに通常時のレア役でボーナスの直撃抽選も行っているんですが、最も期待できる強チェリーですら10%なのでお察しです。あってないようなもの。メインはあくまでもゲーム数からの当選です。だから余計にO-STOPにイラつくっていう。

もう一つ目に付く点といえば天井恩恵。この台は1000G(引き戻しの100G+通常900G)でF6と呼ばれる特化ゾーンに突入。ここを生かせれば残り少ない有利区間でもノンストップ完走を目指せるため叩き所!...と言いたい所ですが、そうは問屋が卸しません。お察しの通り強力な天井ストッパーが搭載されています。

800Gを超えるのがモードA時の3.2%しかないのは勿論のこと、直後の850GでCZ高確へ移行するのが嫌らしい。万が一避けても900Gで半分は脱落、残った半分も950GのCZ高確によってギリギリまで邪魔されます。実質の到達率は想像するまでもありません。スカガ3と同レベルのはず。それなら2400枚が確定するスカガを打つっての!!

(天井恩恵を餌にしてストッパーで殺すケチ臭さがみっともない。しかも大した性能じゃないという。画像は拾い物)

あと、プレミアCZとして『おそ松チャンス』があるんですが、これも結構な無理ゲーです。突入時点でボーナスは確定し, 成立役に応じて獲得したポイントに応じて成否を決めるCZであり、ベル入賞やレア役成立, ハズレやリプレイの10%で1pt以上を獲得。10Gで5pt貯めれば初当たりがBIG以上(天国移行も確定)、6pt貯めたらBIG3連以上が確定する神松ボーナスに突入します。

(滅多に入らんくせに大したことありません)

10Gしかないのでレア役や10分の1, ベルの押し順エスパー連続で成功させられる天才しかクリア不可能。しかも神松ボーナスはBIG3回+天国を貰えるだけなので、見た目に反して期待枚数はたったの1000枚。色々どうかと思うよホント。

演出面について

通常時の演出は"おそ松さん"として見れば十分な出来ですが、"パチスロ"として見ると正直微妙です。煽りもキツいし演出バランスも悪い、更には他社のパロディが多すぎて段々うんざりしてきます。

(他社パロばっかりなので、笑えるのは最初だけです)

ちょっと変な話なんですが、もしもスロ版のパロディ演出が"おそ松さんのアニメ本編"で流れてたら僕は笑えたかもしれません。"アニメとしての面白さ"とパチスロで使われる"演出としての面白さ"は全く異なるってこと。この台はソコを履き違えているせいで、打ち手と台の間に妙な温度差が出来ているように感じます。気になるのはそんぐらい。

雑なリール制御とその他諸々

この台のリール制御はです。変則押しすると強チェリーみたいな出目が止まったり、上段にリプレイが揃ってベルこぼしだったりします。あまりに汚いので変則打ちする気が失せます。少しはリゼロを見習ってください。

(※ ベルこぼしです)

あと、おそ松さんのファン層って女性が多いと思うんですけど、その人達の中の一体何人がホールに足を運んでスロットを打ってくれるのでしょうか? スロットに慣れていない方が多そうですし、初心者でも楽しめるような遊びやすいスペックに仕上げるべきだったのでは...?  この台、完全に真逆だと思うんですけど。

変に一撃性能が高いせいでリスクリターンのバランスが悪い。天国移行を初当たりと考えると実質800~1000分の1程度となってマッタリ遊べない。こんな尖ったスペックで出す価値はあったんですかね。低継続率の2400発+小当たりラッシュという誰得スペックで出したパチンコ版と同じく、客層のニーズを完全に読み違えています。一体何がしたかったのか。

総評

この台に対して言いたいことは全て書ききったし、もう十分でしょう。褒める所がたった3つしかなく, ダメな所は両手に収まりきらないほど多い。クソ台と呼ぶより他ありません

けれども、恐ろしいことに残り二つのワースト機種と比べたらおそ松さんはまだマシです。ちゃんと一撃は出ますし、6号機のメリットを生かしてスペック面で勝負しています。演出や内部抽選そのものにも手抜きは一切感じられません。ダイイチが本気の本気で開発したことだけはヒシヒシと伝わってきます。

ただ、それ故に罪深く見えてしまうんですよね。本気を出せば出すほどチグハグな台に仕上がる姿は最近のダイイチを象徴するかのようです。ダイイチは決して開発する能力が低い訳ではありません。ギルティギアやマジェプリなんかは尖った性能を持つ素晴らしい台でした。ギルティギアとか冗談抜きで神台だと僕は思ってますからね。本来はああいう面白い台を作れるんですよ、D-lightって。信奈も結構面白かったしさ。ガルガンティアは酷かったけど。

(パチスロ  ギルティギア。バランスはピーキーですが、スロットとしても原作ファンとしても十分満足できる良台でした。僕の初万枚機種でもあります)

ダイイチって割とB級なイメージがありますけども、良かった頃のダイイチは「本気でトップを取りに行こうとしたけどちょっとズレてた」からこそ面白い台が作れていたと思うんです。今は「俺たちは所詮B級だから正攻法じゃ勝てない。あえて尖ったものを作ろう」として空回りしているような...B級って狙うものじゃなくて自然となってしまうものだと思うですが、どうでしょうか。

ここ数年間全くヒット機種を作れず迷走に迷走を重ねているダイイチですが、最近導入されたPひぐらしは中々評判も良く、回復の兆しが少しだけ見えてきたように思います。毒キノコ筐体とP浜崎あゆみを見た時は、マジでコイツ等もう救いようがないと本気で失望したけどね...なんにせよ良い台を出してくれるのなら万々歳です。

Youtubeでしょーもない動画を作ったりTwitterでどうでもいいアンケートを取る暇があったら、さっさと昔の自分を思い出してください。加速装置の頃のダイイチは輝いてたよ...マジで頼むよ、ホント。

ザクザク七福神



メーカー: 山佐
導入日: 2019年 3月18日
評価: ★★★(★3)
点数: 71点

良い点
・6号機では珍しいRT連チャンが主体となったA+RT機
・(公表値を信じるなら)遊びやすいスペック
・BIGの50%で突入するCT(最大100GのRT)が面白い
・リール下のセグに表示される滑りコマ数と出目の法則崩れでボーナスをいち早く察知できる
・ベル重複がメイン、かつ初当たりが軽めなので期待感を持ちやすい(はず)
・例え察知が出来なくともテトラリールや左のランプを見ながら楽しめる
・ノーマル機として純粋に面白い
・るら坊さんの書いたキャラが可愛い

悪い点
・スペック詐称疑惑
・公表値と比べて異様に偏るバケ比率
・地味に難しい目押し

スペック詐称を差し引いても面白いと思える一台

曰くつきとなってホールからスッカリ姿を消したザク七ですが、久々に打つとやっぱり面白かったです。ボーナス枚数は確かに少ないけれど、初当たりは軽いしCTでの連チャンがあるから気にならない。多彩な演出を活かすためにベル重複をメインにしたのも好印象。るら坊さんデザインのかわいいキャラクターも魅力的だし、6号機A+RT機としては非常に良い出来です。スペック詐称を除いてな!!

単純に導入が少なかった上に詐称問題が絡んだせいで、近所の店からは一瞬で撤去されてしまいました。トータルだと1万ゲームも回せてないんじゃないかな?  打ち込みは全く足りていません。おかげで頓珍漢なことを言うかも知れないけど許してね...

(短命に終わってしまいましたが、色々割り切れば非常に面白い台です)

6号機では珍しいRT主体のゲーム性

ザクザク七福神の魅力と言えば何と言ってもCT(チャンスタイム)です。BIGの50%で突入し、最大100G継続する純増0.2枚のRTとなっています。しかも凄いのは"CT中にボーナスを引くとBIG,REGを問わずRTが100G再セットされる"という点! 設定1でもボーナス確率は99分の1なのでヤレる感しかありません。分母内にボナを引き続ければ一生終わらないからな!!(有利区間はあるけど)

(至福の瞬間)

CT中は技術介入が必要です。前半の77G内にベルが4回入賞するとパンクしてしまうので、右中リールを逆押し後に左リール中下段へ赤7を目押しし、ベルを外しながらCTを延命させていきます。ベル外しとは言いつつも4号機と違ってザク七のCTはただのRTなので、停止形は違えどしっかり9枚が払い出されるので安心。ベル4回入賞で有利区間から転落するからRT維持リプのナビがなくなるってだけね。

(ベル外しの停止形はコチラ。2コマ目押しなので意外と簡単です。ちなみに青7でも出来ますが、その場合は完全ビタとなるので注意)

CTは保証区間~維持区間~ご褒美タイムの3部構成となっており、技術介入が必要なのは維持区間だけです。CTはまず保証区間から始まり、この間にベルが3回入賞すると維持区間へ移行。維持区間中に77G目を迎えるとご褒美タイムへ突入し、残りの23Gは目押し不要で消化することが出来ます。

保証区間中は基本的に順押しでベルを入賞させるんですが、実はあえてベルを外すこともできます。「それ意味あるの?」と思われるかも知れませんが、僕みたいな目押しヘタクソ人間にとってはメチャクチャ重要です。なぜなら目押し失敗の猶予が3回貰える訳だからね。安心感が桁違い。

ただし、保証区間中は一部抽選が冷遇されています。維持区間中にBIGが成立するとボーナス中の二択9枚役をナビしてくれますが、保証区間中は通常時と同じくビタ押しが必須です。また、保証区間中に77Gへ到達するとご褒美タイムへ突入せずCTがパンクしてしまうので、少なくとも77G到達前にはベルを3回入賞させて維持区間へ移行させなければなりません。

(ちなみに左の散切りランプが光ると1枚役成立の示唆となります。この1枚役を入賞させてもRTがパンクしてしまうので、黒BAR狙い等で回避しましょう)

このゲーム性にボーナス当選でのCTループを絡ませるのが非常に面白い! ザク七のボーナスはベル重複がメインなので、『ベル外し成功→次Gで演出発生→第3停止で全消灯してボーナス確定!』といった展開や『RT維持ナビ発生→ナビ付なのにベル→矛盾でボーナス確定!』なんて瞬間が頻繁に来るんですよ!! これが気持ちいいってのなんの。

単独成立メインではこうもいきません。CTでの連チャンがメインのゲーム性だからこそ、あえてベルを主要なボーナス契機にする。チェリーやスイカにも多少の期待を残しつつ、不意に来る1枚役重複や確定役でズドンと決める。この辺のバランス感覚は流石ヤマサって感じ。

保証区間をどこまで伸ばすべきか、維持区間にいつ移行させるのが最良か。自分の腕と相談して目押しを楽しみ、小役と演出に一喜一憂しながら法則を覚えていく。RT連チャンを主体としたA+RT機の中でもゲーム性はトップクラスに面白いと思います。この点に関しては文句なし!

(ベルは通常ベルとチャンスベルの2種類あり、ボーナス期待度が高いのは後者となります。滑りベルはチャンスベルの示唆となります。滑りベルからのボナ重複いいよね...)

スペック詐称問題

この良質なゲーム性を台無しにしているのがスペック詐称問題です。ザク七は設定1でもBIG 197分の1, 合算99分の1と軽い初当たりを謳っていたのですが、実践値だとBIG確率は240分の1しかありません。2割も違うてアンタ。

公表値だとBIGとREGがほぼ1:1になっているのに、実際にホールで打つとバケばっかりきます。BIG5, REG20といった異常なデータを何度見たことか...一応高設定ほどREG比率はあがりますが、それでも公表値だとほぼ1:1です。設定Cのような特殊仕様ではなく、普通のスペックでこんな偏りが多発することは到底考えられない。明らかに異常です。

当然ながらホール割も激辛。サイトセブンの出率評価も最悪クラス、6でも100%を切ると噂になりました。この話に言及した動画はお蔵入り, 数々の解析サイトからもザク七のボーナス合算や機械割の情報が削除される事態に。ヤマサがだんまりを決め込んだこともあって、優れたゲーム性を持つにもかかわらず『ザクザク七福神は割詐称の欠陥品』呼ばわりされて総スカンを食らいました。正直擁護はできんす...

当初、僕はこの件について懐疑的でした。この台のフル攻略は『通常時の1枚役を全取得し、BIG中のビタを一切ミスらずCT中はすぐに維持区間へ移行させつつノーミス』という人間には到底不可能な代物なので、ホール割が低く出るのは当たり前だと考えていたからです。また、小役重複がメインな上にRTを主体としたゲーム性なのでボーナスを揃えられるまでに少し時間が掛かります。それらが重なった結果だろう、と最初は思っていたんです。

(僕自身が割と確率通りにBIGを引けたこともあり、BIG中のビタ失敗の影響かな?と最初は思っていました。最初は)

けどね...情報が出るたび疑惑が確信へと変わるんですよ。だって"BIG確率だけ"がおかしい"んだもの。REGは普通に来ます。というか公表値より軽いんじゃないか?ってぐらい引けます。疑惑その1。

そんでもってこの台はBIGからしかCTに入りません。しかも、CTは6号機の試験において大幅に不利となる"長いRT"です。出玉試験編で説明した通り、リプレイ確率が高ければ高いほど試験に通りにくくなります。疑惑その2。

なんかおかしくね?と皆が疑問に思う中、有志が出した調査結果が出されます。なんと『全国データでは700万GのBIG確率は240分の1前後』という驚愕の数値。しかもREG確率は普通。導入から10日が経ち、それなりに打ち方が浸透してコレ。更には解析サイトでベル確率が修正されたり、ボーナス確率を表記した一撃の試打動画が削除されたりと大混乱。ここまで来たらもはや必然です。これはスペック詐称だと完全に確信しました。

僕は結構ホール割については寛容な方でして、6の割が公表値より低くてもそこまで気にしません。出玉率と機械割は異なりますし、実際の稼働は様々な要素が絡むので一概には言えないってスタンスです。導入直後は6のサンプルなんかあまり取れないしさ。それなりにはメーカーを信頼してるってことです。

ただ、ザク七は全設定を含めた数字かつ700万Gものサンプルを取ってBIG確率だけがおかしいんです。
「6号機の試験において長めのRTは超絶不利」
「リプは試験だと0 in 0 outなので、RT中の連チャンはヤバい。BIGだと更にマズイ」
「REG確率は普通。むしろ公表値より体感来るレベル」
「CT(RT100G)はBIGからしか入らない」
「素直に考えたら公表値通りだと6号機の出玉試験に通らない」
「BIGの実践値だけがおかしい。全設定含めて公表値より2割ほど重い」

・・・なんか察するにあまりあるよね。
なるほど、試験通すためにやったんだろうなって。んで、そのままじゃ売れないからスペックを詐称したんだろうなって。ヤマサよ、それは一番やっちゃダメだろ。

(どんなに面白い台でもメーカーの嘘一つで台無しになってしまう...ザク七はその悲しい代表例だと言えます)

総評

僕がこの企画の採点基準を公表した時に『40点台以下は赤点で製品未満』と説明しました。ザク七はこれに片足ツッコんでます。片足どころか身体の半分ぐらい引っかかってるかもしれない。スペック詐称の件だけ見れば完全に製品未満です。

ただねぇ、悔しいけどオモロイんすよ。スロットとしてメチャクチャ面白いんですよ、コイツ。昨今のパチスロと良く似た何かと違って、ザク七はしっかりパチスロしちゃってます。演出と出目の絡みを活かしたゲーム性は素晴らしいし、台の造形もサウンドもキャラクターも全部良質。スペックが公表値と異なる点を差し引いても、製品未満と呼ぶにはあまりにも面白すぎる。そのため71点(★3)と致しました。出玉はアレですが、間違いなくその辺の高ベースAT機より遥かに打ってて楽しいです。ゲーム性とキャラだけなら神台。でも詐称はやっぱり許せないのでこの点数。

噂によると元々ザク七は5.9号機で開発していたとかなんとか。そりゃそうよね。カンフーレディテトラの上位互換になってそう。一度打ってみたかったなぁ...

文句は色々ありますが、1種2種BBタイプでRT連チャン主体のA+RT機, なんて代物を6号機で出してくれたことは間違いなく評価できると思います。詐称しなきゃいけないほど試験が厳しいとわかった意味でもな!! ゲーム性は神なので次回作はA+ATで出してくだされ。ヤマサさん、よろしくお願いします。

ドンちゃん2


メーカー: アクロス
導入日: 2019年 3月25日
評価: ★4
点数: 83点

良い点
・6号機ノーマルタイプの限界ともいえるスペック
・液晶演出と出目の絡み, 法則を覚えることによる楽しさ
・赤青緑ドンとスケボーの全4種類から選べる演出タイプ
・多彩なリーチ目
・ボーナス成立時の出目を後から確認できる
・BIG後にRTが22Gついている
・REGでも100枚貰える
・コイン持ちが良いのにそこそこ軽めのボーナス確率

悪い点
・6号機ノーマルタイプの限界スペックですらこの程度という絶望感
・1種BB+RBタイプなので役物比率の関係上、千円ベースが1k44G以上と高い
・隣に完全上位互換の5号機が残っているせいで存在価値が薄い

6号機におけるノーマル機の完成形と呼べる素晴らしい出来だが...

6号機として見た場合、ドンちゃん2は文句のつけようがありません。
BIGは222枚+RT22G, REGでも100枚の獲得が可能。高ベースな割にボーナス合算は設定1でも169分の1と軽め。液晶演出と出目の法則も覚えれば覚えるほど面白い。演出タイプを4種類から選択できるようにし、多様なユーザーに配慮して抜かりなし。

リスクリターンのバランスが取れており、ゲーム性も良好なので欠点が全く見当たらない。アクロスの6号機 A PROJECT一発目としては完璧な仕上がりです。本当に素晴らしい。

・・・ただね、隣に完全上位互換の5号機があるんですよ。いくらドンちゃん2が6号機として優れていても、横にあるハイパーリノの方が打ってて楽しいんですよ。これはもう、仕方がないとしか言いようがありません。ドンちゃん2が悪いんじゃない、6号機の規制を決めた人たちが悪い。さっさとノーマル機だけでもリプ0 in 0 outを解消してください。このままじゃマジでパチスロ終わっちゃうよ...

点数を83点(★4)に抑えたのはこれが理由です。本音を言えば86点以上付けたかった。鏡よりも高い点数を付けなければならない、と直前まで考えていました。けれども、他の80点オーバー機種である鏡, チェンクロ, リゼロは全て『6号機ならではの長所』を持っているのに対し、ドンちゃん2は何一つ5号機に勝っているポイントがありません。ドンちゃん2は5号機ノーマルタイプの純粋劣化品である...悲しいけれど、それが事実なんです。

(6号機として見ればドンちゃん2は完璧な仕上がりです。しかし、5号機と比較するとどうしても見劣りしてしまいます)

鏡は6号機の将来と限界の両方を感じさせました。しかし、ドンちゃん2からは6号機の限界しか感じられません。『素晴らしい出来だ。文句なしに面白い!』と感じると同時に「これが頂点だよ, これ以上の物は作れませんよ」と言われているかのような...そんな6号機の悲哀が見て取れてしまいました。

この記事を書く少し前に6号機版ジャグラーのスペックが出たのも理由の一つですね。ドンちゃん2で限界だと思ったけれど、運さえあれば一段階上のスペックも作れるじゃないか!と。次の6号機版サンダーも非常に良いスペックですし、まだまだ上を見たい!との意を込めての83点としました。

僕自身そこまでノーマル機への造詣は深くないため、今回のレビューはかなり薄味です。ドンちゃん2は好きでちょくちょく打ってますが、基本の順押しBAR狙い+赤ドンしかやらないので、ハッキリ言って制御や演出法則は詳しくありません。全体のゲーム性を軽く紹介するに留め、サクッと終わらせようと思います。

トータルバランスの良さ

財布に5千円しかない時、皆さんはホールで何を打ちますか? 1パチ5スロ, あるいはジャグラーなんて人が多そうですね。そもそも打たないって人も多いか。ちなみに僕はドンちゃん2派です。

ドンちゃん2が最も優れている点はトータルバランスの良さです。1k 44Gとコイン持ちが良い割にボナ合算は1でも169分の1と軽め。BIGは222枚と少なめだがRTが22Gつく上に確率も軽め。REGでも100枚貰えるので損した気持ちになりにくい。数千円でサクッと持ちコインを作るのには最適な一台だと思います。

その代わり、短時間でBIG連から1000枚を目指したり終日回して大きな差枚を目指すにはあまり向いていません。1種BB+RBタイプなので役物比率の都合から千円ベースが高く、BIG枚数も222枚と少ないため波は非常に穏やかです。

一度イベント日に設定6を5000Gほど回しましたが、REGで延命しつつじんわりじんわり増えていくような印象です。あまりにもマッタリしていたので、疲れて8時ぐらいには辞めてしまいました。隣に完全上位互換のHANABIが置いてあるのが悪い。長時間打つなら誰だってあっちにするよ。

(ドンちゃん2の設定6を長時間打った時は中々に苦痛でした。コイン持ちが良いから減らないとはいえ、苦労して苦労してBIGからRT連してようやく300枚。5~6回BIGを重ねてやっと箱に手が伸びる感覚。隣のおじさんがアレックスでサクッとBIG連して1000枚お持ち帰りしている横で僕は延々もみもみ。これはもう、どうしようもないです)

ただ、先にも書いたように低投資で持ちコインを作るには最適な機種となっています。個人的には非常に助かってますね。というか、5号機ノーマルより触ってる回数自体は多いかも。
数千円の負けを取り返したかったり、打つものがない時に移動用の持ちコインを作りたかったらとりあえずドンちゃん2に座ります。んで、3千円以内に当たったらAT機に移動してわらしべ~みたいな。そんな軽い付き合いの方が向いている気はします。

(6の苦行を体験して以降ドンちゃん2とは適度な付き合いが増えました。5号機のような「千円でBIGワンチャン!」という感覚ではなく、「とりあえず3千円でリーチ目1回」って感じ。低リスクでスロットを遊ばせて貰える感覚がスゴく好きです。羽根物を打つ感覚に近いかも?)

出目と演出の絡み

ドンちゃん2は液晶付きです。液晶演出とリール出目やランプの絡みを見ながら楽しむゲーム性となっています。違和感や矛盾を察知しながらリーチ目をバシッと止めるのが基本。僕はほぼ赤ドンしか選ばないので、田吾作からの涼否定でボナが一番好きです。あとはトラック3台か。3連花火で「もうボーナス入ってんの!?」となることも多し。この辺の解説はプロにお任せします。

(コレ好き)

(醍醐味のRT連チャン。詳しい法則はプロに聞いてくれ!)

僕が唯一言えることは『ドンちゃん2はノーマル機として普通に面白い!』ってことだけ!!  BIG枚数が少なくて食わず嫌いしている方は、演出法則を覚えた上で是非一度打ってみて下さい。良い台ですよ。

総評

「え! もう終わり!?」ってツッコまれそうですが、ドンちゃん2のレビューは以上です。
欠点が特になく、普通に出来が良いだけなので手短に済ませました。点数は83点。評価は★4。当然のトップクラス評価です。この台の長所短所は、僕が言わなくても打ったらすぐに理解できると思います。細かい演出法則や楽しみ方を逐一解説したら長くなりすぎますし、僕よりもっともっと詳しい人が沢山いますからな! 彼らにお任せします。

余談ですが、ドンちゃん2は稼働初期に『万枚が出た!!』と騒ぎになりました。しかも、殆どドンBIGのみ+特定のゲーム数で必ず当たるというイミソーレ並の裏物挙動。案の定、稼働停止からのメーカー対応になったそうですが、なんだったんでしょうねアレ。多分社内用のデモ基板が紛れ込んだとかそんなんでしょうけど。真相は闇の中。

また、僕は記事だとあえてノーマル機と表記していますが、普段はAタイプと呼ぶことの方が多いです。出玉試験を検定と呼んだり、ゲーム数当選をゲーム数解除と呼んだりするのと同じ。たとえ本来の意味とは異なっていても、意味が通じるなら俗称を使う方が楽ですからね。ニュアンスがわかりやすい場合は、あえて後者を使うこともあります。ゲーム数解除とか完全に定着しちゃってますし。

なんにせよ6号機はノーマル機(Aタイプ)にとって冬の時代です。どれだけ限界に近い性能を出しても、隣に上位互換が残っている現状で人気になることは決してありえません。
2021年に5号機が完全撤去されてからが勝負だと思います。その時にどれだけ客が残っているか、どれだけ面白さをアピールできるかで運命が決まりそうですね。正直今のままだと厳しいでしょう...P機に客を全部取られる未来しか見えない。

どんなに性能が高くて出来の良いパチスロを作っても、パチスロと良く似た何かやパチンコに負けてしまう。そんな6号機時代の歪さを如実に表しているのがドンちゃん2という台だと思います。ただ、地味に稼働貢献が10週を超えている数少ない6号機なので、ノーマル機の需要そのものは確実に存在しているのだとわかります。そういった見えにくいニーズを上手く掴み取ることが、今後の業界には求められるんじゃないでしょうか。来年どうなるんでしょうねホント。

終わりに

相変わらずクソほど長い記事となりましたが、ようやく2019年3月分のレビューが終了です。旅行だったり本業のアレコレがあったりで更新が予定より10日ぐらい遅れましたが、何とかひと段落つきました。

リゼロについては本当に複雑な想いを抱いており、それらを言語化するのに手間取ったのも遅れた理由の一つ。リゼロバブルに対して何故僕が当初から冷めた目で見ていたのか、それはそれとして機種単体で見た場合にはどのように考えているのか。上手く説明できた自信はありませんが、リゼロ関連で伝えたいことの9割以上は書けたためこの辺で区切りを付けようと思います。当たり前の内容が多すぎるので、自分で読み返してて正直つまらんなと思ったのは内緒。読んだ人たちがどう受け取ったかが気になる今日この頃です。

おそ松さん以外のワースト2機種についても今から何を書こうか考え中です。僕の好みとして極端なクソ要素がある機種よりも、褒める所が少なくて欠点の多い機種の方が点数が低くなる傾向があるので大体の予想はつくかも。楽しみに待っててね。ちなみにおそ松さん記事は書いていて非常に楽しかったです。よっぽど鬱憤が溜まってたんやなって。

それと一つお詫びが・・・3月中に全レビューを終わらせると宣言しましたが、今のペースだと到底不可能です。月に3記事が限界なので、4月後半~5月頭がピリオドになる予感。終わったらしばらく放置する予定ですが、何とか最後までやり遂げますので気長にお付き合い下さると助かります。

それでは、次回の2019年4月記事でお会いしましょう。

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チェン

コメント

  1. 6号機レビュー企画に関する記事読ませてもらっています。
    チェンさんの記事のおかげで6号機の出玉試験や仕組みを知ることが出来、現状の6号機がこういう挙動になるのはこういう事だったのか!と理解出来ました。
    各機種の記事もかなり読み応えのある面白い内容だと思います。
    Part6もいつ頃見ることが出来るのかと凄い待ち遠しかったです(笑)
    これからも楽しみにしています!
    頑張ってください!

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    返信
    1. こちらこそ読んでいただきありがとうございます!

      毎回お待たせして申し訳ないです...凝り性が災いして予定より長くなってばかり
      もう少しコンパクトにまとめたいと思いつつも、必要な内容を網羅すると今の分量になってしまうという
      読んだ人に面白いと感じていただけたのなら書いた甲斐があるってもんですぜ

      本業が忙しくなってきたので今後も10日に1回前後のペースとなる見込みです

      削除
  2. 更新楽しみにしてました。パチスロは大好きですがあまり深く考えずに打ってたのでチェンさんのブログは凄く勉強になるし楽しく読ませてもらってます。
    確かにこのままだとP機にお客全部取られそうですよね。僕も、去年の前半はパチスロメインでしたが今はすっかりパチンコメインになってしまいました。爆発力あるしゲーム性も悪くないです。対して六号機はもうとにかくデキレ感凄いし、やらされてる、打たされてるって感覚が凄くて自力感全然無くて楽しくないんですよね…。どう頑張っても2400枚が限度ってのも辛い。P機で万発出す方がずっと簡単ですし。メインどころの機種は大体触りましたが、個人的には六号機で楽しく打てたのは1000ちゃんだけでした。
    次の記事も楽しみにしてます!無理せずマイペースに更新してって下さい。

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    返信
    1. お待たせしてすみません!

      そうですね~ 最近のP機は本当にすごいです。
      地獄少女4とか久々に感動しましたぜ僕は...あの仕組みと発想は本当に素晴らしい。開発者は天才です

      6号機って本来はデキレとは無縁の代物なんですよ。むしろ5.5~5.9号機から自由度が広がったことにより、もっと様々なゲーム性を作れる余地があったはず
      それが、リゼロの人気によって6号機=デキレという悪しきイメージがついてしまったことが現状の停滞感を生み出した一番の要因だと個人的には思っています。リゼロ自体は良い台なんですけどね、良くも悪くも人気が出すぎたといいますか

      2400枚規制については僕も最終的には無くすべきだと考えています。もちろん色んな前提条件は入ってきますが、いずれまた詳しく記事の中で話していくつもり。

      割と冗談抜きにブログの負担が重すぎて本業がピンチなので、今月はあと1回更新できるかどうかといった感じでございます。しかも4月以降は忙しいので更に時間が取れないっていう
      まあ、なんだかんだ春先には終わるはずなので気長にお待ちいただけると助かります

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  3. いやー面白い
    個人的には記事がとても長いのも魅力のひとつだと思ってますので大変でしょうが頑張って下さい!

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    1. 面白いと言って貰えたなら苦労して書いた甲斐があるってもんだぜ!
      今後も気長にやっていくつもりでございます

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  4. お久しぶりです。
    とうとう、リゼロ回ですね。
    個人的にはリゼロは打たなかったんですよね。原作好きなんで、スロのリゼロから原作にハマったにわかさんたちが、「俺のリゼロ」「俺のレム」的なブログを書くのがまず気にくわなかったのと、どのブログを見てもコンビニや1枚絵の6確画面、あるいは強ATの完走、あるいは白鯨3戦の結果…

    金太郎飴感半端ねえ!
    誰がどのブログを書いているのかもはや区別不可能な毎日でしたよ。全く、読み手の身にもなれ。
    ある知り合いだった有名ブロガーさんは、「設定狙いなら6以外は打ちたくない」とかほざいてました(でもその方、エナだと強ATでニッコリ)。
    この機種との向き合い方で、その人の人間性がわかる踏み絵的な機種とも言えました(個人的に)。

    というか、今回のブログの機種ひとつも触ってません(苦笑)。

    今後出る新台で打ちたいのは…甘戦国乙女5ですね!(せめてケロットとかモンキーターンとか書きなよ←)

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    返信
    1. こちらこそお久しぶりです!

      リゼロは間違いなく6号機を盛り上げた功労者ですが、同時に罪深い機種でもありますからね~
      スロットとしてのゲーム性が薄いので誰が打っても同じような絵面になるのがネック。打ってる本人は割と楽しいんですけども。

      リゼロは踏み絵、ですか...うーむ。
      まあ、人気機種に人が群がるのは今に始まった話ではないので仕方がないかと。僕自身は割とスタンスが一貫しているタイプなので、好きな機種や意見をコロコロ変えたりする人に対しては色々思うことがありますけどね。ま、人間そんなもんす。

      甘乙女5は花のP機版って感じでしたね~。今のP機はどれも面白いので割とどの新台も楽しみにしております。
      モンキーターン4はモグモグ式でのベースカットに適度な純増とゲーム性、自力要素とゲーム数解除と僕が主張していた話を全部盛り込んでいるのでメチャクチャ期待してます!
      試打を見る限り文句なしの出来ですが、実際に打ってどう感じるかが気になるところ。導入日がもう少し早ければじっくり打てたんだけどなぁ。どうなることやら

      削除
  5. 今回もお疲れ様でした。
    書き出すと止まらないのわかります(笑)

    リゼロはスロットとしては普通なんですが、補ってあまりある見せ方のうまさですよねぇ。とにかく気持ちよくしてくれる。私もそれくらいの採点です。

    ただ、流行りすぎました。他の機種を犠牲にした配分、後続機種への悪影響、超過剰導入、どれをとってもなんという業の深さ・・・。大都一人勝ちで被害者しか居ないんじゃ?自分とこは高純増機は早々に見切って開発してないのも策士すぎる。

    おそ松はノーコメントで。

    てかエウレカがかなり良いですねぇ。
    この前-3000枚吸い込まれながら自力くそ弱いけど4あるよな~とか思ってたら、虹トロで6だったんかワレ!ってね(笑)
    分かりそうで分からない、1ゲームで展開が変わる、これぞパチスロ!こうでなきゃ1動かねぇです。
    面白いかはさておき、6号機の中では最もバランスが良いと思いました。

    ドンちゃんは・・・、なぜか図柄が見えない(

    返信削除
    返信
    1. 今も4月分を書いていますが、どうすれば削れるのかを悩みながら結局全部書くことになりそう...

      余談ですが、僕は"見せ方"と"魅せ方"をあえて使い分けています。「自分をどのように相手に見せるか」であれば"見せ方"、「同じものをどのように演出するか」であれば"魅せ方"といった具合です。
      その意味で言うと、リゼロは"魅せ方"よりも"見せ方"の方が上手い機種だったかもしれません。だから流行ったんでしょうね。
      大都は策士ですが企業としては当然の動きをしたにすぎず、見抜けなかった人達が問題だと思います。今更言っても仕方のない話ですけど。

      エウレカ3は本当に良く出来ています。高ベースAT機としては現状トップの完成度じゃないかな? 素晴らしい。
      ただ、色々問題のあるシステムなので長期稼働は難しいかな~と正直思っています。結局6号機でメインを張れる機種は一つも出なかったですね...

      ドンちゃん2は赤7とドン図柄がたまに見にくいですが、指の部分に注目すれば案外視認できますぜ!

      削除
  6. リゼロ…打ち手からすれば、とても楽な台なんですよね
    "楽"って言うのは様々な角度からそうで、設定判別が楽→つまり時間や無駄な資金を消費しない。ゲーム性が単調でシンプル→いちいち細かい知識もいらない、目押しはあるけど基本誰でも打たせられる。設定ごとの挙動が極端→高設定と分かればもう頭使う必要がない メダル入れてレバー叩けば勝手に増える。ゲーム数解除のみ、かつ高純増→打ち始めから計算して、次の白鯨までどれくらいの時間、資金を使うのか予め見通しが立てられる、無論勝った場合どれくらい増えるかも計算できる。熱いイベ日やホールがやる気のあるタイミングで座ることができれば、最悪負けても1~2万。勝てれば大勝コース。打ち手にとっては麻薬のような台でした。。。

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    1. リゼロは収支を考えた際には本当にありがたい存在でした...
      だからこそ人気が出たんだと思います。冗談抜きで勝てましたからね

      ただ、知識を持つ打ち手にあまりにも有利すぎる仕様ゆえが現状を招いてしまったようにも感じます
      今後はこの風潮を払拭できるかどうかが6号機の明暗を分けることになりそう

      削除
  7. リゼロは打ち手からすればお宝のような台でしたが、ホールからすれば真逆でしょうかね…
    利益や長期稼働が見込めないと分かってても設定を使わざるを得ない。使わなければその日の稼働すら消え、「あの店は出てない」と打ち手に言われ、データ上でもハッキリそれがバレてしまう。私の地域のホールでも、ピーク時は特定日やリフレッシュ、時差オープンの日は毎回台平均2000前後の出玉になる設定でしたね。しかし次の日からほとんど回されなくなるもんだからホールも厳しいでしょうね

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    1. リゼロの扱いってメチャクチャ難しくて、いくら赤字で還元しても長期的な客層が付かないタイプなんですよね。打ち込み要素も薄いですし

      ただ、だからといってリゼロ以上に人気のある6号機があったかというとなくて、お店も仕方がなくリゼロで還元していたようにも見受けられました

      外野からすればチェンクロみたいに設定判別が難しくて1でも何とかなる(気がする)台にガンガン6を使って、一度楽しませてから後ほどゆっくり回収する方がトータルでは良かったように思いますけどね。まあ、それも現実的に上手く行ったかというと難しかったでしょうけども...

      低設定でも面白い台を作ることが今後の6号機の課題になってくるのは間違いなさそうです

      削除

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